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2006.02.27

20年前の冷蔵庫の消費電力(続き3)

20年前の冷蔵庫の消費電力(続き3)です。
ちょうど365日の半分、つまり6ヶ月が経過しましたので報告します。
表示が154kwh、検定時に12kwh回っていましたので、
154-12=142kwh
計量法による誤差は検定品の場合。。。じゃなかった資源エネルギー庁による実調査から見られた、使用開始から2年以内の検定品の誤差が、約±2%ですので、
142*102=144.84
142*0.98=139.16
上記の範囲になるでしょうか。
想像した値の約半分です。(年間約600と想定していますので半年では300)
ただし、このデータは9月~2月という冷涼な半年間での計測ですので数値は参考程度にしかならないことに注意すべきです。
実際はあと半年を待つ必要がありましょう。猛暑の夏を過ぎてみるとやはり当初の予想通りかもしれませんし。
いずれにせよ、理屈やウワサやまた聞きの情報を振り回すのも楽しみとしては悪くありませんが、真実を知るには、実際に自らの手によらないとならないことばかりです。

参考までに前々回の記事を下記に引用します。

以前紹介した20年前の我が家の冷蔵庫、続き。

http://pv.way-nifty.com/pv/2005/09/20_e382.html

調べ始めて30.5日を量ったので、これでヨシ、とばかり電力量計を見ると、50KWh/月となった。季節による外気温差があるだろうけど、とりあえず12ヶ月分の12倍で一年の見当をつける。すると年間約600KWhなので年間消費電力150KWhという最新型冷蔵庫4台分の消費電力を食っているということになる。一ヶ月連続できちんと積算したら前回予想時(5台分)よりも少ないことがわかった。

また、aosam氏のご指摘どおり、JIS表記にはデフロスターの電力が加算されていないので、改めて手元機種のJIS表記を調べると25KWh。実測値は50KWh/月だから倍だった。(冷媒も少々抜けているのであろう)
でもコイツもJIS表記で比べて行くと、300KWh/年だからいまどきのJIS表記トップランナー150KWh/年と比べても2倍、あるいは2倍とちょっとの消費電力しか食っていないことになる。

ここで再びシナリオを精細化し、次のように決め付ける(笑)
●いまどきの家電は10年も耐久しないが、戦車級に頑健な手持ち機種は既に20年稼動。
●大目に見て新規購入の冷蔵庫は12.5年耐久として、2018年に壊れる。(あやや。。。買おうと思った機種を調べてたらこれは隠れリコールだらけだった。素人の寿命予測も悪くないでしょ?)
●古いほうはあと5年のイノチと決め付ける。つまり、2010年に壊れる。
●面倒なので、電気代も冷蔵庫代もいずれの物価上昇率も考慮しない。
●とりあえず、公倍数の都合から2030年時点を予測する。
●ノンフロンの爆発リスクをマイナス5万円/台とする(不安全は主観で価値決め!)
●新冷蔵庫の購入代金を10万円とし、上のリスクを含めて15万円/台とみなす。今後の25年間は、合計10万円分ドキドキしよう。年4000円のドキドキなら妥当でしょ。
●新冷蔵庫の2回目の消費電力はいまどきの最新型と変わらないとする。何故なら、断熱などの基礎的技術の進歩はそんなに早くないから、大抵の家電商品の省エネ度はまもなくほぼ平坦になるはず。また、今現在少ないものがより少なくなるのは、大きなものが減るのと比べて相対的影響度が低いから。

ということで次の2つを比べることにする。
★古いのをあと5年使ってから、新しいのを1.5回買い替え(シナリオ1)
★新しいのを買って12.5年でもう1回買い替え。都合2回の買い替え(シナリオ2)

2030年まであと25年。するとこのシナリオ1なら5年*300と150*20の和=4500が電気使用量の係数と見なせる。あえて係数と見なすのはJIS表記が怪しいから。
シナリオ2は、150*25=3750。
二つのシナリオの差は、新規購入冷蔵庫0.5台分の差と係数差750であることの二つ。

さて、イニシャル+ランニングコストを比べて見よう。
本体費用のことを考えると、シナリオ1は0.5台分、つまり15万*0.5で75000円ぶんイニシャルコストが少ない。
電気代の方は、係数差750に掛けるのを22円~デフロスター分合わせて44円としようか。まぁ画期的な断熱が施されているイマドキの冷蔵庫は倍も食うはずが無いけど彼らの立場を見て上げて彼らに有利な倍とする。
するとシナリオ2の消費電力は16500~最大でも33000円ランニングコストが少ない。
どうやらお金のことだけ考えると、シナリオ1によって、古いのをもう数年は使ったほうが良さそうだ。せいぜい、トントンかな。意外な結論でしたね。

本当は環境のことを計算したいのだけれど、またまた難しい。冷蔵庫のLCAがどうしてもわからない。でも、メーカーが言う「省エネ型に買い換えるのがお得」というのは時と場合によって、「どうやらそうでもない」ように思った。おトクそうに見せて消費を確保し経済が落ち込まないようにしながら、エコを薦めることの難しさはこうしたところにも現れている。やっぱり「持続的発展」なる環境キーワードの自己矛盾を感じてしまうばかり。

続けて、ECCJ(省エネルギーセンター)のサイトを見ながら次はカタログなんぞを見て居るとなんと次のようなニュースを発見。。。意地でも今の冷蔵庫を生き延びさせてやる(笑)

リンク: >冷蔵庫の消費電力、最大でカタログの4倍 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

冷蔵庫の年間消費電力量がカタログ記載の電力量に比べ最大で4倍になるケースがあるとして、経済産業省資源エネルギー庁は今月末から、電力量の測定方法の見直しを始める。 家庭での使用実態に合わない測定方法が原因と見られる。 同庁は「消費者に誤解を与える表示を今年度中の早い時期に改めたい」としている。 家電メーカーなどで組織する日本電機工業会(東京)によると、「カタログ表示より電気代が高い」など、冷蔵庫の電気代に関する消費者からの苦情が昨年から寄せられるようになった。各メーカーが調べたところ、多機能型冷蔵庫を中心に、カタログ表示と実際の消費電力量に差のあることのあることが分かった。

 日本消費者協会(東京)が行った商品テストでも、検査した400リットルクラスの冷蔵庫6台すべての消費電力量がカタログ表示の約2~4倍になった。

 カタログ表示と実際の消費電力量がかけ離れている要因として、日本工業規格(JIS)に基づく測定方法が指摘されている。JISでは冷蔵庫の消費電力量を、〈1〉壁から30センチ離して置く〈2〉温度調節を消費電力が最も小さくなるように設定する――などの条件で算出。日本消費者協会で商品テストを担当している伊藤文一さんは「家庭での使用状況や設置条件を踏まえておらず、実態を反映した数値は出にくい」と指摘する。また、冷蔵庫が多機能化し、測定で考慮されない機器を増設した製品も登場。資源エネルギー庁は「測定方法を定めた際に想定しなかった機能が加わり、表示と実態に差が出た」と釈明している。

 28日から始まる経済産業相の諮問機関・総合資源エネルギー調査会の電気冷蔵庫等判断基準小委員会では、庫内に食品を入れたり、これまで対象外だった機器を考慮したり、実態に即した方法に改める。

(2005年9月24日16時9分  読売新聞)

2月 27, 2006 私の話 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2006.02.22

週間ダイヤモンド06年2月25日

熾烈化する”太陽電池戦争”だそうな。
原料となるシリコンの不足と各メーカーのコメントが寄せられ、薄膜など新技術を採用した太陽電池事業の動向がまとめられている。
ざっくりと業界俯瞰に読まれるのはいかが。

2月 22, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006.02.20

ナゾが解ける瞬間

お隣に住む大家さんが野菜を片手にやってきた。
「ね~前から聞きたかったんだけどさぁ」
「うん?はいはい」
「ねずみ出なかった?」
「年末年始は眠れないほどでした。。。(でも夜中に大騒ぎするノラ猫の方が問題かも)」
「そうでしょぉ。裏の方がクリスマスくらいに倉庫を壊したでしょ?」
「はぁ」
「それで住むところが無くなって、やってきたんじゃないかなぁ。ウチも天井裏がうるさくてうるさくて。。。ネズミ捕りをしかけたりして、やっと最近静かになったのよぉ」
「そっかー!!でも、この辺にはノラ猫がいっぱい居ますよね。エサもやっていないのに、まぁ。。。向かいのマンションの人たちからは、”ヨシドミさんち”の猫なんて呼ばれてますよ。とんだ誤解だ。」
「最近のノラ猫は、闘争心も無くてネズミも追いかけないわよ」
「そっかな~あの三毛猫なんて、人に近寄りもしませんよ。自分でエサを探して食って言ってるわけでしょ?だったらネズミだって。。。」
「いや、アタシにはなついているわよ。毎日ミルク飲みにくるよ」
「え~!!あのノラ猫の飼い主は大家さんだったのか~」

2月 20, 2006 人間的な、あまりにも人間的な | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.02.19

Tolerance

今月のPhotonInternational誌。
Market survey on solar modules(太陽電池の市場調査)とあるので、どれどれと読んでみると。。。。世界各国の太陽電池のデーターがずらりと並べられている。

各社にヒアリングしたのか、そこにはToleranceの項目も。
しかもなんと、わが国のメーカー2社だけ、tolerance-5%がずらり。
「恥ずかしいのでやめてくれ~」と悲鳴を上げたくなった。

toleranceとはいきなり直訳で”寛容"、つまり”許容誤差”のこと。
太陽電池は畑の作物に似て出来不出来があるというのは以前話した通り。
だから定格に対して許容される規格値には+10%~-5%の範囲などと、ある幅がある。
なお日本のメーカーは殆どがこの数値の範囲。
世界的に見ても良いほうだろう。
間を取れば+7.5%だからまぁ、極稀にミニマムを割ったものがあってもその回路だけやや電流が減るものの、複数回路でプランニングすることが多い系統連系では良い方が全体を持ち上げる効果が大きく、全体として帳尻があう。

一方で-5%のみ、なんていう規格の太陽電池をガンガン発売しているメーカーを見るとがっくり来てしまう。
つまりこいつは良くても定格表記どおりということ。
つまりこの形式名の殆どの製品はカタログに記された公称出力を下回るということ。
ああ、しかもこれが日本の2メーカーだけなんて、やめてくれ~って感じです。
お値打ち感を演出したいメーカーのマーケティング部の気持ちもわからないではありませんが、やっぱり恥ずかしいことです。

2月 19, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (5) | トラックバック (0)

どうも英語が下手でイカン

どうも英語が苦手でイカンです。
国内で製造していない部品など海外に直接発注することも多いのですが、そういう時に限ってやたらに忙しくて、自社の住所を書き間違えていたりして「送った商品がもどってっ来たぞ!!」のメールを貰います(汗)

CGIのメール送信フォームなどに書くと、欄を埋めるときの勘違いで、名古屋市、名古屋みたいなことを平気で書いているのでトラブル続出なわけです。
話すのはまるでダメなので、ミスがわかると英文でメールを送ったりするわけですが、これでやっとなんとか。

たびたび海外の商社様にはご迷惑をおかけしています。。。
英語使いの社員が欲しいです。。。
いやはや、お恥ずかしい話です。

2月 19, 2006 私の話 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.02.16

訪問販売について-小休止

竜頭蛇尾となりつつある本考察。
4~7をどうまとめあげようか、収拾が付かなくなっています。
4~7を再掲すると
4:3は即決といわれる訪問販売の売り方の属性です。(設計や検討よりも)契約が先にありきという販売方法の問題点を考えなければならないでしょう。
5:良心的な訪問販売はなかなか成功していません。経営難です。
6:善悪好悪の論議以前に誰もがメシを食って生きてゆかなければならないということを考えなければなりません。
7:本来あるべき販路はどのようなものでしょう。
と云った流れです。

全ては半年前にいただいた一通のメールに端を発します。

整理の方向性を考えると、この貴重なお話をどこに折り込めば良いのかを長らく悩んでおりました。
実に、この文面にはあまりにも多くの考えるべき問題が散在しています。
従いまして、私は下手にまとめることを諦め、何らの意図なしにここに転載しようと思います。消費者の方も同業者の方も、何らの批判なしに、一度通読し逆の立場で考えてみていただけると幸いです。

☆引用☆

本来、技術的な要素の多い吉富さんのHPから販路についてまで取り上げていただけ
るとは正直、考えていませんでした。私は現在某職にありますが、かつて訪販会社5社の下請けとして床下換気扇や温水器やリフォームなどを施工する工事会社を経営していました。
しかしながら、特定商法改正などで、次々に販売会社は閉めざる得なくなりました。
それに伴い、私も、会社を閉めました。
それまで、お世話になった顧客様には大変ご迷惑をかけたと思います。。
いまでこそ、まともな建設業のもとで仕事を勉強させていただいているんですが、素人同然の私が施工するということは吉富さんもご指摘どうり、質の問題、儲け主義、売り切り、やり切り、短期施工です。
これが、問題にならないわけがありせん。
約○○年ほどやりましたが、数々の問題点を感じてきました。
また、訪販業界に深く携わってきたわけですが、この業界の完全儲け主義はどんな
に、法律が改正されようが残念ながら無くなる気配を感じません・・・・
姿・形を変えて、そして、どんどん分散化(個人営業)として存在していくのかと思います・・・残念です。
その、典型が、太陽光なのかとも思います。
私の知っている営業マンも何人も太陽光に転進していきました。
私自身、そういった方々から、現在も施工をお願いされることがあります、しかしな
がら、私にはその技術はありませんから、
それをうけることはしません。というよりも、できません。
太陽電池メーカー○○社の施工研修なども参加しましたが、けして簡単な気持ちで請けれる仕事ではないと思いましたので・・・
はじめは、やろうと考えていましたが・・・私には技術が伴いません。いずれは、自分の手で設計施工はしてみたいですが。
今は、新しい職業で技術を身に着けることに徹したいと考えています。
しかし、伴わない技術で施工を受けつづけている人がいるのも事実かもしれません。
それは、上記で述べた{質の問題、儲け主義、売り切り、やり切り、短期施工}に依
存してるのではないでしょうか・・・
こんなこと、述べる立場ではないのですが、私は訪販の完全儲け主義は反対です。し
かし、その営業力は必要と感じます。
確かに、何のつてもないところから、そして何の興味もないところから、仕事を取る
ことは大変な労力であり、その営業力はすばらしいと思いますが、誰でもかれでも太陽光というのは少なからず、第二の悪質リフォームに他ならないのではと感じます。もう少し、ハードルがあってもいいとも感じますが・・・
決して意見の言える立場ではありませんが、第二の悪質リフォーム市場にならないた
めにも、透明性のある市場に向かうことを願います。


☆引用ここまで☆

この方に、匿名性を維持するという条件の下に転載のご許可をいただいております。
したがいまして、数字や名称等は改変しておりますが、文体、トーンはママです。

2月 16, 2006 ザ・テーマ | | コメント (6) | トラックバック (0)

2006.02.13

ちょっとした努力と工夫

技術というほどのこともありませんが、たまたま写真が撮れたので、私が心がけていることをひとつふたつ紹介してみます。

setuzokubako1

直流の接続箱へのワイヤリングですが、私は写真のように1ロール巻きます。充分なガータースペースが無いの箱も少なくありませんが、頑張って巻くようにしています。
そうしないと夏季に施工したものは、冬季にケーブル外皮が縮んで端子台にストレスがかかるかもしれないからです。これは考えすぎかな??
いずれにせよ、余長があると点検や配線変更もしやすいのでこの仕方には将来性があるでしょう。

setuzokubako2もうひとつ。
外気の流通が無い接続箱ですと、内部に水滴が付くことがあります。これは、配線穴を通る室内の暖かい空気が原因です。背あわせに屋内用PCと接続箱を配置する際は、屋内用PCの配線穴にパテを詰めるとこの問題が起きません。
一見どうでも良いことにも見えますが、故障リスクを減らすためには、いちいちのことまで想像力を働かせ、実行することが大事だと思っています。

2月 13, 2006 太陽光発電の技術 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.02.12

仲間に助けられて

この数日、ビッコを引きながら仕事をしている。
以前からおかしかった左膝が、気温が低くて痺れたまま。
いよいよ階段を上がるのもしんどくなってしまった。
しかし工期は決まってるし、医者に行く暇も無いので、こりゃイカンとばかり慌てて同業の電気屋仲間に連絡を取った。

しょーもない職人を呼んでも仕方が無いので、力量のある何人かの社長に声がけし、本人に来てもらった。おかげで今回の工事メンバーはスーパースペシャル職人ばかりである。
こういう時に兵隊さんを借りても人件費は安いかもしれんが、ちゃんとやってくれるか心配なので、助かった。職人の大将(社長)というのは、格段に仕事が上手いのである。
私は監督と雑務に徹することに。

皆さん、クソ忙しい中、助けてくださってありがとうございます。
おかげさまでちゃんと納品できそうです。

2月 12, 2006 私の話 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006.02.09

事業規模と納品品質

最近いただいたメールから

HP拝見させて頂き、大変感銘を受けましてメールを入れさせて頂きました。(中略)今後太陽光発電の設計施工能力を是非身に着けたいと考える中、大変御社のHPは参考になりました。弊社も会社は小規模ながら、絶対に後ろ指刺されないような設計施工品質を心がけております。また小さい組織でなければ、高品質は無理だと最近は感じております。是非、御社のノウハウを活かさせて頂き、数少ないまともな設計施工業者になるべく今後もHPを参考とさせていただければと思います。

ずいぶん省略してますが、赤字の部分が私の琴線に触れました。
太陽光発電システムは家電などと違って、オーダーメイドの部分が殆どですし、工事という人によりバラつきの出る実務が伴うので一々のことまで目を光らせないと、どうもうまくない点が出て来ます。
この社長さんの経験から滲み出した一言だと思いました。

やっぱり同様に考える人もあるものですね。

この言葉は、私自身、常日頃から感じていた薄暗い部分に光をあて背中を押してくれたものです。

なお、これらの記述は、大規模にやっていらっしゃる業者さんをあながちに否定するものではありません。日々忙しい中、一々の現場と納品品質をどこまで見ているのか、という問いを同業者や建設業者全体に投げかけるものです。
また、私自身、勿体無いお言葉に身のひきしまる思いでもあります。

2月 9, 2006 私の話 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.07

太陽電池の劣化について

太陽光発電システムの総合性能を一口に語るのは難しい。
太陽光発電システムは、太陽電池そのものの作りやパワコンの電気回路、そして設置状態など様々な要因がからみあって、実稼動成績に現れるからだ。

例えば、日影。
これは電気とは畑違いの人にもある程度、その影響の想像が付くかもしれない。
一方、その度合いについては、太陽電池の内部が分かっていないとなかなか評価しきれない。しかし、これはかなりの精度で3次元日影解析シミュレーターで計算できる。

これより影響が大きいのが、南面への集中度。
複数面設置の場合、なるべく南面、次に日射の良い面といった優先順位に沿って大きな設備規模が投入されるのが良い。南面に2KW、東に1KW、西に0.5KWという合計3.5KWシステムよりも、南面に3.5KWが集中配置できればこれに越したことは無い。
現在実用的なシミュレーターでは、日射量からこれを予測するが、面によって温度ドリフトが異なる太陽電池セルの挙動とMPPバラつきを考慮すると、複数面設置では、シミュレーター値より必ず実発電量は小さくなる。IVカーブが段つきになり、うっかりするとMPPトラッキングするマイコンの挙動が暴れるからだ。

このことからすると、住宅では三洋のHITに代表されるような「面積効率」はやや高コストでも捨てがたい魅力を持つ。実発電量対コストからすると”安い”場合があるからだ。

しかしどのメーカーのどの製品が良いといっても、耐久性あってこそ。
例えば、アモルファスは住宅市場では悪名が高い。
発電量の劣化が知られている。
(リクツは長いので省略するけど)素子の能力が少しずつ落ちてしまうのだ。
だが、これも「程度の問題」ではないか?
また評価の方法にもよる。JISで規定する評価方法ではアモルファスや何によっても規定できないHIT等のハイブリッド太陽電池はかなり設備規模Wが小さく規定される。
つまり実際の太陽電池の方がはるかに発電するということ。
以前キャノンのアモルファス太陽電池を見て驚いた。
設置してだいぶ経っていたが、見学した時期には到底考えられないような定格超えをしていた。つまり実発電量は、劣化云々を超えるほどになっているかもしれないのだ。

そうそう。劣化を言い出したら、一般結晶系は全て、「無出力」という恐ろしい事態になる場合がある。(劣化度100%)
太陽電池モジュールの中身を見ると、セルから電極を引き出して電力を取り出しているわけだが、セルといういわば石にハンダ付けしてあるわけだし、屋根上という極端なヒートサイクルにさらされる場所ではハンダが外れてしまってもおかしくない。
かつて設備用のポッティング太陽電池でこうした事故が良く見られた。
やはりセルと電極の間は、信頼性のボトルネックと言える。

それにしても、商売仇を叩くための言葉が独り歩きしてしまうのは大問題だ。
非常に問題の多い製品やシステムもあるが、部分を凝視すると全体を見失う。
お互いに気をつけねばならない。

そもそも、どんな高級自動車だって劣化する。
動き磨り減るものの例えがまずければ、外壁だって瓦だって良いだろう。
あんなにピカピカして頑丈そうなものでも、少しずつひび割れあるいは粉を吹き、痛んでくる。この当たり前のことに思いが及ばないと無駄に神経を尖らせることになる。
だから現在技術でやれるだけのことをするのが一番、私はそう考える。

2月 7, 2006 太陽光発電の技術 | | コメント (6) | トラックバック (0)