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2006.03.31

補助金のあり方(提案型)

太陽光発電に補助金が導入されて、久しい。
NEFはもう終わってしまったけど、自治体によっては年々その規模を小さくしながら、一部継続している。かく言う私も、かれこれ10年も前のことか、地元の自治体にお願いして助成策が始まるのを見届けたことがある。(3自治体くらいが共感してくださり、制度発足してくれた)

でも、昨今のように、こうも助成額が小さく、手続きが膨大になると、その効果の程は疑わしい。

前提だが、世の中は、悪い人のために回っている。
太陽光の助成金はメーカーや販売店による不正受給が多すぎた。


すると、行政からの締め付けが始まる。
証明の類が増える。時系列の整合が増える。漢字の表記を細かく問う。。。etc
書類が多すぎるのだ。書類がややこしすぎるのだ。

これではチェック事項が多すぎて設置者本人による申請では、ちょっとした記入ミスが原因で書類がハネられてしまうことが少なくない。すると貰えるはずのものも貰えない。
これじゃ、全然インセンティブにならない。意味が無い。

ここでプロの登場とあいなる。
大抵は販売会社が代行することとなる。
ところが、販売会社だって、本当はあんなにややこしい手続きをやりたくない。
なぜなら、自治体毎に異なるローカルルールの把握は、困難だし失敗しやすい。それに万が一手続き書類の進行を失敗したら尻拭いしなければならないのだから。

気の毒なことだけど、私の身の回りにも失敗した人が居た。
彼は気のいい技術屋さんで工事屋さんだ。
うっかりこの手続きに手を出した。
しかし、時系列の管理だったか、住所の漢数字、アラビア数字の相違だったかで書類がハネられた。そこで彼が補助金分を負担することになった。
彼のお給料よりも支払いの方が多くなった次第。

こういうことがあるから、助成金の書類は端座&お祈りして取組むことになる。
というのは冗談だが、この書類には、大変な集中力と、一字一句への注意が要る。
期限があるから、ちょっとした”うっかり”は全く許されないのだ。

するとそこに膨大な人手がかかる。
何かヘンだけど、労務としては当然か、販売会社によっては、「補助金手続代行手数料」なんてのを見積や請求書に記載しているところもある。
この文字はちゃんとOCRに通るかな?この住所表記は、住民票と整合しているかな?
書類の書き手が設置場所の住人ではないだけに、それはもう気の遠くなるような"不毛な作業"だ。
そこで、補助金の書類を作る専門の事務員が多くの会社で雇用された
しかしNEF補助金終了とともに解雇。そういう人を私は3人も知っている。
太陽光発電の普及には、雇用促進・産業促進などの効果もあるが、こと補助金に限っては少なからぬ人々の人生を狂わせてしまった。

さて、話を元に戻す。
かかる次第で、補助金の手続きには、同じ時間で設置工事が済んでしまうくらい切ない手数を踏むことを要する。

設置者本人の電灯契約名が誤っていること。印鑑証明書が誤って登録されていること。住民票が誤って登録されていること。これらは日常茶飯事。地番整理があった地域などはとんでもない。

すると、書類整合のために、今までの行政への登録情報の書き換えなども発生し、数十、数百時間も走り回ることがある。今にして思う。太陽光発電の事業者は、安上がりな住民登録情報の修正係だったのだろうか。

こうした次第で、助成金を受けないほうが、経費安になる場合が少なくなかったあきれたことに、こうしたシーンはしょっちゅうだった。(行政書士が訪問販売した方がいいんじゃないかと思った。)これを私たちは、SubsidyTrap(補助金のワナ)と言う。

今、多くの自治体で太陽光の補助金がなくなろうとしている。
それはNEFの手続きによって,保障された、”悪い人をはずすための与信”が出来なくなってしまったから。

しかしここで地方自治体の行政官を責めないで欲しい。
ほんの僅かな人数、あるいは、兼任兼務だらけの自治体担当者単独でルールブックを作り、設置者本人や業者の与信をかけてゆくのはひどく難しい。法やルールの合間を縫う輩を排除するのは、行政の一担当者の労力ではとても及ばない世界なのだ。

私は、補助金が無くなってよかったと思っている。
助成金申請、需給までの労務を差し引くと、インセンティブが無い今の方が設置者にシステムをさらに安く提供できる場合が少なくない。こんな大雑把な表現に問題があるならば、「補助金手数に要する労務負担を、設計施工の高度化、高品質化に振り向けることが出来る」

良くない助成例(設備規模KWあたりに助成がなされる場合)
●設備規模あたりの助成額が少ない場合かつ本人手続きが困難なほどに煩雑な場合。
例:設置規模が小さく、10万円未満しか受給できない場合。
ここで手続きが複雑すぎると、手続きに要する時間と同じくらいの時間で10万円以上の仕事が出来てしまう。特に、時系列を追いかける期間が長いとそのチェック労務は大変な量となる。
設置前の申請、設置後の受領のための申請くらいで済めばまだ良いのだが。。。
予算が少ないのならば、他に方法はある。地元商店街の商品券とかを簡単な手続きで配布するなど、上手な自治体もあった。
●設備規模あたりの助成額に踊らされて、ふさわしくない内容を設置者が望む場合。
補助金を受けるために太陽光を設置したい人が出てくる。経済的な損得からすると、補助金目的とするのは誤った判断なのだが、期限があるために気持ちが急かされている事実がある。1万歩譲って、太陽光発電の導入意図が歪んでしまうシーンはやむをえないかもしれない。だけど、助成額の過多にまどわされて電気効率上好ましくない内容を希望されるお客さんが少なくないのは参った。業者側としても技術的正当性の説明が大変だし、設置希望者側としても、何のために設置するのかという目的を見失ってしまう。
ホントは発電量にインセンティブを与えるべきだが、これは自治体担当者によるチェック労務が大変すぎるだろう。(自治体の職員は足りないところが多い)
●プッシュ型の営業、中でも訪問販売において、国や自治体が補助金を出しているというのは素晴らしい大義名分になる。これを営業ツールに使う人達はまだいいが、彼等のように相手の顔を見た商売ではなく、プル型営業で公平な一発価格を提示する業者にとっては、労務が増えるばかりで、却って経費高を招き、エンドユーザー価格高騰を招くという弊害が多い。

どうせ、補助金をやるなら、設置者にとってインセンティブとなる形をお願いしたい。
すると、たくさん出すか、手続きを簡素化するしかないだろう。
不正受給は、発覚次第、厳罰!!チクリ推奨!!
暗いなぁ。。。しかし、メーカーの不正はもっと責められるべきである。

それにしても、全うな人々のために行う効果的な助成策はは無いのか。今のままでは、「無いほうがマシ」という助成金が少なくない。このお金は福祉など他のことに回したほうが良いのでは無いか思う。

以上は3月の記述。(若干の表現修正あり)
放言の身勝手が嫌なのでいまさらながら追記する。


提案:
云いっぱなしは良くない。文句を言うのは誰でも出来る。文句だけ言うのはあさましいことと思う。そこで未来に向けて、発展型の提案行う。


モデル:
愛知県安城市。
太陽光発電を設置した市民に、インセンティブとして地域の商品券を発行する。商品券を受け取るための諸手続きは、「本人による申請」によるのが基本。
私は安城市の担当者に拍手を送りたい。


効果:
①不正が起こりにくい。家や住人は不正からの追及を逃げられないのだ。家を買い、居を構え、高価な太陽光発電を導入しようと言う人は、その地域に腰を据える覚悟があるに違いない。彼等はそうそうヤバイことをしないだろう。不正は低率に留まると予測される。
②業者の労務負担が少ない。
本人申請ではなく、業者主体で申請されるとき、この作業は業者の総コストにONされる。当たり前である。構造的な配慮が必要である。
③地域商品券は地域振興に役立つ。
自治体が自治体の外部にある地域の人々を儲けさせる必要は無いだろう。ならば、補助金の配布規定を、自治体地域内に居を構える業者との契約に限定するという方法があるが、これは褒められたことではない。なぜならば、当該地域に充分な技術力を持つ事業者が無い場合があるからである。全てのPVオーナが自治体主導による取引先選択を望むはずはない。他人の財布までコントロールするのは行政のおせっかいである。
④要らない人は申請すらしない
要らない人は要らない、という現実を行政がしっかり活用できる。「補助金は要らない」と明言するお金持ちや篤志家に行政が補助を出す理由は無い。むしろ彼等の志を高く評価しなければならない。この評価経費の方が安く、効果的だろう。ここでは、行政は、業者主導の十把ひとからげな申請から税金を守ることが出来る。
多くの業者は「補助金による行政の後押しを営業トーク」とするので、インセンティブを不要とする人にまで、まんべんなく補助金をばら撒いてしまう。これは税の有効活用の観点からクレバーなととは思えない。要らない人は要らないのだ。環境や原子力推進に懸念を示し、自費のみで太陽光発電を導入しようと言う志高い人が、世にあるのだ。彼等の自由意志を尊重してやって欲しい。


指針:
行政が太陽光発電を推進しているということが、市民に伝わり、これを通じて市民の環境意識・エネルギー問題意識の高揚を促せば良い。
他にインセンティブは要らない。
買えない人は買えないで仕方ないのだ。そうでなければ行政は多大な出費を覚悟する必要があるだろう。10万円未満のインセンティブは手続きの実経費が多いため、却って、市場や市民を惑わす。このことに注意しておきたい。
また、中途ハンパなインセンティブ案やその実施は、少なからぬ事務者を路頭に迷わせ、失業を加速する。関係各位はこの現状を厳粛に受け止めてもらいたい。

3月 31, 2006 問題提起 |

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