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2005.09.11

設置角度・方位と発電量の関係は?

設置方位ごとに比較すると年間でどのくらいの差が出るか、下図は京セラがカタログ等で示しているものです。kchoui1
筆者自身、3次元図を描いてシミュレーターで検証してみました。
すると、この図はかなり正確だと考えて良いことがわかりました。
消費者の皆さんにとっては、考え方の整理の役に立つことでしょう。

ところが業者側は、この図を安易に使ってはなりません。
以下、重大な注意点があります。

●建物の軸が完全に南北方向か?
完全で無い場合、かなりの誤差が現れます。敷地図があればこれを参照すると良いでしょう。敷地図や有用な地図が無い場合は、
①オイルコンパスによる方位のチェック
②地磁気による磁北偏差を考慮
しか方法がありません。腕時計で方位を見るのも良いことですが、感覚的な部分を残します。

●建物は草原の中の一軒家のように周囲の影響が少ないか?
住宅密集地では隣家の影や電柱の影、木の枝葉の影響があります。(住んでいる人は意外にこの影響を知らないものです。)
また、総二階ではない、在来木造家屋では二階の建屋が落とす影(自己陰)についても注意が必要です。実際の住宅は、季節によって多かれ少なかれアレイに影が落ちると予想される建物が殆どです。なるべく3次元図によって机上シミュレーションする必要がありましょう。

●パワコンの効率は入力電力に対して変動します。
夏至など太陽高度の高い時期は定格に近い発電をする時間が長くなるため高効率帯域で稼動します。
一方、冬至になると太陽高度が低くなるため東西北に設置した太陽電池面に注ぐ日射のパワーは極端に落ちます。すると設置方位によっては入力電力が極端に低くなり、大幅な効率低下を起こす時間が長くなります。
例えば1KWシステムに対して4KWのパワコンを用いるなど、アレイ規模よりもパワコン定格が極端に大きい場合、本来よりも年間発電量が大きく減る場面も考えられます。

pccurve001 面倒かもしれませんが、シミュレーションをお客さんに提出する場面では、ここまでしなければ、ひどくいい加減な発電量予測となります。
メーカーが提供する発電予測ソフトの値が実際の発電量と比べて、2~3割も狂うことがあるのは、こうした要因があるからです。

結局は、周辺状況を含めた3次元図で時間軸を追いかけながら瞬時発電量を積み上げてゆく以外に、あまり正確な方法はありません。

大規模産業用では図面が完備していることや日影がかかる場所が全体に比して極小だという事情もあって、どんぶり勘定でも大きな誤差は出ないかもしれません。
しかし住宅には様々なパラメーターがあり、本当に難しいです。中でも日影による損失は、エクセルシートやメーカーが代理店に提供している簡易シミュレーション程度では、まるで読みきれないことが殆どです。

9月 11, 2005 FAQ(住宅太陽光) |

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コメント

メーカーのパンフによって方位の発電電力量の比率が違うのは何故?ちょっと素朴な疑問でした。

投稿: なっちゃん | 2005/09/15 0:41:39

>メーカーのパンフによって方位の発電電力量の比率が違うのは何故?

これは、パワコンの効率カーブ差だったり、アレイだけを捉えた差異だったり、と基準がまちまちだからです。
京セラのは、一般住宅を基準にパワコンの実効率を含めた年間の積算電力差を示していますよ。私のシミュレーションではそう判断しました。また、三洋の代理店向け技術資料も正確でした。

早速、あちこちのメーカーの資料を見てみました。すると誤解を招くような表現が多いことに気づかされます。

中でも南面30度を基準とする年間発電量表記は良くないと思います。日本の住宅によくある屋根勾配は24度前後だからです。産業用太陽光のパンフならいいですけど、住宅用のパンフに30度を採用するのは無茶だと以前から思っていました。

投稿: よしどみ | 2005/09/15 13:46:17

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