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2005.10.18

太陽電池の表面は何で出来ているの?

nottemo「太陽電池の表面はプラスチックですよね?」と尋ねられる方が少なくないのでちょっと書いて見ることにしました。
住宅や産業用で 最も売れているタイプの結晶系太陽電池の表面はガラス(カバーガラスと云う)で出来ています。この素材、正式には「白板強化ガラス」といいます。
これら汎用太陽電池の構造は、カバーガラスに発電素子であるセルをくっつけているような感じです。裏は薄い樹脂のバックシートで防湿対策、電気的保護がなされています。このような汎用太陽電池の構造を”スーパーストレート”といいます。さらに、わが国のものは海外のそれに比べてとても頑丈に出来ていて、4辺がアルミフレームで覆われています。台風がひどいわが国では、太陽電池が戦車級に頑丈になるのは当然のことと思われます。高い高いと文句をいわれても飛んでしまっては意味がありませんから。

また、こうしたスーパーストレートタイプの太陽電池は、ガラス面に粘り強さがあり、作業時に歩くことも出来ます。JISによると227±2グラム、直径38ミリの鋼球を1mの高さから落下させたり、対角100ミリあたり2ミリのねじりを加えても著しい以上が無いことや電気的性能を満足することが規定されています。

heliつまり、このガラス、よほどの事でなければ割れることはありません。筆者の経験ではヘリコプターから角材を落下させた場合でしか壊したことはありません。(注:ヘリ物輸中にこの失敗をやることが2回もありました。なお写真のヘリは犯人ではありません)しかし、積雪が深い地域ではまた別のプロセスで破損する場面がありますので豪雪地や極寒地では注意は必要です。公共設備で割れまくっているのがあるのは、むしろ設計と製品選定の問題です。
なお、ガラスの割れ方ですが、粉々に飛散することはありません。自動車のフロントガラスのようにクモの巣状に割れます。積雪地に住む方で雪下ろしをマメにされる方には、時々角スコップの角で割ってしまうトラブルがあります。ご注意下さい。小まめな除雪によって稼動時間を長くしたい場合は、積雪の上の方だけ角スコで除雪し、ガラス面の除雪にはポリエチレンの100円チリトリをお使いになることをおすすめします。

subst他にホビー用の結晶系太陽電池や屋根材一体型のアモルファス太陽電池によくある形にサブストレートと呼ばれるタイプがあります。
これは基板が裏側にあり、表面の方が透明樹脂になります。黄砂が乗ったサブストレートの上に靴などやると擦過傷にやられるとは思いますが、この構造では軽量薄型かつ折りたたみ式にすることが可能なため、可搬性を求める軍隊などで好まれます。写真のサブストレート太陽電池はタイ軍のものです。素子は単結晶。背面は黒色のアルミになっていて放熱の工夫があります。出力リードの選択によって36セルと30セルの2出力が得られます。(チャーコン無しにバルク充電とフロート充電を選べるということですね。戦争をしているときにバッテリが弱くなったら無線機等のためにフロート使用したりも出来るわけです)

monomaltisub最後の写真は左から5インチ単結晶、5インチ多結晶、タイ軍サブストレートタイプの4インチ単結晶です。全て36セル。
左の二つはいずれも世界規格(1200*530程度)サイズです。この形状であれば、万が一盗難や破損があっても、架台や電気回路の調整や交換をせずに複数メーカーの中から代替品をチョイスできます。インフラ系目的で長期使用を考えている場合には、この(暗黙の了解的な)規格は助かります。

世界レベル・歴史レベルで見ると、左のふたつが標準的な太陽電池の例(独立用)ですが、わが国では採用例が少なくなってしまいました。(物好きな方は、ヒマな時に理由を考えてみてくださいね)

いずれもやや古い写真です。一番左のは補修用に処分してしまいました。中央の太陽電池はヨーロッパ向けの輸出用です。輸出用ですから裏ルート入手したのですが、構造がまずいため国内では耐えられないと判断。海外ボランティアさんにあげちゃいました。一番右のだけ道楽用途として保管しています。弊社に遊びに見える方にはいつでもお見せします。どうぞお気軽にリクエスト下さい。

10月 18, 2005 FAQ(住宅太陽光) |

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コメント

まいど~、物好きな方で~す。

1.5インチ→7インチにすることにより、W当りのコストダウン(強度は落ちますが)。

2.12V→24V→48V→100V、設備の大容量化による回路電圧の上昇により、パネル1枚単体での電圧はあまり関係なくなっている、アレイ単位で考える。

3.パネルが小さいのと、パネルを並列に接続するのは、直列に接続するより、手間とコストが余分に掛かる。

これくらいしか、思いつきません。

投稿: aosam | 2005/10/20 19:24:18

そんな感じだと思います。コストによるところが大きいですね。
整理しますと
1、「面積利用率」写真のは5インチですが、今は6インチが主流です。セルサイズが大きい方がモジュールの面積利用率が上がります(非発電面が少ない)
2、「電圧と電流の扱いの変化」”アレイ単位で考える”はそうですね。一枚のモジュールあたりの電圧が6vや12vの倍数システム(独立型)には使いにくくても、系統連系が主流である日本では、製造上、施工上使いやすければ中途半端な電圧であっても、低コストな製造方法を採るべき、となります。
3、「製造・施工コスト」今の日本や欧米ではモジュールが大面積化の一途を辿っています。ワンモジュールが分担する電力が大きければ架台を含めて省施工・省材料になります。1200*530の36セルは規格としては便利でも施工性が悪く、周辺材料もかかりすぎるのです。この倍のサイズにすれば持ち運び回数も半分になりますし、接続点の数も半分になります。アルミフレーム等、辺や端面に用いる材料も3/4の量で済みます。
●直並列の問題は全てに含まれると思います。直列の方が作業が楽ですし配線材料も少なくて済みます。電流が大きな6~8インチセル(これから増えると思います)の方が、大電力を扱う系統連系ではなにかと便利です。4インチ(100ミリ角3アンペア程度)などでは回路数ばかり増えて作業が大変です。でも回路数が多いほうが移動性のある日影には強くなりますから5インチ(125ミリ角5アンペア程度)やや6インチ(150ミリ角7アンペア程度は)なくならないで欲しいと思っています。

投稿: よしどみ | 2005/10/20 22:13:05

独立系をするものとしては、
電圧がばらばらになるのは仕方ないとして、
(安く入手するには仕方のないこともあります。)
電流値が大きくなりすぎることは抵抗があります。
電流値が増えると、小さいシステムを構築すること出来なくなり、選択の自由度が減ってゆくように思います。
小さくても、大きな充電電流に対応した電池と、電圧を均す機器があれば、いずれ対応できるようになると思います。

投稿: ブルースカイ | 2005/10/24 18:47:14

ブルースカイさん、こんばんは
電流が大きくなりすぎるのに抵抗があるというのは、初めて聞きました。
確かにラジオを楽しむとか小さな懐中電灯を作るといった用途にスーパーストレートタイプの大きめなモジュールは向きませんね。(いかにも邪魔くさそうです)

投稿: よしどみ | 2005/10/24 22:59:02

よしどみさん こんばんわ。
小規模の独立系システムをしています。
厳密に言えば、電圧や電流が増えることが悪いわけではなく、本来歓迎すべきことですが、電流が増えると、
小さい蓄電池を痛めずに充電するのには向かなくなりますし、小型の独立系システムへの流用が難しくなります。
現在、軽自動車用鉛蓄電池(12V28Ah)を使っていて、補充電電流は、2.8A なので
充電電流値が大きくなると、蓄電池をいためる原因になります。
(大きいバッテリーか、大きな電流でも、痛めずに充電できれば、済むことですが。)
さすがに懐中電灯はありえませんが、独立系への転用が難しくなるという点で、そのように書きました。
充電の面は、独立系パネルの方が良いかもしれませんが、
1Wあたりの単価が大幅に違い、SM55(独立55W)と、NE-100CR(系連携100W) が、ほとんど変わらない価格で売られています。

小さいクラスの系連携パネルであれば、独立系パネルの変わりに、発電量の追加や新設に活用できるということです。
私の場合は、190W(約15kg)のパネルを一人で車庫に上げるのも苦労しました。
独立系の少ない発電量で、大きなパネルを使っている方は少ないと思います。
系連携は最初に作ってしまうものですが、
個人ではじめる独立系は少ないものからの拡張することが多いので、そのことがあります。
拡張=同じ太陽電地を買い足すことが多いので、全体の発電量が大きくても、実は、小さいパネルの集合体という場合も、多くあります。
独立系をしている方のページをみてみると良いと思います。

直流12Vに対応したラジオ程度の場合、数ワットの12V系パネルと、小型シールバッテリーの組み合わせが無難ですね。
最大でも独立系55Wパネルとチャージコントローラー、車用蓄電池の組み合わせでしょうね。恐らく四六時中使わないと、使い切れないかと思います。
電圧が低い場合は、それに加え、12V以下の電圧に変えることができるDCコンバーターを使うことで何とかなります。
ポータブル機など電圧と消費電力が少ない場合、充電電池用の太陽充電器などを利用しても面白いですよ。
ただ、光がないと充電できないことと、充電に時間がかかることは唯一の難点ですが。


投稿: ブルースカイ | 2005/10/25 19:01:16

「小さい蓄電池を痛めずに充電するのには向かなくなる」は7Ahくらいのでしたら1Cまでいけますので心配要りませんよ。むしろ大きな産業用蓄電池の方が神経質の神が住んでいるようです。
ブルースカイさんのおっしゃるような使い方ですとスイッチング式ではないレギュレーターが良さそうですね。系統連系のパネルの電圧が高い分は熱として投げ捨ててしまえば良いでしょう。充電電流は自動車用バッテリの場合、少々大きくても大丈夫です。これで放置プレイ状態です。

いずれにせよ、ホビーレベルで自動車用蓄電池や連系モジュールを使う場合のように、補水とバンバンコントロール(ONNOFFコントロール)だけで運用して行く場合は、太陽電池仕様に応じてもっと広い視点から充電制御を考えることが必要だと思います。普通はコントローラを買う人が多いですが、例えば。。。
NE100CRは定電圧源、リニアレギュレーター+アルミ板クズの組み合わせで扱うのが良いでしょう。千円でお釣りが来ると思います。
SM55の場合は、シリコンダイオードを2個ほど直列に入れておけば済みます。家電ゴミなどからブリッジダイオードを取り出せばタダですね。街で新品を買っても300円くらい?しかも故障知らずですね。1個だとドロップが小さく、過充電になる場面が増えますね。オペアンプとリレーで遊べば、500円くらいでもいけるし、ケチの徹底というのも面白いかもしれません。
なお、根本的にパネルの電流が大きすぎる場合は、全部のセルをそれぞれ不要な分だけガムテープで目隠しするのも良いですよ。ぜんぜんビューティフルじゃないですけど(笑)

投稿: よしどみ | 2005/10/25 20:40:54

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