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2006.09.07

補助金のあり方(提案型)

太陽光発電に補助金が導入されて、久しい。
NEFはもう終わってしまったけど、自治体によっては年々その規模を小さくしながら、一部継続している。かく言う私も、かれこれ10年も前のことか、地元の自治体にお願いして助成策が始まるのを見届けたことがある。(3自治体くらいが共感してくださり、制度発足してくれた)

でも、昨今のように、こうも助成額が小さく、手続きが膨大になると、その効果の程は疑わしい。

前提だが、世の中は、悪い人のために回っている。
太陽光の助成金はメーカーや販売店による不正受給が多すぎた。


すると、行政からの締め付けが始まる。
証明の類が増える。時系列の整合が増える。漢字の表記を細かく問う。。。etc
書類が多すぎるのだ。書類がややこしすぎるのだ。

これではチェック事項が多すぎて設置者本人による申請では、ちょっとした記入ミスが原因で書類がハネられてしまうことが少なくない。すると貰えるはずのものも貰えない。
これじゃ、全然インセンティブにならない。マジメな者が苦痛を味わうばかりだ。意味が無い。

ここでプロの登場とあいなる。
大抵は販売会社が代行することとなる。
ところが、販売会社だって、本当はあんなにややこしい手続きをやりたくない。なぜなら、自治体毎に異なるローカルルールの把握は、困難だし失敗しやすい。それに万が一手続き書類の進行を失敗したら尻拭いしなければならないのだから。

気の毒なことだけど、私の身の回りにも失敗した人が居た。
彼は気のいい技術屋さんで工事屋さんだ。
うっかりこの手続きに手を出した。
しかし、時系列の管理だったか、住所の漢数字、アラビア数字の相違だったかで書類がハネられた。そこで彼が補助金分を負担することになった。彼のお給料よりも支払いの方が多くなった次第。

こういうことがあるから、助成金の書類は端座&お祈りして取組むことになる。というのは冗談だが、この書類には、一字一句への大変な集中力が要る。期限があるから、ちょっとした”うっかり”は全く許されないのだ。

するとここに膨大な人手がかかる。
何かヘンだけど労務としては当然か、販売会社によっては、「補助金手続代行手数料」なんてのを見積や請求書に記載しているところもある。この文字はちゃんとOCRに通るかな?この住所表記は、住民票と整合しているかな?書類の書き手が設置場所の住人ではないだけに、それはもう気の遠くなるような"不毛な作業"だ。

そこで、補助金の書類を作る専門の事務員が多くの会社で雇用された。しかしNEF補助金終了とともに解雇。そんな憂き目に遭った人を私は3人知っている。太陽光発電の普及には、雇用促進・産業促進などの効果もあるが、こと補助金に限っては少なからぬ人々の人生を狂わせてしまった。

さて、話を元に戻す。
かかる次第で、補助金の手続きには、同じ時間で設置工事が済んでしまうくらい切ない手数を踏むことを要する。

設置者本人の電灯契約名が誤っていること。印鑑証明書が誤って登録されていること。住民票が誤って登録されていること。これらは日常茶飯事。地番整理があった地域などはとんでもない。

すると、書類整合のために、今までの行政への登録情報の書き換えなども発生し、数十、数百時間も走り回ることがある。今にして思う。太陽光発電の事業者は、安上がりな住民登録情報の修正係だったのだろうか。

こうした次第で、助成金を受けないほうが経費安になる場合が少なくなかったあきれたことに、こうした場面はしょっちゅうだった。(行政書士が訪問販売した方がいいんじゃないかと思った。)これを私たちは、SubsidyTrap(補助金のワナ)と言う。

今、多くの自治体で太陽光の補助金がなくなろうとしている。
それはNEFの手続きによって保障された、”悪い人をはずすための与信”が出来なくなってしまったから。

しかしここで地方自治体の行政官を責めないで欲しい。
ほんの僅かな人数、あるいは、兼任兼務だらけの自治体担当者単独でルールブックを作り、設置者本人や業者を与信してゆくのはひどく難しい。法やルールの合間を縫う輩を排除するのは、行政の一担当者の労力ではとても及ばない世界なのだ。

私は、補助金が無くなってよかったと思っている。
助成金申請、需給までの労務を差し引くと、インセンティブが無い今の方が設置者にシステムをさらに安く提供できる場合が少なくない。こんな大雑把な表現に問題があるならば、「補助金手数に要する労務負担・人件費を、設計施工の高品質化に振り向けるべきだ」と私は言おうとしているわけである。

良くない助成例(設備規模KWあたりに助成がなされる場合)
●設備規模あたりの助成額が少ない場合かつ本人手続きが困難なほどに煩雑な場合。
例:設置規模が小さく、10万円未満しか受給できない場合。
ここで手続きが複雑すぎると、手続きに要する時間と同じくらいの時間で10万円以上の仕事が出来てしまう。特に、時系列を追いかける期間が長いとそのチェック労務は大変な量となる。
設置前の申請、設置後の受領のための申請くらいで済めばまだ良いのだが。。。
予算が少ないのならば、他に方法はある。地元商店街の商品券とかを簡単な手続きで配布するなど、上手な自治体もあった。
●期限があるために気持ちが急かされて漫然と契約している事実がある。1万歩譲って、設置者側の太陽光発電導入の動機が歪んでしまうのはやむをえないとしよう。だけど、助成額の過多にまどわされて電気効率上好ましくない内容を希望するお客さんが少なくないのは参った。業者側としても補助金期限までの限られた時間で技術的正当性を説明するのは大変だし、設置希望者側は、何のために設置するのかという目的を見失ってしっていることがある。ホントは発電量にインセンティブを与えるべきだが、これは自治体担当者によるチェック労務が大変すぎるだろう。(少なくとも地方自治体にはマンパワーが足りないところが多い)

●プッシュ型の営業、中でも訪問販売では、国や自治体が補助金を出している事実が太陽光発電販売の素晴らしい大義名分になる。販売業者は受注機会が増えればそれで充分なのだ。しかし、プル型営業で公平な一発価格を提示する業者にとっては、労務が増えるばかりで、却って経費高を招き、エンドユーザー価格高騰を招いている。これは弊害だろう。長期的にはこれら美しい大義名分を通じた強引な普及シナリオを促進するよりも、無意味なコスト、つまりSubsidyTrap(補助金のワナ)を回避するためにも無策で居る方が良かったりする。

どうせ、補助金をやるなら、設置者にとってインセンティブとなる形をお願いしたい。すると、たくさん出すか、手続きを簡素化するしかないだろう。
不正受給は、発覚次第、厳罰!!チクリ推奨!!
暗いなぁ。。。せめてメーカーの不正はもっと責められるべきである。

それにしても、全うな人々のために行う効果的な助成策はは無いのか。今のままでは、「無いほうがマシ」という助成金が少なくない。このお金は福祉など他のことに回したほうが良いのでは無いか思う。

以上は3月の記述。(若干の表現修正あり)
放言の身勝手が嫌なのでいまさらながら追記する。


提案:
云いっぱなしは良くない。文句を言うのは誰でも出来る。文句だけ言うのはあさましいことと思う。そこで未来に向けて、発展型の提案を行う。


モデル:
愛知県安城市。
太陽光発電を設置した市民に、インセンティブとして地域の商品券を発行する。額面は数千円で充分。商品券を受け取るための諸手続きは、「本人による申請」によるのが基本。私は安城市の担当者に拍手を送りたい。

効果:
①不正が起こりにくい。

申請者は、不正告発からの追及を逃げられないのだ。家を買い、居を構え、高価な太陽光発電を導入する人は、その地域に腰を据える覚悟があるに違いない。家ごと逃げるのは難しいので彼等はそうそうヤバイことをしないだろう。不正は低率に留まると予測される。
②業者の労務負担が少ない。
本人申請ではなく、業者主体で申請されるとき、この作業は業者の総コストにONされる。当たり前である。構造的な配慮が必要である。また、インセンティブの受給は本来受益者の行動にまかされるべきである。

③役所の労務が少ない
住民が窓口に申請に来るとき、書類の書き方を繰りかえし教えるのは苦痛かもしれない。業者を経由した方が言うことも良く聞くかもしれない。しかし、本人申請であれば、①の理由により、書類から与信機能をいくらか省くことが出来るため、役所担当者は、フォーマットの製作・書類チェックといった、個々の書類に関わる作業量を少なくすることが出来る。
④地域商品券が地域振興に役立つ。
自治体が自治体の外部にある地域の人々を儲けさせる必要は無いだろう。投入した税が地域を潤し、地域に戻るのは理想的な姿だ。
なお、補助金の配布規定を、自治体地域内に居を構える業者との契約に限定するというルールを見たことがあったが、あれは愚かである。なぜならば、当該地域に充分な技術力を持つ事業者が無いシーンがあるからである。また、全ての設置希望者が自治体主導による土着取引先を望むはずはない。市民の財布までコントロールするのは行政のおせっかいである。

④要らない人は申請すらしない
行政は、要らない人は要らない、という現実をしっかり活用できる。「補助金は要らない」と明言するお金持ちや篤志家に行政が補助を出す理由は無い。むしろ彼等の志を高く評価しなければならない。この評価経費の方が安いし、効果的だろう。ここでは、行政は、業者主導の十把ひとからげな申請から税金を守ることが出来る。
多くの業者は「補助金による行政の後押しを営業トーク」とするので、インセンティブを不要とする人にまで、まんべんなく補助金をばら撒いてしまう。これは税の有効活用の観点からクレバーなととは思えない。要らない人は要らないのだ。環境や原子力推進に懸念を示し、自費のみで太陽光発電を導入しようと言う志高い人が、世にあるのだ。彼等の自由意志を尊重してやって欲しい。


指針:
行政が太陽光発電を推進しているということが、市民に伝わり、これを通じて市民の環境意識・エネルギー問題意識の高揚を促せば良い。
他にインセンティブは要らない。地域振興券数千円でいいんじゃないだろうか?
太陽光発電を買えない人は買えないで仕方ないのだ。そうでなければ行政は市民の所得格差を埋め、さらに太陽光発電に多大出費を行う覚悟する必要があるだろう。しかし何もそこまでする必要は無い。行政が太陽光発電を応援していることが分かれば充分なのだ。お金が余っている自治体は、予算を他のことに振り向けて欲しい。


排除すべき方法:
10万円以下の補助金(お金)。
これは上述の通り。お金は太陽光発電導入者のココロを狂わせる。
業者による申請
業務進行の内部コストがかかる。このコストは、太陽光発電導入者が払っている。
また、不正防止が困難になる。

抽選
抽選は論外。不公平感を募るばかり

逆の立場に立ってみたい。太陽光発電を導入しようと思う人たちは、当たるまで待つ。自分だけがハズれるのは悔しいからだ。そのことが、事業者のセールス意欲を削ぎ、普及を妨げている。このような無駄な予算は、他のことに振り向けるべきだ。
実施方法がまずければ、逆効果にしかならないのだ。

9月 7, 2006 問題提起 |

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コメント

あいかわらず、補助金に対しても熱いですね~。
商品券の補助金はとってもいいですね。
地域も潤いますし。
でも、本人が補助金申請をすることになっても、業者に頼むお客さんはいるでしょう。
お客さんの考え方が、もう補助金申請=難しいってなっているんでしょうね。

うちの自治体も商品券にならないかな?

投稿: ニモ | 2006/09/11 9:01:47

おや、ニモ殿ではありませぬか。

「補助金申請=難しいな」
全くその通りです。毎日やっている業者にも難しいんだだもの。設置者にも難しいのは当たり前。それにあの作業は不毛です。悪事を働くつもりが無くても、僅かなミスで書類がハネられちゃう。

書類を簡単にして、不正を排除して、役所の金銭負担・労務負担を少なくしつつ、太陽光導入促進効果を得る方法は無いのか?
私はやっぱり上のような、本人申請による地域振興券方式が良いと思うのです。業者介入はNGね!!

なお、補助を配るのは、稼動開始後でOK。
電力の契約書を持ってきなさいよ~。で充分じゃないかな。

投稿: よしどみ | 2006/09/11 10:19:29

お久し振りです~

補助金はいらんでしょ。どう考えても不公平極まりない制度だと思っています。

地域振興もある自治体では、その自治体にある会社が設置しないと補助金が出ない。どう考えても業者との癒着があると勘ぐってしまいます。自治体としては地域振興のためと言い訳するのでしょうが・・・・

そういう意味では地域のどんなお店でも使える地域振興券は平等に地域振興に役立つのでいいんでしょうね。

でも、環境問題は国がやるべき問題では?補助金もなんでも公務員の労力がかかる。
環境保全に国として取組むなら環境商品は消費税率を下げるとか非課税にするのはいかが?手間がかからないでしょ。

投稿: なっちゃん | 2006/09/29 0:21:43

確かに消費税免税ならば、、税務署の労力も減るでしょうし、費用対効果、労力対効果が大きいですね。
しかし免税というのは、国民の感覚から云ってありがたみがあるのかどうか。。。それに、他の消費活動と比べて不公平感もあります。日々の糧を得るのが精一杯な人には食料品や家賃を免税して欲しいところでしょうし、病床にある人には。。。と考え出すと、免税はちょいと問題ありな気がします。

投稿: よしどみ | 2006/09/29 20:02:38

初めまして。今まさに、太陽光発電システムの設置を検討中の者です。補助金にかかる「コスト」が大変なものであること、初めて知りました。私が住んでいる東京都三鷹市でもkw補助金がありますが、申請するつもりはありません。理由は、税金の使い途として適切ではない、と思うからです。太陽光発電を設置しようとする人は、粗っぽく言ってしまうと、一戸建てに住んでいて、経済的にもプアでない場合が多いのではないかと思います。補助金を受けとるごく一部の人達が、他の多くの人の税金で補助を受けて、うまく行けば15年くらいでモトをとり、それ以降は利益を得る、というのはどうもおかしいような気がします。自治体自身もCO2削減に積極的に取り組み、一般家庭への働きを強めることは大いに結構なこと、必要なことだと思います。補助金+補助金制度運用コスト分の予算を、そういう広報活動とか、あるいは、小中学校等の公共施設の屋上に太陽光発電システムを設置するなどの用途に使った方が、フェアでクリーンなように思います。

投稿: ayudad2002 | 2007/02/15 10:43:05

ayudad2002さんこんにちは!!

自分で手続きすれば社会コストは低いはずですヨ。納税者だから構わないと思います。
もしも本当に受け取られないのであれば、浮いた分の税が、他の何か良いことに回るといいですね。役所の担当者に話してみると面白いと思いますよ。彼等も色々悩んでいますから。高飛車に「ああしろこうしろ」と言うとケンカの火種にしかなりませんが、「今すぐとはいいませんが、いつかはこういう風にしたいですよね」とアイディアを持ちかけておくと、いつの間にか実現していたりします。

補助金代行手続きをする事務員が連日徹夜orタクシー帰りするほど激しい労務を強いられ、挙句解雇されるような補助金のあり方を、「社会コストが高い」と私は考えるのです。

投稿: よしどみ | 2007/02/15 21:57:41

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