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2008.04.15

電圧上昇抑制①

電圧上昇抑制問題は、今のままでは、永久に片付かないでしょう。
研究開発だけでは絶対に王手はかかりません。
将来は誰かが何とかしてくれると思ってる人は、科学技術を信じすぎです。
誰がその設備の負担者になるのか、と経済のことを考えると、これは実は技術的な問題ではないことが分かります。
法令を改正しないと、どうにもなりません。
それも、コトの重大さに対する社会の共通認識が出来ないと無理でしょうね。

何故今に至るまで電圧上昇抑制問題は大きくクローズアップされないのでしょう?
理由は二つあるように思います。

日本ではPVのyieldに対する価値付けが曖昧、かつ、たかが知れているので、ユーザー自身があまり気にしないという事情があります。yieldを日本の3倍の電気料金価値に内部化するドイツや韓国だったら大騒ぎですよね。つまり、日本では、内部経済にとっての被害が軽微なのです。
もうひとつは、このトラブルを表示しない機種もあるので問題が発生している物件の総数が少なく見積もられる傾向があるということです。パワコン等の表示器に状況が現れなければ、発電量差でしか知りえません。例えば、ただの積算量だけでは、1割や2割の減少はよくあるその年の天候差に埋もれてしまいます。
まぁ、ぱっとみた感じでは気付かない。
だから、表に出る数も少ない。あくまで、クレームベースですから、知られにくくなる。

でも、表示の有無はどちらが正解かわかりません。
表示したらしたで、著しく軽微なものでも気になって仕方が無い。
ただのストレスになるようだったら、何も表示しないほうが良かったりする。
かといって、それと分からないと問題の存在は忘れさられる。
困ったものです。
あるいは、ユーザーそれぞれの許容下限値をプリセットし、これを閾値として表示するなども一手かもしれませんが。

実際に問題を抱えているシステム数に対して、業界や学会、行政から見えている問題物件数はどの程度でしょうか?

私は、ほんの数パーセント、せいぜい1割くらいじゃないかと思っています。
数値に根拠はありません。あまりに鈍さにそう思うのです。

90年代に既に某協会はアンケートを行っています。
しかし、そのフィードバックを聞くと、吉富が言うほどの数は無かったとのことです。
これは見えていない状況を差し引いて考察されたのでしょうか?
学会の反応も意外なものです。「本当にそんな頻度で起こっているの?」という感じで。。。

この現状からは、日本のPV関係者がいかにyieldに無関心か分かります。
しかし意識的なユーザや業者は、どうにかしようと必死です。

あまりに度々相談があるので、以下に参照すべき資料を示しますね。

電気事業法施行規則第44条
電力系統連系技術要件ガイドライン
系統連系規程JEAC9701(住宅ならば89頁が重要)

行政やNPOやギョーシャが普及を叫ぶ声は大きいのですが、一体に太陽光発電を支える社会基盤は脆弱です。ユーザーへの、導入の便益はあっても、将来にわたる利益は確実ではない。

今後太陽光発電システムの円滑な普及のために必要な社会基盤として私が挙げるのは以下の3つです。
・電圧上昇抑制問題に対応する法制度
・保護協調問題への技術的対応または法制度
・日影被害への補償システム
他にもいくつかありますが、年がら年中嵌ってしまうトラップは、上の3つじゃ無いでしょうか。

日本で主流の系統連系PVはそれ単独では成り立ち得ません。
系統と組んではじめてちゃんと動きます。
だから外部事情の影響が大きくなるんですよね。
電力会社さんに言わせれば、(おそらく)PVの方がよそ者なのですが。。。
第三者による日影も見過ごせません。
南側にどーんと高い建物が建てばアレイは当然日影になる。しかしシステムのオーナーには何の手立ても無い。しかも弱ったことに、建築主もそういうことを気付かなかったりする。悪気が無い場合が多いので困ります。人は無知な他者を責めるは難しいのです。
社会が、なんとかしないといけませんね。
このような現状からは、PVに市民権は無いのだと云えます。

私は、PV関係者ひとりひとりが問題意識を持って行動することを願っています。
まず、ここから始めないと、マトモな運動にはならないでしょう。

例えば、やにわに行政主導で消費者保護の名の下にこれらの対策政策を進めるのはあまり感心できない。

ユーザーは、大きく2種類に分かれます。
家計に合理的に振舞う消費者と、未来へ布石する市民と。
消費者の保護だけを叫ぶと、クレーマー増長になりますし売りっぱなしの業者を喜ばせるだけです。かといって、市民の面だけを取り上げるとエコファシズムになっちゃう。
現実には、大抵のユーザーは、両方の面を持っています。
また、ギョーシャも、誰もが金儲けだけを望んでいるわけではありません。
メーカーの人だってそうです。
電力会社も、意地悪をしたくてしている人も稀に居ますが、殆どの担当者は、忠実に法律を守っているというのが実態です。

PVにはこれからの未来を作ってゆく力があるのですから、立場を超えて力を合わせたいものです。

4月 15, 2008 技術者必読資料 |

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