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2005.10.31

カマキリと灯油ランプ

kamakiri 軒下に吊っている灯油ランプに大きなカマキリ発見。秋の日差しを浴びてカマキリの緑もキレイ。

この灯油ランプ、自分でも久しぶりに見た。
10年ほど前になろうか、灯油を入れるのは面倒ということでガイシソケットを探してきて100Vの球を放り込んだもの。

夜に点すとなかなか情緒があるんですよ。
根元のビニルテープはご愛嬌。こうでもしないと屋外では風にあおられてホヤが割れてしまうような気がしたから。

もう一台、北一ガラスのが洗濯機の上にもある。
白熱球ゆえ、エネルギー効率が悪いので常用は考えていない。でも、ちょっとしたDIY、面白いですよね。

10月 31, 2005 私の話 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.10.30

Moduleprices

Moduleprices10-05 2003年頃と比べると太陽電池価格はやや上昇中。
ソーラーバズの調査を見ると、10月も更新。日経を見ると来年にも原料が上がる模様。
多結晶の価格が意外にも不安定なのはヨーロッパと日本で多結晶太陽電池が加速度的に普及し始めていることがある。

急いで買えとはいわんが、結晶系太陽電池はもう値段が落ち着いたんじゃないかな。新型かつ結晶系を超えるほどの高効率な素子が出てこない限り、ガツンと安くなることはもうあるまい。

だからだと思うけど、次なるコストダウン対策として、一部メーカーでは純正架台が安くなりつつある。架台の原料たる鉄鋼が値上がりしているのにどうして?と思うけど、それは原料使用量を減らした架台が開発されているから。歓迎すべき風潮に見えるけど、強度が不足してはたまらない。なかなかバランスが難しいですな。

10月 30, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.10.29

PV温度と鳥の巣対策

計画から半年がかりでやっと対策が済んだので後学のために公開します。

設置から一年経たない春。お客さんからご連絡。どうもパネルの下に鳥が棲んでいる様子とのこと。今まで1000件ほど施工したうち、数件しかなかった事例だし、システムにも影響が出ていないことや、巣のみ残して翌年は居なくなることから「まぁ大丈夫でしょう。生き物ですし、実害が無ければ一年は見守ってやりましょう。」とお話しし合意していたのですが、また翌年の6月にも連絡あり。洗濯物に糞が付くし、朝はコツコツと屋根の上が賑やかだと。これは住み着いたかなぁと現地にお伺いすると、この近辺はムクドリのコロニーがある様子。配電線の上からも「げぇげぇー」とうるさい。辺りは広大な田園地帯。生き物には格好の環境?思っていたよりもこりゃ大事だ。

stamago屋根に上って近隣を見渡すと近所の家の雨どいにも巣があるわあるわ。さて恐る恐るパネルをはがしてみると。。。やっぱりわらクズ製の巣がたくさん。数枚をはがしただけで30リットルのゴミ袋が2つ満タンになってしまった。しかし、このままだとまた棲むだろうなぁ。どうしようかなぁ。と困惑しながら次々にパネルをはがしてゆくと。。。タマゴはあるし、小鳥も居る。生きているのでこりゃ参った。生き物の迫力に降参してしまった。この日は(私は生き物の専門家ではないので)宿題とさせていただくことにした。まさか、生きた小鳥をゴミ袋に入れるわけにも行かないし、法律もあろう。と。

帰社してそれから数日間、鳥のことを調べた。
するとこの青いタマゴはムクドリというらしい。移動することもあるけど住み着くこともある。スズメより大きい。声が下品。地域によっては害鳥扱い。そして最後に夏くらいまでが繁殖期だということがわかって、お客さんと相談の上、対策作業の時期は秋と決めた。

shina

そうしないといつ行ってもヒナやタマゴに出会う可能性が高いからである。さて、その方法だけれど、どうするか。これが一番悩んだ。
いくつかのメーカーと話をした。大きなコロニーが太陽電池の下に棲み付くのは珍しい事例らしく、某メーカーさんは親切にも鳥類の研究所にも尋ねてくれた。(Kさんありがとうございます)

一応、過去の少ない事例からするとパンチングメタルを加工して覆う例(公共産業用)、金網で覆う案が出てきた。(Fさんありがとうございます)親しい販売店数社とも相談してみた。するとナイロンの網を張るという。でもナイロンや樹脂系の網だと紫外線劣化で数年でぼろぼろになるので却下。(Aさん、Hさん、このやり方はダメでしょ?)これではお客さんからのお叱りを一時的に逃げるだけになってしまう。また網に鳥が絡まったら屋根上に屍骸が残ることになってしまう。パンチングメタルも、ここは足場が悪くて屋根上加工できないことと、瓦の凸凹にあわせるのが困難だということで却下。(試算するとその費用も、PV設置工事費より高くなってしまいそうだった)毒の散布もNGとした。効き目が継続しない(らしい)のと、何やら残酷だし気味が悪いので。板金で覆うのは論外とした。せっかく換気工法としたのに太陽電池の温度が上がってしまう。太陽電池温度が上がると発電能力が落ちてしまうので、これは絶対に避けるべし。(EさんBさん、これはダメよ!)

sami するとあとは金網かぁ。。。ずいぶん調べてあちこちをみてみたのだけれど、亜鉛めっきのやビニル被覆のしかない。いずれも数年でぼろぼろになってしまう。参ったなぁ。。。と何箇所かホームセンターをめぐると。。。SUS304の加工しやすいタイプがあったぁ。。。良かった。
ということでSUSの金網に決定。右手が腱鞘炎寸前になりながらも専用の鋏で加工。固定はIECレールとマルテンサイト系のセルフドリリングネジ。淡々と材料を仕度した。
本番ではパネルを一枚残らずはがして古巣を撤去、続けて総延長40mの金網固定。こりゃ目立つぞぉ~と思ったら地上からは意外にも目立たなかった。タブンこれが一番おすすめの工法かな。なお、このアレイの場合、固定用ネジがM8だったので取り付け取り外しが自由だった。最近の太陽電池にはM5やM6のネジによる固定方法が増えているのでボルトが千切れてしまって取り外しに苦労することも。

10月 29, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005.10.23

自作計測器

keisocv_002計装現場用の定電圧源、定電流源を作ってみた。
左のは可変式。暗いところで仕事をすることが多いのでLEDを表示を採用し、表示を見やすくした。
右のは固定式。1-5Vと4-20mA系専用。ロガーより下流側にメジアン値が出ればOK。
キャリブレーション後の成績はまぁまぁ。RS232経由でパソコンで10分程度観察してみたら、フラツキは0.3%くらい。いずれにせよ1%程度の誤差なら簡単な点検には実用的でしょう。ポケットにも入るし。
電源は006Pの9V電池。すぐに中身がなくなると思いきや、意外に長持ちだった。

公共工事の現場には泥棒さんが多い。だから市販の高価な道具をあまり持ち込みたくないのだ。最近の私はむしろ民間のしょーもない仕事の方に高級な道具を持ち込むことが多くて、なんだか本末転倒しているような気もするけど、住宅などご近所の目がある現場の方が盗難リスクが低い気がしてならない。

かつて私は計測器一式と電動工具一式を盗難に遭い、しばらく特売のきゅうりと米だけで暮らしたことがある。車のカギも壊されてサンザンだった。

10月 23, 2005 太陽光発電の技術 | | コメント (14) | トラックバック (0)

2005.10.18

太陽電池の表面は何で出来ているの?

nottemo「太陽電池の表面はプラスチックですよね?」と尋ねられる方が少なくないのでちょっと書いて見ることにしました。
住宅や産業用で 最も売れているタイプの結晶系太陽電池の表面はガラス(カバーガラスと云う)で出来ています。この素材、正式には「白板強化ガラス」といいます。
これら汎用太陽電池の構造は、カバーガラスに発電素子であるセルをくっつけているような感じです。裏は薄い樹脂のバックシートで防湿対策、電気的保護がなされています。このような汎用太陽電池の構造を”スーパーストレート”といいます。さらに、わが国のものは海外のそれに比べてとても頑丈に出来ていて、4辺がアルミフレームで覆われています。台風がひどいわが国では、太陽電池が戦車級に頑丈になるのは当然のことと思われます。高い高いと文句をいわれても飛んでしまっては意味がありませんから。

また、こうしたスーパーストレートタイプの太陽電池は、ガラス面に粘り強さがあり、作業時に歩くことも出来ます。JISによると227±2グラム、直径38ミリの鋼球を1mの高さから落下させたり、対角100ミリあたり2ミリのねじりを加えても著しい以上が無いことや電気的性能を満足することが規定されています。

heliつまり、このガラス、よほどの事でなければ割れることはありません。筆者の経験ではヘリコプターから角材を落下させた場合でしか壊したことはありません。(注:ヘリ物輸中にこの失敗をやることが2回もありました。なお写真のヘリは犯人ではありません)しかし、積雪が深い地域ではまた別のプロセスで破損する場面がありますので豪雪地や極寒地では注意は必要です。公共設備で割れまくっているのがあるのは、むしろ設計と製品選定の問題です。
なお、ガラスの割れ方ですが、粉々に飛散することはありません。自動車のフロントガラスのようにクモの巣状に割れます。積雪地に住む方で雪下ろしをマメにされる方には、時々角スコップの角で割ってしまうトラブルがあります。ご注意下さい。小まめな除雪によって稼動時間を長くしたい場合は、積雪の上の方だけ角スコで除雪し、ガラス面の除雪にはポリエチレンの100円チリトリをお使いになることをおすすめします。

subst他にホビー用の結晶系太陽電池や屋根材一体型のアモルファス太陽電池によくある形にサブストレートと呼ばれるタイプがあります。
これは基板が裏側にあり、表面の方が透明樹脂になります。黄砂が乗ったサブストレートの上に靴などやると擦過傷にやられるとは思いますが、この構造では軽量薄型かつ折りたたみ式にすることが可能なため、可搬性を求める軍隊などで好まれます。写真のサブストレート太陽電池はタイ軍のものです。素子は単結晶。背面は黒色のアルミになっていて放熱の工夫があります。出力リードの選択によって36セルと30セルの2出力が得られます。(チャーコン無しにバルク充電とフロート充電を選べるということですね。戦争をしているときにバッテリが弱くなったら無線機等のためにフロート使用したりも出来るわけです)

monomaltisub最後の写真は左から5インチ単結晶、5インチ多結晶、タイ軍サブストレートタイプの4インチ単結晶です。全て36セル。
左の二つはいずれも世界規格(1200*530程度)サイズです。この形状であれば、万が一盗難や破損があっても、架台や電気回路の調整や交換をせずに複数メーカーの中から代替品をチョイスできます。インフラ系目的で長期使用を考えている場合には、この(暗黙の了解的な)規格は助かります。

世界レベル・歴史レベルで見ると、左のふたつが標準的な太陽電池の例(独立用)ですが、わが国では採用例が少なくなってしまいました。(物好きな方は、ヒマな時に理由を考えてみてくださいね)

いずれもやや古い写真です。一番左のは補修用に処分してしまいました。中央の太陽電池はヨーロッパ向けの輸出用です。輸出用ですから裏ルート入手したのですが、構造がまずいため国内では耐えられないと判断。海外ボランティアさんにあげちゃいました。一番右のだけ道楽用途として保管しています。弊社に遊びに見える方にはいつでもお見せします。どうぞお気軽にリクエスト下さい。

10月 18, 2005 FAQ(住宅太陽光) | | コメント (6) | トラックバック (0)

太陽光発電。雨漏りはしないの?

amajimi 雨漏りネタは、よくある質問です。
多くの業者さんは、「メーカー指定工法によれば全く問題ない。」と簡単に済ませていますが、左図はメーカー指定工法で雨漏りしている例です。
もちろん、ウチが仕事したわけではありません。大手業者が施工した、某宅の例です。

ここは屋根自体が太陽光発電設置に耐えられる状態ではありませんでした。それで瓦が割れ、室内に滝のような雨が降りトラブルになっている次第です。メーカーも知らん振り、販売業者も知らん振りです。

公共建築物でなくとも、設置前には必ず精細な現地調査が必要です。本来的に太陽光発電を設置するのが望ましくない建物には、設置以前に抜本的な屋根改修を行わなくてはなりません。もちろん、メーカーや製品を変更することでそのまま対応出来る場合もあります。しかし、専門業者には十分な経験を持たない職人集団が少なくありません。また販売者は必ずしも正直ではありません。こうした場面では、技術的な問題があっても契約や工事が継続してしまうことに設置者は注意する必要がありましょう。

また、確かに太陽電池メーカーは社会的信用に足るだけの技術力があります。しかし、あなたの家について彼らはいちいちやってきてくれるわけではありません。本気で考えてくれるのは販売施工店なのです。だから「メーカーが保証してくれる。」「メーカーが大丈夫だというから大丈夫だろう。」うんぬんという文言は「メーカーが想定する典型」を対象としているだけであって、あなたの家という特定の家にとっては、まるで当てはまらないことに注意すべきです。

業者から漫然と「大丈夫」「OK]という言葉が出る場合、その内容をもっと科学的に、つぶさに確認させてもらう必要があります。設置者は、業者からダマされたり、ウソをつかれたくなかったらある程度のシツコサや勉強が必要というわけです。あなたが、少々チープな建築物や痛んだ建築物に太陽光発電システムを設置したい場合は、真摯な業者を選び、少々ややこしい計算式や図示にも付き合って、リクツの上での技術的背景を聞かせてもらうことをおすすめします。

雨漏りの仕組みやプロセスはとても奥深く、難しいものです。太陽光発電カタログにあるほど甘くはありません。だから新築直後でもナメてかかってはならないのです。雨漏りという現象は、図面と現地状況を精細に追い、道理と経験から考えてナンボのものです。写真の雨漏りの家はそれほど古い住宅ではありませんが、太陽光発電を設置すれば雨漏りしやすい構造を持っていました。

しかしそのことは住宅居住者にはわかりません。販売業者もそのことに気づかなかったのだと思われます。プロにまかせることの大切さ、プロ(自称プロ)を疑うことの大切さがここからおわかりいただけるでしょうか。

10月 18, 2005 FAQ(住宅太陽光) | | コメント (13) | トラックバック (0)

2005.10.17

ヤモリがやってきた

yam010 ここ数日、我が家に毎日やってくるヤモリ君。
嬉しいなぁ。カワイイなぁ。
私の机のすぐ前までやってくる。
思い起こせば、彼に毎日会えるのは、小学生以来かもしれない。もちろん同じ彼じゃないけど(笑)
家守とか守宮って云って、家を守ってくれるんだよ、と婆ちゃんは教えてくれた。

嫁さんは、「アニエスベーがやって来たヨ」とはしゃいでる。ホントカナァと調べてみると、アニエスベーのマークはトカゲだそうだ。ん、でもトカゲとヤモリ違うんじゃ?と思って続けて調べると、どうやらヤモリもトカゲの一種みたい。ちなみに嫁さんは北海道出身。「初めて見る」というからこれも調べてみると北海道にはこのニホンヤモリは居ないそうな。

そういえば蛍光灯のセードの中、ここは羽虫の屍骸ばかりだったのが、いつか大きな糞が増えている。「へんだなぁ」とずっと思っていたんだけどヤモリ君の糞だったんだなぁ。合点がゆくとなんだか嬉しい。anies
初めて見る人のために説明しますが、この個体はしっぽまで入れても100円ライターのサイズです。(昔から巨大なのは見たことがありません。今も出てきたので見たら大きい個体でもライターの1.5倍くらいの長さ)毒もないし、巨大な爬虫類ではないので恐れる必要はありません。

この写真のほうがアニエスベーっぽいですな。普段はナメクジとカマキリの来訪に悩まされている我が家だけに嬉しい訪問客です。
えっ?ナメクジやカマキリの何がいけないかって?
踏んでしまうからですよ。。。(泣)

10月 17, 2005 私の話 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2005.10.16

ニュースやインターネットを見ていてよく悩むこと。

ニュースで見た行政の太陽光発電設備、良く見ると建築基準法違反だった。
今後の事故率はかなり高いと思う。
行政の仕事だから入札があったに違いないけど、果たしてここに教えてあげるべきなのか、アタマを抱えてしまった。
他の業者を陥れるようとするほどヒマじゃない。
担当の技官は気づいていないんだろうね。
この仕方が当たり前になってしまったらとてもまずいなぁ。

教えてあげると不幸になる。云わなくても不幸になる。
正義のために行われなくてはならないはずの間違いの指摘。
でもそれが全ての人にとって不幸の原因にしかならない場合はどう対応すれば良いのだろう。火事や瀕死の危急とは事情が違うからどうでもいいことなのかな?

技術関係の法律はひどく入り組んでいてとてもわかりにくい。
だから、誰だって過ちを犯す可能性はあるし、誤った仕事は現にあちこちにある。

これらをいちいち心配していたら、自分が仕事をする時間も無くなるし、キリが無いし、いちいち取り合っても居ないのだけれど、そういう自分が嫌になることがある。

10月 16, 2005 私の話 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2005.10.13

このTシャツどう?

lg600597854 HOMEPOWERのサイトに面白いものを発見。
シッピングコストを入れて15ドル。
S、M、L、XL、XXLがあるようです。次に雑多な買い物するとき、良かったら御一緒にいかが?

”クリーンで、信頼性の高い
太陽エネルギー
50億年無故障のサービス”

どうだまいったか!という感じです。
確かに太陽の歴史は50億年だし、無故障。
壮大で気分の良い文言ですね。

10月 13, 2005 私の話 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.10.11

MP点と独立型太陽電池

ivmpp 「3Rと太陽電池」の話のときに、すぎやまさんがコメントして下さったので、もう少しその話をしようと思う。寄り道が多くなってしまったらゴメンナサイ。

太陽電池は、負荷が要求する電流電圧によって最大電力が変動する。これを示したのをIVカーブと言う。で、左の図が理想的な状態。
緑色で塗られた面積=定格出力というわけ。
この太陽電池では、最大出力の130Wほどを取り出すのに19V~20V付近で使うと具合が良いことがわかる。この時電圧電流積は最大。このIVカーブ上の点を最大電力点をMPP(マックスパワーポイント)と言う。身近なところでは、住宅用のパワコンは自動的にこの点を追いかけるよう制御されている。住宅用の場合、割合ちゃらんぽらんな人が工事をしてもまぁまぁ満足そうに動くのはこのお陰。

iv144一方、同じ太陽電池をPWMチャーコンやオンオフチャーコンを介して12V電池に接続すると次の図のように(蓄電池の種類にもよるけど)14.4V程度に落ち着いて、太陽電池の動作点が左に移動する。上の図と比べて面積(発電電力)が下がっているのがわかるだろうか?
ここで太陽電池の定格発電量を100として比を計算すると、約80%の出力しか得られない。
ちょっともったいない使い方に感じる。でも、そもそも実際の太陽電池は上図の緑の面積で示された定格出力が得られることは稀。太陽電池の定格出力を定義しているのはJISCシリーズだけれども、この規格によるとセル温度25℃を基準にしている。屋根の上が25℃なんて、普段は、無い。工事していても太陽電池に触れられないほどの熱さになるし、実測すると春夏秋の間では、50~80℃にもなっている。そして一般結晶系のセル電圧には負の温度係数があるため実使用時にはもっと低い電圧で動作している。こうした次第で例え適切にMP点を追いかけたところでそもそも定格が出ることは無いのだから、オレンジの面積も、比例式ほど悪くは無い。また、ガッシングを必要とするレダシッドタイプの12V電池にはとても適している。(赤道直下なんか最高でしょうね。なお、蓄電池にも温度係数もあるから、大真面目なインストール時は、同時に蓄電池側からも考察する必要があります)

話がずれてしまった。。。

iv24さて今度は こいつを24V系で組むとどうなるだろうか、左の図のように小さい紫の面積の分しかその能力が得られない。定格比14%ほど。
これはいけませんねぇ。どうやっても、温度係数によってこれよりも低い電圧になるし、バルク充電どころか普通のアブソーブ充電も出来やしない。

えーと、独立型がお好きな皆さんやすぎやまさんと会話しようとしていたのですが、解説に力を入れてしまったため、54セルネタはまたにします。パラメーター値を導出し、描画するのが大変だからねぇ。これだけでも、イラレで色塗りしていたら発狂モノでした。

●クイズです。この太陽電池は何セルでしょう?

10月 11, 2005 FAQ(独立型太陽光) | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.10.09

視力がまた悪くなっているような。。。

ここ数日、細かなハンダ付けをしてるんだけど、目で捉える距離感が怪しくてひどいときには3ミリほどもずれた場所に道具が行ってしまう。いやーまいった。もう目玉の限界。小説の文字程度でもひどく辛い。毎年メガネを新調してるのに、また近眼が進んだのかなぁ。。。
机上の仕事が増えてからというもの、両目で捉える遠近感が狂ってきた気がする。もう、次回の免許更新(大型自動車)は通らない気がしてならない。参ったなぁ。

10月 9, 2005 私の話 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005.10.08

3Rと太陽電池

太陽電池の3Rを考えてみたことはある?
最初のRであるリデュース。
これは業者やメーカーにとっては勘弁して欲しい(笑) より多くの人に、楽しみながら導入してもらいたいな。でも使用頻度の少ないオモチャはどうなんでしょ?毎日野ざらし精一杯働かせてもエネルギー回収に5年は要るでしょう。でも、平気で紫外線劣化しちゃう樹脂部分は発電素子寿命の前にダメになっちゃう。だから教育用以外にはあまりお勧めできないな。
次のRはリユース。
街角でみかけるリサイクルショップや市民のバザーなんかがそうかな。使えるものをそのまま使いまわすこと。独立用の太陽電池の場合は、大抵これが出来る。ベランダ発電に飽きちゃったら自動車やヨットにつけてもいいですね。住宅用はどうなんだろう。あれは枚数も多いから、引っ越しで不要になったりしたら大変なことだ。その場合、系統連系で使いにくくなっても、独立型に転用するという方法が有力だ。目安として素子枚数が30~48のものは12V用で使える。66~72だったら24V用で使えるから中古もどんと来い。今後NGOさんが立ち上がって役立ててくれるかもしれない。
なお、24~28は床下換気扇などの軽い負荷を直接ドライブするか浮動充電用途の電圧しか得られないから、扱いはやや限定される。
30~34セルは寒冷地や小型システム向き。いつでも独立型で役立てたい場合は36セルの倍数が基本。赤道直下では36~42セルぐらいが具合が良いのではなかろうか。48セルの場合は3直列にすれば48V系にいけるからこれも悪くない。だけど48V系となると企業が使うようなシステムが多いから中古転用はありうるのか?やはり48セルもチャーコンの耐圧が足りれば12系で使うのも悪くない。一番困るのは、わが国でこれまで一番売れている54セル。帯に短したすきに長し。24系に使うと動作点がMPP点の右側になってしまうし、12系で使うとセルが余りすぎるし、普及型チャーコンの絶対最大定格電圧を超えてしまう場面が多い。
最後のRはリサイクル。
コイツはなかなか難儀であって、ガラスとEVA、EVAとセル、EVAとバックシートがはがしにくい。アルミフレームはネジをはずせば済むし、架台や電線は今でも全量リサイクルルートに乗るけど、モジュール本体は恐ろしい量のゴミになる。せめて長持ちするものを選び、大切に使うというものではないだろうか。
・・・以前お客さんからこう言われて驚いた
「30年持つものを1回買うよりも、15年しか持たないものを2回買う方がいい。」
買い替えを想定するケースだと、もう一度新品を導入できるし、その頃にはあるいは安く良質になっているかもしれないとのこと。
でも、15年程度でうんと安く良質になるのであれば、そもそも、私だっておすすめしない。この人は今後もあふれかえる世の中のゴミについてどう考えているのだろうか。それに2回も買ったらそれは恐ろしく高い買い物になってしまう。
関連して今度は、CPT(コストペイバックタイム)とLCC(ライフサイクルコスト)の根本的な違いについて触れてみたい。PVの経済性を考える時、CPTで考えるのはどうやら間違いでは無いかと思うのだ。

10月 8, 2005 太陽光発電の技術 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005.10.03

ケーブル余長と実発電効率

以前、このホームページを通じて既設置者から相談があった。「どうも発電量が少ない」という。発電量なんてものは、きちんと計算しない限り感覚の域を出ないものだからとりあえず写真を送ってもらって一緒に見て見ると、パネルの下に出力ケーブルの余長がぐるぐる巻きになっている。もちろん、傾斜屋根設置では、どの業者だってパネルをアレイから取り外して点検する便宜のために出力端に数十cm~1m程度は余長を取ることがあって、そうでなければむしろ困るのだけれど、工事中の写真ではなんと20m程度も巻いてある。これが5ストリングス。実際の余長は合計128mあったそうな。1ストリングス平均25.6mか。一般PVケーブルの2スケアの抵抗値を0.00882Ω/m、約7Aセル。RI^2から25.6*0.00882*7*7=11.06W。これが5組だから全体で最大約55Wの損失。つまり抵抗だけを考えると意外にたいしたことは無い。(大枚をはたく方には大変なことだけど)

で、果たしてこの配線をまず疑って、ケーブルを短くする工事の後、散見された最高出力はなんと3.9→4.9KWへ。(構成モジュールのJIS定格合計は5.325KW)

それにしても何故1KWも伸びたのか。
ご相談を受けた時期が6月下旬~7月初旬。ちょうど太陽高度が高い時期ではあるが、改修前の観察期間は長く、改修後の観察期間は短いため、販売者施工者への怒りなど感情的なものが数値に与えた影響は無視できるレベルにあると思える。
すると余長による影響は、抵抗分だけではなく、リアクタンス分の働きが大きかったのだろうか。なんとか定量評価したいと思うけど、なかなか難しい。いずれにせよ、この仕方を欠陥ともなんとも思っていなかったこの業者は、ケーブル余長が実発電量に大きく響くことを知ったはず。

余長を適正にした場合と比べて上の知見から最悪時0.79の係数が導出できる。(20余mというのは、メーカーが用意する延長アッセンブリケーブル長さにも近い) 弊社手持ちデーターで製品選定と施工による差が0.59積を取ると0.466。つまり最適設計・最適施工との組み合わせとそうでない場合の実発電量差は倍以上にも及ぶことが容易に想像できる。

ミもフタもない辛い話をしてしまうと、例えば4KWというお名前の太陽光発電設備を導入した場合でも、ある業者では基準比実質4.4KWを納品していて、ある業者では実質2.2KWを納入している場合があるということ。(実は、システム評価のためのパブリックな基準はまだどこにも無い。しょうがないのでJIS110%を軸足に据えるとこんな「感じ」で捉えてみる)
なお、これはイメージだけど、ぜんぜん大げさじゃない。

太陽光発電を設置する方は製品カタログを見てあれやこれやと考える。でも、本当は屋根の方が太陽電池を選ぶし、その製品を「誰が」「どのように」設置するか、まで考えないと何にも意味が無いのだ。

そして工事作業よりこうした設計や施工計画の方が本当はひどく難しく煩雑。だから販売専門業者が物販的に太陽光発電を売るのは、実はまるで無理じゃないだろうか?同じ話ばっかりしていますが、シツコイですか?

※ケーブルアッセンブリの問題。
PVの出力ケーブルは20mあるいは30mあるいは40mのセットとしてメーカーが斡旋している。片端にはモジュールとつなぐコネクタアッセンブリが付いていて、出力端となる反対端はHCVあるいはCVの切断面がそのまま現れている。つまり出力側は丸型端子や棒端子をつけるからそのまま。必要に応じて出力端を切断して縮めて使えっていうことだ。屋根側は、信頼性確保のためにも防水コネクタを使う。メーカーの立場では”無難”といえる。なお、PF等への通線はコネクタ側からは出来ない。コネクタアッセンブリの頭がひっかかるのだ。

ところで、実作業下では、モジュール出力端から接続箱や接続箱内蔵インバーターまでケーブル長を測って通線するのがとても大変。そこで保護管としてのPF長を測ったら、非アッセンブリ側を通線して、余長はそのまま屋根上に残す業者が少なくないことが最近わかってきた。この場合には、どのくらい実発電能力への影響があるのだろうか。5mは残していると思う。単純に上を参考に比例式を解いて、全体比4%の損失か?ストリングス構成や電流を規定するセルサイズによっても異なるし、そう単純ではあるまい。いずれにせよ、意味のない余長は設けずに切断するに限る。でもコネクタ側を切断していたら架台とのリーク(直流地絡)が起きるので注意。

方策1:ストリングス端(モジュール側)と出力CVを現場切断してプルボックス接続する。これは内規適合だし、友人の同業者がチャレンジしていた。でも数年後に見に行くと内部に水が溜まるので良くないと判断した。
方策2:このままメーカーの用意するアッセンブリを使う。ワンモジュール毎の接続を業者に全て撮影させて、メーカーと施主がチェックする。でも工事費が高騰するから現実的ではない。何よりマジメな注意深い業者をオミットすることになる。
方策3:現場用コネクタを作り、メーカーが施工業者に斡旋する。コネクタアッセンブリの作り方が雑だと、管内ジョイントが出てきたり、より線の一部が切れたりして抵抗値が上がる。酷い場合には架台との間でリークする。

私は3が良いと思う。1の方法は現実的ではない。2は想像外の発電量不足がこれからも、しかも、たびたび起こる。気づかない施主が普通だと思う。人を疑えば疑うほど、無用なコストが増える。性悪説から出てくる対策コストは天井知らずだ。犯罪が無ければ、警察も要らないだろうにね。そうすれば税も安くなるはず。そんなアナロジーまで思い浮かぶ。おすすめの3は作業性が良いので作業時間が浮く分、誰もがもう少しマジメにやるだろうという現実的な話。CVを職人側持込にすれば資源の無駄も少ないでしょうね。

10月 3, 2005 太陽光発電の技術 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005.10.02

20年前の冷蔵庫の消費電力(続き2)

冷蔵庫の続き。環境市民なるNPOが次の内容で調査、公開、意見していました。
危うく今時の冷蔵庫こそ省エネ・エコの旗手と思い込むところでした。

自ら考え、調べる大切さを身にしみて感じるばかり。
思い違いや新しい情報があれば、また書きます。

http://www.kankyoshimin.org/jp/hotnews/ecolabel.html

ecolabel

10月 2, 2005 環境・エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.10.01

20年前の冷蔵庫の消費電力(続き)

以前紹介した20年前の我が家の冷蔵庫、続き。

http://pv.way-nifty.com/pv/2005/09/20_e382.html

調べ始めて30.5日を量ったので、これでヨシ、とばかり電力量計を見ると、50KWh/月となった。季節による外気温差があるだろうけど、とりあえず12ヶ月分の12倍で一年の見当をつける。すると年間約600KWhなので年間消費電力150KWhという最新型冷蔵庫4台分の消費電力を食っているということになる。一ヶ月連続できちんと積算したら前回予想時(5台分)よりも少ないことがわかった。

また、aosam氏のご指摘どおり、JIS表記にはデフロスターの電力が加算されていないので、改めて手元機種のJIS表記を調べると25KWh。実測値は50KWh/月だから倍だった。(冷媒も少々抜けているのであろう)
でもコイツもJIS表記で比べて行くと、300KWh/年だからいまどきのJIS表記トップランナー150KWh/年と比べても2倍、あるいは2倍とちょっとの消費電力しか食っていないことになる。

ここで再びシナリオを精細化し、次のように決め付ける(笑)
●いまどきの家電は10年も耐久しないが、戦車級に頑健な手持ち機種は既に20年稼動。
●大目に見て新規購入の冷蔵庫は12.5年耐久として、2018年に壊れる。(あやや。。。買おうと思った機種を調べてたらこれは隠れリコールだらけだった。素人の寿命予測も悪くないでしょ?)
●古いほうはあと5年のイノチと決め付ける。つまり、2010年に壊れる。
●面倒なので、電気代も冷蔵庫代もいずれの物価上昇率も考慮しない。
●とりあえず、公倍数の都合から2030年時点を予測する。
●ノンフロンの爆発リスクをマイナス5万円/台とする(不安全は主観で価値決め!)
●新冷蔵庫の購入代金を10万円とし、上のリスクを含めて15万円/台とみなす。今後の25年間は、合計10万円分ドキドキしよう。年4000円のドキドキなら妥当でしょ。
●新冷蔵庫の2回目の消費電力はいまどきの最新型と変わらないとする。何故なら、断熱などの基礎的技術の進歩はそんなに早くないから、大抵の家電商品の省エネ度はまもなくほぼ平坦になるはず。また、今現在少ないものがより少なくなるのは、大きなものが減るのと比べて相対的影響度が低いから。

ということで次の2つを比べることにする。
★古いのをあと5年使ってから、新しいのを1.5回買い替え(シナリオ1)
★新しいのを買って12.5年でもう1回買い替え。都合2回の買い替え(シナリオ2)

2030年まであと25年。するとこのシナリオ1なら5年*300と150*20の和=4500が電気使用量の係数と見なせる。あえて係数と見なすのはJIS表記が怪しいから。
シナリオ2は、150*25=3750。
二つのシナリオの差は、新規購入冷蔵庫0.5台分の差と係数差750であることの二つ。

さて、イニシャル+ランニングコストを比べて見よう。
本体費用のことを考えると、シナリオ1は0.5台分、つまり15万*0.5で75000円ぶんイニシャルコストが少ない。
電気代の方は、係数差750に掛けるのを22円~デフロスター分合わせて44円としようか。まぁ画期的な断熱が施されているイマドキの冷蔵庫は倍も食うはずが無いけど彼らの立場を見て上げて彼らに有利な倍とする。
するとシナリオ2の消費電力は16500~最大でも33000円ランニングコストが少ない。
どうやらお金のことだけ考えると、シナリオ1によって、古いのをもう数年は使ったほうが良さそうだ。せいぜい、トントンかな。意外な結論でしたね。

本当は環境のことを計算したいのだけれど、またまた難しい。冷蔵庫のLCAがどうしてもわからない。でも、メーカーが言う「省エネ型に買い換えるのがお得」というのは時と場合によって、「どうやらそうでもない」ように思った。おトクそうに見せて消費を確保し経済が落ち込まないようにしながら、エコを薦めることの難しさはこうしたところにも現れている。やっぱり「持続的発展」なる環境キーワードの自己矛盾を感じてしまうばかり。

続けて、ECCJ(省エネルギーセンター)のサイトを見ながら次はカタログなんぞを見て居るとなんと次のようなニュースを発見。。。意地でも今の冷蔵庫を生き延びさせてやる(笑)

リンク: >冷蔵庫の消費電力、最大でカタログの4倍 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

冷蔵庫の年間消費電力量がカタログ記載の電力量に比べ最大で4倍になるケースがあるとして、経済産業省資源エネルギー庁は今月末から、電力量の測定方法の見直しを始める。 家庭での使用実態に合わない測定方法が原因と見られる。 同庁は「消費者に誤解を与える表示を今年度中の早い時期に改めたい」としている。 家電メーカーなどで組織する日本電機工業会(東京)によると、「カタログ表示より電気代が高い」など、冷蔵庫の電気代に関する消費者からの苦情が昨年から寄せられるようになった。各メーカーが調べたところ、多機能型冷蔵庫を中心に、カタログ表示と実際の消費電力量に差のあることのあることが分かった。

 日本消費者協会(東京)が行った商品テストでも、検査した400リットルクラスの冷蔵庫6台すべての消費電力量がカタログ表示の約2~4倍になった。

 カタログ表示と実際の消費電力量がかけ離れている要因として、日本工業規格(JIS)に基づく測定方法が指摘されている。JISでは冷蔵庫の消費電力量を、〈1〉壁から30センチ離して置く〈2〉温度調節を消費電力が最も小さくなるように設定する――などの条件で算出。日本消費者協会で商品テストを担当している伊藤文一さんは「家庭での使用状況や設置条件を踏まえておらず、実態を反映した数値は出にくい」と指摘する。また、冷蔵庫が多機能化し、測定で考慮されない機器を増設した製品も登場。資源エネルギー庁は「測定方法を定めた際に想定しなかった機能が加わり、表示と実態に差が出た」と釈明している。

 28日から始まる経済産業相の諮問機関・総合資源エネルギー調査会の電気冷蔵庫等判断基準小委員会では、庫内に食品を入れたり、これまで対象外だった機器を考慮したり、実態に即した方法に改める。

(2005年9月24日16時9分  読売新聞)

10月 1, 2005 環境・エネルギー | | コメント (4) | トラックバック (0)