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2006.04.11

極地取材向けPV電源

Infoli リチウムイオンバッテリを太陽電池から充電する。
これは8.4Vだから2セルか。
様々な危険に思いが及ぶ。怖い。
しかし、橇や人手で運ぶため、重量を軽くしなければならない。コネクタ等が壊れても困る。つまり安全に加えて軽量かつ簡単な回路にしなければならない。しかもコイツはinfo機能があることから、かなり慌てて実機を調達した。
ここでバッテリのカラ割りをする覚悟で臨んだが、ACアダプタや専用充電器の出力を観察すると、どうもそこまではしなくて済む模様。

さて、回路の製作。8.4Vでリミッタがかかるようにした。電流側は太陽電池そのものをリミッタとすれば良い。次に充電の方式。私ごときが作るスイッチングでは画像にノイズが入る可能性があることからNGと予想し、リニアで。しかも、ここからの放熱が実は後述のように役に立つ(はず)筐体は可搬性を考慮し3センチ角のサイコロ型に納めた。

写真はとりあえず、充電パターンを試しているところ。
問題無い模様。ただ、放電が進みすぎていると太陽電池がそのラッシュに耐えられず電圧降下し、内部がチャタリングする模様。使用者に使い方も同時に示さなければ。
温度ドリフトは5月に検証する予定。

次に太陽電池。
ラッシュは1C。ある閾値以下の電圧降下は本体が検知して内部の安全回路が働いてしまうことがわかったので太陽電池はこのラッシュに耐える必要がある。計算と実測では1.5Aが最低限の容量。そこで単結晶4インチ角の2分割セルを選定。現地は1SUN以上ありそうなのでまぁこのこれで良いだろう。贅沢を言うと際限なく重量が増すので晴れの日にはフローティングチャージ、曇りの日にトリクルといった努力をしてもらうことにする。さて電圧側だがIVカーブシミュレーターから22~24セルで良いことがわかった。ここで市販の30セルなど選ぶと重いし、リニアレギュレーターの損失が多く巨大ヒートシンクが必要になるので、重量上NGと判断している。

24セルの挙動再確認。現地は1SUNを越えるはず。しかもかなり長時間。半分使ってすぐ充電というサイクルで使うことにして、セル面積はもう少し小さくしてよかったか?
低温時の開放電圧の上がり方がすさまじい。20セルでも良かったか?
いや、気温は-40~+20℃も幅がある。+20℃でも動くようにこのセル数しかないだろう。
問題は超低温側。金属リチウムが析出するリスクがあることから、バッテリのケーシングとヒートシンクを結合。と、まぁ、こういう予定。これがリニアレギュレーターを選んだもうひとつの理由。それにしても低気圧下でケミコンが爆発してしまうかもしれないがどんなものだろう。今までは4000m以下にしか持って行ったことはない。この安全確保も次の課題。

まずはスーパーストレート方式の24セルを1枚とサブストレートの24セルを2枚。
ここまで特注したのでさらに実験を続ける。
来週にはスーパーストレートで実験が出来る。これでうまくゆけば、出来上がったサブストレートのうち特性の良い方を選択し、ハンドリングとワイヤリング、固定方法を考える。
6月納期というのは猛烈に忙しい。

4月 11, 2006 太陽光発電の技術 |

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コメント

よしどみさん、こんばんわ~

この前、太陽電池作ると言っていたのはこの事ですね~!

なんだか凄い凝った事やってますね~。
私なら迷わず既製品でどれが使えるかな~等と探し始める所ですが、テーラーメードのPV電源を自前の部材で製作しちゃうところが凄い!

よしどみさんのPVに掛ける情熱には全くもっていつも感服させられちゃうなぁ。

言うなればPVマイスターですね。

私も見習わせて頂きますよ~!

p.s.無理は禁物ですよ、身体を大事にね~!


投稿: すぎやま | 2006/04/11 20:31:19

よしどみさん、こんばんわ
ロムモードを決め込んでいる私です。

標高4千の世界はどのようなものでしょう? 当方富士山頂、剣が峰登山は過去3度ありますが夏に雪が降ったりするんですよね。

ところで、下界では無駄なエネルギーを有効に利用しようとするのはサスガですね。(温度ドリフト緩和策)
ちょっとピントを外した話題に振りますが、当地雪国東北でも温度ドリフトに悩まされます。年間を通じた太陽光発電のデータロギングしているのですがセンサーの温度ドリフトがとても気になります。まして設置環境の厳しい山岳地用の設備は下界とは違う神経を使いますよね。

山岳地では環境気温で水晶発振もPLLループから外れて無線機が使えないなどの経験をしていませんか?

投稿: たいよう | 2006/04/11 22:16:54

すぎやまさん、どうもです。
市販太陽電池は、こういう用途ですと話にならんです。重すぎるし頑丈すぎる。期間内を耐久すれば良いのです。その仕事をする”人間”が大事。それで、こういう設計指針になるわけでやんす。

たいようさん、お久しぶりです。
ロムなんていわずに、ガンガン文句言ってください。最近社会論に偏っていて複雑な思いをさせてしまっていたかもしれません。スミマセン。
うーん、極地での発振モノは、これまで一切やらないんです。マイコンもNGとしています。何しろビジネスとしては、コスト対利益がNGなので。。。それに壊れ易くて手がかかるし。もちろん、頑張って開発したところで需要があれば別ですが。。。いや、需要が無いととても開発できない、そんな感じかな。
そういえば、わが国では軍用グレードの可搬式太陽電池は全然売れていませんね。同様に極地向けのシステムも、”注文があればやる”という感じです。世知辛いです。材料よりも設計労務費・実験機材費の方が高いですからねぇ。。。注文者の方も、”コストの壁”で諦める人の方が多いでしょうね。
それにしても、下界ですらそのドリフトは困るほどですか。うーん。センサだとそうでしょうねぇ。

投稿: よしどみ | 2006/04/12 0:36:10

以前、マグロ屋にいたんですが-30度以下はどんでもなく寒いですよ。低温試験は最低限やってかないとたまずいですね。さらに減圧下でも。現地ではなにがあるかわからないから。持って行ってうまく動かないと大騒ぎになりますね。発振ものはとくに、標準電圧も思った以上にずれる。電解液の入ってる物は凍り付いて本来の性能を全然出してない。考えられるトラブルは山積。

投稿: 麒麟@尾張 | 2006/04/12 7:44:30

こんばんわ~。
私が助言できることは、ないかなぁ~と思ってみてたら、カメラの電池が私の愛機(EOS-KISS-D)と同じじゃないですか、こちらでその電池を-20度の環境で使用すると、電池残量60~70%で電源を切ると、ふたたび電源を入れても電池切れ状態となります、そんなときは電池を外して懐であたためてから使ってます。

投稿: aosam | 2006/04/12 20:59:06

僕等も懐で温めて使います。
一番気難しいのはレンズです。
本体は凍らないよう色々と工夫があって、大丈夫なのですが、温度差の激しい移動があるとレンズの中が曇ってしまうのが閉口です。
これはビニル袋に入れたまま周辺温度になじませ、それから開封するという扱いがうまくいっています。この辺は映像作家の方が詳しいですね。というか彼等はやはりプロです(笑)

投稿: よしどみ | 2006/04/13 0:57:42

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