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2008.03.30

法令と規格②

たびたび無視されてしまうこと。
それは太陽電池アレイの構造安全です。

太陽電池アレイは、台風に対して安全か、地震は、雪は、とユーザさんから度々問い合わせがあります。不安を持つ方はたくさんあるのですね。しかし、漫然と不安がったり、大丈夫!の一辺倒だけでは意味がありません。計算で解けるものくらいは解き、適切に対処すれば、お互いに腹の座りが良くなります。

また、実際にアレイの落下事故は多数起こっています。自然と言う外力に対して人間は無力か?いやそうでも無いんです。これらの事故の多くは設計が間違っていました。少なくとも、僕の元に寄せられる情報は、全てそうでした。だから、PVに関わる方々は、ちゃんと机に向かい、計算する時間を取っていただきたいと思います。

アレイの構造安全に関する歴史にざっと触れます。

まずサンシャインプロジェクトで関電工さんの論文がありました。これはアレイの風洞実験や強風下における実際のアレイ部材の変位を測ったりと本格的なものでした。
次にこれがTRC0006太陽電池アレイ用支持物設計標準として結実します。いわばJIS前JISです。しかしこれは旧建基準法を元にしたものでした。
やがて建築基準法とその告示が平成12年に大改正します。この改正は、建築学会の建築物荷重指針を背景としています。ミニマムデザインの根本がここにあります。
PV側ではこれを受けて、JISC8995が発効します。これは告示1389号をベースに、Wは1454号を参照したものでした。当時のアレイはX方向Y方向ともに梁がつながっていたので等価作用面積が大きく、構造骨組として解ける場合が多かったのです。次に平成18年2月、原子力安全保安院が電技解釈50条として構造安全の確認を義務化しました。その方法はJISCによることになっています。(このときは広く国民からの意見を募集していたのでイマイチな点を修正していただこうと思ったのですが、この手のものは、一体にドラフト発表から意見書集めの期間が短すぎます。間に合わず施行されてしまいました。。。(汗))

こんな説明では情報密度が高すぎて、全然わからないでしょうかね。
ただ、入り口がつかめれば早いと思います。初学者には上の情報だけで1年は時間が浮くでしょう。

今回は、アレイの構造安全確認が
①義務であること。
②外力のうちWは、構造骨組として解釈されてきていること。
という2点だけお分かりいただくことを目的とし歴史的な背景に触れました。

全然わかんねーよぉ~と言う人は、何がわからないのか教えていただけると幸甚です。

3月 30, 2008 技術者必読資料 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.29

法令と規格①

ユーザのほうは仕方ないのですが、太陽電池メーカーの開発者やシステム販売業者と話していて気付くのは、彼らが太陽光発電に関係する法令を殆ど知らない、という事実です。

だから困ったことですが、事業者に悪気が無くても、知らず違反行為を働いてしまっていたりする。メーカーもそういう意味じゃ、ちょっと脇が甘いんです。違法品を大量に流通させた後になって、ここをこういう風に改修してくれといった通知を業者のところに送ってたりする。こりゃ一種の隠れリコールじゃないかと思うんですが、その背景には業者側の無知とピアチェックが働かない業界状況があります。業者が不勉強だから、メーカーが間違ったことを書いていても、その通りに設計したり施工したりしちゃうんです。

法令と言うと、わが身を拘束するものとしてしか捉えられず、疎まれがちなのは、江戸以来のわが国の国民性でしょうか。殿がそうおっしゃれば這っても黒豆という。。。理不尽な上意下達を聞いて聞かぬフリをする農民の悪い癖が現代まで続いているような気がします。そういえば税金を喜んで払うという人もわが国にはあまり居ないですね。政治家や行政のお金の使い方にも確かに疑問はありますが。。。

また、法令を学び、適切に運用するのはめんどくさく感じられるらしいんですね。しまいには、「他の皆も”その程度”にやってるんだから俺もそれでいいだろ。」とまで。赤信号みんなで渡れば的な発想です。間違いを指摘すると怒っちゃう人まである。ひどいものです。
太陽光発電業界は、技術的な背景作りよりも、マーケット拡大の方が先行してしまったので、こういった大切なことがなおざりなのだとつくづく思います。マスコミが好意的なのもわが国の太陽光発電の不幸のひとつです。不具合情報に関しても、中々表に出ない。普及が遅くなるといって尻込みしてしまう学界人まであったり。。。

法律の歴史を見ると、法律側にも非があります。条項同士が矛盾しているとか、条項が飛びすぎて使いにくいとか。合理的じゃないとか。制定の背景が怪しげだとか。

しかし、少なくとも現在の、PVに関係する工学系の法規は、結構出来が良くて信頼するに足ります。電気もそうですが、建築工学の方も国際的にみて、風工学とか雪氷工学の成果が良く折り込まれているほうです。どこかの大先生の直観で決まったとか、そういう権威頼みのいい加減な内容じゃなくて、ちゃんとした実験や研究論文から導き出されたものが大多数となってきています。ですから法令の方を信頼して、フィールドに取り込むことをお勧めします。そもそも義務ですし。


そこで今後、これらひとつひとつを解説してみようかと思います。
内線規程とか系統連系規程とかガイドラインとかJISC8955とか検索してここにこられる方も少なくないので。
売りっぱなしの人はどうせこれからも売りっぱなしでしょうし、やらない人はどうせやらないんですけど、ワカラナイだけの人に対してはもう少し手助けが出来るんじゃ無いかと思います。

なお、内線規程は何回も通読した人じゃないと、ここに幾ら詳しく書いても意味がわからないと思います。どう取り扱えば分かりやすくなるのか、これから少しずつ考えてゆこうと思っています。

さて、いつになれば続きを書くことが出来るか。

3月 29, 2008 技術者必読資料 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.25

もっと精密な議論を

日本の太陽光発電の売れ行きが落ちています。
フィードインタリフや補助金といったインセンティブ不足を理由にユーザー側の事情ばかりが取り沙汰されますが、これはあまりにも浅い見方です。

今、プッシュ型であれプル型であれ、熱心に顧客の元に通い販売し、設置する業者がどんどん減っています。
業者をやっている人には、その理由ははっきりしています。

食えないから事業を続けられない。

引き金は色々とありましょう。
すぐに思い当たるのは、建築基準法改正による新築の停滞。それから特商法改正による訪問販売事業者の撤退。

しかしですね、偉そうにのたまう僕もたった18年しかやってませんが、過去を思い起こすと、その程度で業界が弱体化するとは思えない。
太陽光発電と言うのは、どこか宗教性があって、儲かろうが儲かるまいがやりたいからやる、という人たちによって支えられてきたように見えます。
日本にFITほどの強力な武器が無くともまぁまぁに普及してきたのは、ユーザーの環境意識が高いからといった分かったような分からないような説明が行政や学界関係者によってされてきましたが、業者のほうも似たような感じです。だからか、年収200万だか300万みたいなのしょぼしょぼ収入の、はっきり言ってしまえばビジネス劣等生なんですが、そんな状況でも熱心に取組む業者がたくさんあったのです。

でも国策はなおもプライスばかりに心血を注ぐものですからあぁ、もっと厳しい生活をしなくちゃならない。とばかりさすがに皆んな、嫌になっちゃうんですね。本当に食えなくなっちゃう。乾いた雑巾絞りにも限度がある。
そんな感じでこの数年、多くの同業者が去ってゆきました。

私のところはまぁ、良く知られたあの住宅系統連系みたいなの以外に、独立型だとか、開発だとか、製作だとか変なことばっかりやっているので食ってゆく方法はあるんですけど、PVはビジネスになりまっせ!とばかり業界の実情も知らぬままメーカーに引きずり込まれた新規参入者たちにはたまりません。

ぼんやりとやっていたら続かないよ。ビジネスを続けるためには、ああせい、こうせい、とか説教臭いことを言いたいんじゃありません。
私が心配しているのは、これから参入される人たちのことです。
そして、事業者に新規雇用の原資が無くて若い人が来なくなるので、技術の空白世代が出来てしまう可能性です。
そしてそれが国益を損なう可能性です。

技術の空白世代が出来てしまうと、最先端である現場に何が起こるか。
何でもわかっているが屋根に上れないジイさんと、体は良く動くが何もわかっていないアンチャンが現場を支えてゆくことになります。これでは内容が到底おぼつかなくなる。

せっかくですから、品質の背景にあるものに言及しますとね、実は、わが国の場合、非常にやばい。
行政や学界関係者は施工品質、施工品質の低下なんて言葉を使います。

だけどこれは、設計をし、現場をこなし、実情をみてゆくとわかってくるんですが、ちょいと的外れな表現なんです。
職人はそうそう皆さんが思うほどいい加減ではありません。元が大工であれ電気屋であれ、鍛冶屋であれ、彼らにはその世界での下積み経験っていうものがあってちゃんと手も動くし、設計に基づく作業くらいは出来るんです。もちろん、人間のやることですから全部が完璧とはいかないですし、モラルの低い職人が荒っぽい仕事をしてたりもしますが、これまで報告されているような事故の本質的背景を辿ってゆくと、職人に原因があるものは、実は、非常に少ない。我々は職能ってものをそんなに簡単に馬鹿にしちゃいけないんです。

で、何が原因かって追いかけてゆくと、大抵は、設計なんです。
設計と施工は併記されることが多いんですけど、絶対にごちゃまぜにしてはなりません。
とにかく、最低限の設計がなされなくなっている。例えば、太陽電池アレイが風で飛ばないようにするとか、逆潮流の計算だとか、蓄電池DODの見通しだとか、そういうのが出来る人が本当に少ない。

こういうきちっとした話をしなくちゃならない時に、「当社のスタッフは経験豊かな職人がどうのこうの、だから大丈夫」とキャンペーン用語みたいなのや、有名メーカーの暖簾でお客さんを煙に巻く人もありますが、勘違いも甚だしい。メーカーが設計したり屋根に上って工事するわけじゃないんです。材木屋が住宅性能を保証しますかね?暖簾の使い方も、こりゃ、怪しからん。

風とか地震とか雪と言った、自然がもたらす外力は、人間の寿命期間では経験しきれる筈も無いことに思い及ぶべきです。自然ってヤツは、時間軸スケールも、量のスケールも、一個人の経験や寿命よりもうんと大きいんです。だから過去の統計があって、工学ってのが法律の形で整理した技術体系がある。
まぁ、計算でダメなものは、実際もダメです。今まで大丈夫だったからというのも大きな勘違い。運が良いか悪いかの違いだけでしょう。ちゃんと机に向かい、設計しなくちゃだめだってことです。少なくとも、外に面しているものは皆自然の影響下にあるのですから太陽電池を筆箱の中のボールペンみたいな静的なものと見なしては、全然甘いわけです。

また、「住宅だから・・・」と安い仕事を何かと軽微にみなしたがる人があるので忠告しますが、住宅は屋根材が飛散しても燃えても、公に大災害をもたらすことがあります。飛散すれば人を下敷きにすることだって考えられるし、燃えたら地域に火災がひろがるでしょう。
だから、安全を考える際は、公と私をごちゃまぜにせず、精度の高い議論をしなければならないのです。

PVをはじめとする建設の世界には、私と公の分別が出来ない人がまだあります。
住宅だからとか、大平原の一軒家だからこの程度でいいだろう、という感覚がその典型かもしれません。”私”の所有物だからまぁまぁで良いという主張です。しかし、主人の死後、あるいは存命中にだって、それが不動産として取引される可能性がある以上、これは”公”に属します。今の持ち主は私人かもしれませんが、建築物やPVは個人の寿命を超えて耐久しうる以上、そうした緊張感を持って作られないとならないのです。

そしてこうした地道な取り組みが社会ストックを生む。
サスティナブルってヤツです。
そこまでやれて初めて、環境に優しい太陽光発電なんて大層な言い方ができるんじゃないでしょうか。前も話したかもしれませんが、太陽光発電そのものが環境に優しいんじゃないんです。我々は環境に優しい太陽光発電システムを作らないとならないのです。そしてそれがどのようなものかというと、ある一定の事故リスク下にとどめることによってそれを長持ちさせ、機器生涯に多くの生産量=電気を得るってことです。

寄り道が長くなりましたが、品質のところに戻ります。
PVをエネルギー源として真に有効なものとするには、これまで話したように長持ちしちゃんと発電しなければなりません。。

僕ばっかりがシャウトしていても説得力がないので、海外に目を向けます。
海外の連中はどの程度真面目にやってるのかな、と。
全ての外力とか電気のことを考えると、読む人が大変なので風荷重のことだけで話題を進めます。

Eurocode-1が二年前に発効したので、特に1-4に関する欧州の動向がずっと気になっていたのですが、ちょうどPI誌に架台に関する記事がありました。これは日本で言う荷重指針に相当しますが、向こうではPVにも適用しているのかしらん。と。
するとどうもPVにも使っているようですね。ある地域では外力が小さくなったが、ある地域では架台コストが3倍にもなった、と。そういえばドイツに遊びに行くと、金具にテュフの認証シールが貼ってあったりもする。Kyrillへの反省もあったんでしょうか。

再び日本のこと。平成12年の大改正からブツは変わってません。FEM解析とかやってみたんですけど、むしろ以前よりチープになっています。金具もヘタクソなカンチレバーのままです。感心しません。市販の架台梁も、計算してみるとダメなのが結構、ある。
これって世界に冠たる日本の風工学の進展を誰も現場に生かしてないってことじゃないですか。平成12年のが最早旧すぎるのかと疑って海外文献を読み漁ったこともあります。それこそASCEとかBSとかAS/NZSとか、論文も片っ端から。すると、最新のASCEほどの運用性はないものの、日本の告示は相当に出来が良かったのです。でも、日本の太陽光発電業界は、こうした日本の財産を生かしていない。

階層が深くなりました。フォルダ階層を上に登ります。
品質とか設計とか、そういうことを標語なんかじゃなしに、きちんと実行しようとすると、上述のような風計算みたいな面倒ないちいちをやれる人が必要になってくる。
ところが、やれる人、即ちインテグレータは殆ど居ない。

しかし漫然と嘆いていても仕方ありません。
何故、わが国にはインテグレータが出てこないんだろう。
そう考えるようになりました。
すると最初の話になるんです。わが国のマーケット状況では、設計の予算なんてまるで無いんです。ゼネコンが本格参入しない理由がよく分かります。
コストダウンの追及も結構ですが、コスト一辺倒では、必ずシステムインテグレーション技術の空白期がやってきます。必要なモノゴトをサボることになります。人を育てるカネも時間も無いのですから。必要な本すらも買えない。販売店の書棚を見て御覧なさい。売上げ伝票くらいしかないじゃないですか。
そして、こんな割に合わない仕事を、これからの若い人がやってくれるでしょうか?

業界関係者は、キャンペーン用語を振り回すだけではなく、もっと具体性のある、精度の高い議論をして欲しい。風圧力のことは風圧力のこと。連系点のことは連系点のこと。逆潮流のことは逆潮流のこと。一々の既存技術とそれを扱う各々の立場をきちんと掘り下げ、教育活動なり法整備なりの社会基盤を作る意気込みが必要なのです。
後者は、こういうことです。
建築によって生じた日陰一つ守れないことでどうするんですか。
電圧上昇問題のユーザーすら守れないことでどうするんですか。
ファクターは出揃ってきたのだから、もはや、研究よりも法律の方を見直す議論が必要でしょう。

で、ここでは前者の方をメインに書いてきたわけですが、
若い技術者をこれからどうやって育てるか。
その前に、彼らが食ってゆける業界環境にしなければならない。
これが今の太陽光発電業界の最大の課題です。
普及だ普及だと騒いで見せたって、それは政治がうまくいけばまだ何とか成ります。

一方、人を育てるには時間が必要です。

既存業者側も、この苦しい時期をもう少し耐えないと。
食えないからと言って、卸販売(PVの事業展開の中で一番ましな収益性)ばっかりに執心するのでは、事業者の個別問題解消に過ぎません。
なんとか食いつなぐだけ、という空しい営み。。。

先日、とある外国の太陽光発電事業者が僕の元に遊びに来ました。
彼は、「あちこち見学に行ったのだけど」と言い、こう続ける。

日本の多くの販売店は、工事を外注に出して屋根の下で口開けて眺めているばかりだけど、どうしてお客さんは怒らないのか?

がっくりきました。
このままで良いはずが無い。決して無い。
現状を把握して、手を打ちましょう。
滅法に動いても何にもよくならない。怪しげなものをばら撒くだけになってしまいます。

3月 25, 2008 問題提起 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.03.14

電子ジャーナル社の講演

電子ジャーナル社主宰により、太陽光発電システムの講演をしました。

太陽光発電システムを考えるに当たっては、太陽電池とかインバータ、といったモノ(資材)と設計や工事といったコト(建設)の両方を考える必要があります。また社会的要請、マーケットの事情、政策、国際的状況といった要素も加味しないと片手落ちになります。話すべきことの量は著しく多かったです。

一日でまとめるには強引過ぎる気もしましたが、今後取組むべきことの入り口や糸口は示すことが出来たつもりで居ます。

特にシツコクお話したのは、太陽光発電システムに思いのほか不具合や事故が多いという事実です。

実際に色々な現場を見て回ると、太陽光発電アレイ自体の安全も充分ではないことが多い。
何の策もないままに物販的普及だけを急いでいたら、わが国は、社会ストックとならない脆弱な太陽光発電をこれからもばらまいてしまう。ゴミをあふれさせてしまう。
だから我々は、目的を持った太陽光発電を、きちんとした計画を持って、的確な設計を通じてインストールする必要がある。

上のように観念的に捉えるとなにやら簡単に見えますが、太陽光発電の計画や設計は、実際に取組むと実に厄介。難しいとかそういう理由だけではありません。設計者にとって、資材のパラメータが不明なのです。インバータの部分効率とか太陽電池の温度係数とか架台の断面二次モーメントや寸法といった基本情報がメーカーから公開されていないので、現状ではいちいち試買し、実測した上で最適設計を検討するという大変な手数を要しています。メーカが同業他社やパクリ業者を警戒する気持ちはわかりますが、ちゃんと細かな性能を開示しないと、ホンモノの職能者は育たないでしょう。そして肝心なのは、このようなけち臭いことでは、国益を損なう、ということです。
世界規模で広まる系統連系の世界でアジアに出てきているのは、欧州、特にドイツの会社ではありませんか。
独立型システムの技術者は太陽電池メーカ内ですら不在になりかけているではありませんか。
本当にこのままで良いのですか?

また、この業界は極端なまでの職能者不足です。日本は特にひどい。
外国語で言えば、インテグレータが居ない。外国にはシステムを適切に納品するための一連のプロセスを預かる、強力なリーダが居ます。彼らは金融や企画も得意だけど、実行するだけの技術力を持っています。
日本にはそれがないから、太陽電池単体の効率やプライスばかり気にして、システムとしてそれが組みあがった後のことが顧みられない。
ユーザーは発電設備ではなく発電量が欲しいんじゃないでしょうか。そしてそれに付随する価値と喜びと。

売る人は過剰気味。
買いたい人はだんだんと増えてきました。
しかし、やる人が居ないのです。
工事は下請に伝票流ししてそれでオシマイ。
設計は無設計。
いつまでもこのままで良いはずが無いでしょう。

今後は太陽光発電システムをスムーズに導入するための社会的基盤整備が必要です。

・日影や電圧上昇問題による機能低下からシステムを救済する法令整備。
・合法だが脆弱なシステム、非合法だがデファクトスタンダードといった法令の矛盾の整理整頓。
・技術者、インテグレータの育成
・太陽光発電システム価値の確立

この業界では、(明に暗に)メーカーとか業者とかユーザーとか学界とか行政といった立場からの発言がしばしばなされますが、換言すればこれは「俺は俺は」といった我利我利でしょう。一昔前みたいに垣根を越えた交流によって現状を乗り越えることは出来ないでしょうか。

私の講演はどちらか言えば気が滅入る話ばかりだったと思います。
しかし見てみぬフリや予定調和ばかりでは世の中はダメになってしまいます。
現状を真直ぐ見つめ、さらに案を練り想を構え実行してこそ、人間は肩で風切って堂々と前にすすめます。やったあとはちゃんと答え合わせをしてさらに信念を強める。誤っていればやり直す。
そんな太陽光発電業界に、私はしたい。

3月 14, 2008 開発・具体的な取り組み | | コメント (2) | トラックバック (0)