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2009.05.21

劣化・故障とはこういうもの

以下のIR合成画像を見てみよう。
健全アレイと故障アレイである。
0409

0417後者がおかしいのがお分かりいただけるだろうか?
前者は距離と放射エネルギーの関係性が保てて居ない。
後者も似た条件だが、ここには部分発熱を観察できる。タブの重故障だ。
温度レンジをわざわざ合わせている意図がお分かりいただけるだろうか?行儀の悪い業者を排除するためである。IRは幾らでも悪用が可能だ。だから今までアップロードしなかった。

なお、答えだけ知りたい事業者(情報だけ必要で自分は何もしたくない人)には、
●労力
●知恵
●お金

いずれかを要求する。
私は厳しくすることにした。
飛行機に乗り、新幹線に乗り、訪ね歩けば誰かが教えてくれると考える人が多いが、これはもう許さない。ナマケモノを増やすだけだ。自分自身は何もしないくせにお金だけを欲しがる拝金主義者を増殖させるだけだ。日本のためにもならない。

そもそも私は、ケチをするのは嫌いだ。
しかし、もう堪忍袋の緒が切れた。
何の努力もせず、お金も使わず、答えだけを知りたがる輩に教えてあげる価値は全くない。
今後は、一般ユーザーにも厳しくする。
せっかく伝えても、自分だけ得をすれば満足し、他の人に教えてあげる努力を怠るからだ。そんな人のために誰が働くだろう??
後輩は育てたい。今、実に今の私は年に100日は人に教えることに時間を使っている。しかし、そうやって教えを請う多くの者の態度は目に余るものがある。・・・他の誰にも伝えないのだ。この連中は、何か新しく覚えればそれを使って日銭を稼ぐことしか考えない。
あるいは、自分がひとつ賢くなれば、それで満足してしまうのだ。今自分が困っていても他の誰かがその今を助けてくれればすぐに忘れてしまう。もし私から何かを学んでも、その恩などは忘れていい。しかし同じ思いをする人のために働かないのはどんなものか?だから私は、誰かに教えるにしても、その個人を瞬間風速で潤おすばかりではダメなのだ。
日本のPV技術が諸外国に負けそうな原因のひとつが、ここに、ある。
特に住宅PV業者は悲しいくらい、レベルが低い。

5月 21, 2009 太陽光発電の技術 | | コメント (6) | トラックバック (0)

δの計算

たったのこれだけでも一体全体にメンドクサイんですよ。
δそのものの計算は、まだ早い。簡単に見えるでしょう??
実際、この部分だけは簡単。
だけど背景にあるCfから追いかけるのは大変。
現地も精査しないとならない。
だから、たった一本の部品だけれど、丸一日はかかってしまう。
一番最初から数えると3日はかかる。
これ、何十、何百という部品のたったひとつです。
でも、やらないと色々起こるじゃないですか。そういうことです。
住宅太陽光発電がいい加減になってしまう理由もこのアタリにあります。
私には姉歯殿の気持ちがちょっと分かる気で居ます。
確かに彼はムチャをしました。
でも、お金を渋り、内容を理解しない発注者、ユーザーにも問題があるという見方も強く首肯してしまいます。1_2

でも、こういった諸々、そもそも分からない、やれない業者が多いのでそもそも問題外なのです。しかも、バレないし罰則も無いから普及も進むし、なんとなくやっていける。
これが実情でしょう。
PV業者は、当分は、勉強不足のまま、あまり働かない方がお得です。
どうせバレないのだし、ヨクワカラナイのだから罪悪感も無いでしょう。
他人をコキ使い、文句だけは立派というお客様御紳士も彼らの行動に加担しています。

5月 21, 2009 太陽光発電の技術 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.17

間違い情報に注意

Wikipediaにも太陽光発電の話があり、劣化についても言及している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB
Solar_panel_surface_deteriorationl
”表面が白く劣化した太陽電池パネル、設置後10余年。最下段中央は新品に交換されている。千葉県内にて2009年4月撮影”とのコメント。

ところが笑止なことに、これは劣化を物語る写真ではないのだ。
この機種はカバーガラスにピラミダルな表面を形成しているため観察方向によっては、白く見える。筆者は、これを劣化と勘違いしてしまったらしい。

なお、新品と書いてある部分も別機種の太陽電池が付いているだけ。この部分は、ボール等飛来物によって割れたか、ホットスポットヒーディングによる事故後の対応だろう。
ともかく、この写真からは劣化は確認できないのである。
(実際はあったにしても、だ。)

Wikipediaのこの項目は間違いが少なくない。
以前も明らかな間違いを見つけて私自身が修正をしたことがあるが、いつしか元の誤りの状態に戻されてしまった。(その後他の誰かにより誤記述箇所は削除されたのだが。)
おそらくこのWikiを強引に弄り回す筆者達は記述よりも自己主張をしたいのだろう。自己主張をしたいのならばブログやHPで書けばいいのに。

ともかく、インターネット情報はまだまだ頼りにならないなぁと思う。
ありとあらゆる勘違いを直すために活動してきたこともあったが、最近はもう面倒になってしまった。
何故間違いがはびこるか?
誰も自分自身で現場を見、誰も自分自身で測り、誰も自分自身で考えようとしないのだ。
人から聞いたことをすぐに鵜呑みにしてしまう。
誰も自分の中で教養を育てようとしない。
誰もが楽をしたいのだろうと思う。
情報だけを仕入れ、それを真実と見なすのはとても楽だ。
かくして横着をしたい者とガセネタ提供者の利害はここに一致する。

因みに、劣化は確かにあります。
情報屋に聞くんじゃなしに、現場実測すれば実態がよく分かりますよ。
しかしEVA劣化を除き多くは目視が難しいため、絶縁抵抗測定、IVカーブ取得やIR撮像で判断することになります。
・・・ひどいのだと3年で出力が半分なんてのも見られます。

なお、現行JIS規格やメーカー、METI推奨の方法では、劣化や故障を判断できません。そういう意味で太陽光発電はまだ途上であり、偉大な社会実験と云えます。(しかし科学技術とその産物である人工物は社会実験そのものなのですからヒステリックな全否定はナンセンスですよ)

また、劣化については定義づけが大事です。
性能低下の量と質、両面からの評価が欠かせないでしょう。
そもそもが屋外に据えるものだし人間が作るものなので、単なる汚れや小さな歪みなどを劣化とされてもメーカーは堪らないでしょうね。

5月 17, 2009 弊社からのお知らせ | | コメント (0) | トラックバック (1)

太陽光発電システムをもっと安く??

昨年は福田さんがややこしいことを言い出したので、多くの業者が苦労したことと思う。「太陽光発電を半額にする!!・・・そんなこと言ったらユーザー候補達は買い控えするに決まってる。
現に僕等の仲間内の一社もこの爆弾発表から半年間に100件を申請したものの実行になったのはたったの15件だったと言う。
(申請とは、現場調査、設計、電力協議開始を言う。実行とは契約&設置に至ったもの)
業者側のコストの多くは前者が占めるので堪らない。
実行にならない分は、働き損である。

ともかく彼の会社も、僕の会社も零細だから生き延びた。
太陽光市場がダメならば他の得意分野で食いつなぐことは容易いのである。
一方、中堅どころは大抵が商社だし、社員は養わなければならないし、融通が利かないので大分つぶれてしまった。

本当に半額になるのか?
ここに言及しておいたほうが良いと思う。
太陽光発電システムは、太陽電池とそれを取り付ける架台、電線、パワーコンディショナといったハードウェアとこれらの機器を適切に組み合わせ動かすための環境づくり、つまり設計や工事といったソフトウェアから成る。
福田さんや官僚の意図は「太陽電池と周辺機材を半額に」だったと思うのだが、国民には上手く伝わらなかったようだ。

多くの設置希望者は、太陽電池の値段と太陽光発電システムの値段を区別しない。換言すれば、倉庫にある太陽電池山と、屋根に設置し配線接続し、動くようになった太陽光発電システムとを区別しないと言うこと。
大変な無教養時代になってしまったものだと思う。
野積みになった建築資材を住宅価格と同じだと思う人はどこにも居ないと思うのだが。


因みに、太陽光発電システムに占める太陽電池コストの割合は、最も容易い物件でも4割しかない。難物件では(住宅ですら)2割を割り込む。
だから太陽電池がタダになっても、現状の6割を割ることはあるまい。
このように太陽電池が安くなっても、”システム”は大して安くならないのだ。

政治家や役人達は太陽電池さえ安ければもっと普及する筈と、お念仏を唱え続けているが、この考えは早く捨てたほうが良いだろう。
太陽電池が高かったのは10~20年前のこと(今の2~15倍)
当時は太陽電池コストがシステム価格の8割以上を占めた。
今の政策は過去の幻想を追いすぎていて、全く無理がある。
既に変化してしまった状況から、政策を練り直さないとダメですよ。
もう、太陽電池は充分に安いのです。

なおも政治家や官僚がジタバタとワケのワカラン政策を打ち出すとどうなるか。売れる時期と売れない時期が極端になって、ますます専業事業者の経営は圧迫されるだろう。
個々の事業者の経営など、実は国政の大局観にとってはどうでもよろしい。
少なくとも私はそう思う。
しかし、個々の事業者が継続し、力を伸ばさない限り、適切に設置する技術者とその組織はこの日本には育たないだろう。
現に、ユーザー候補と販売者は有り余っている。
一見普及への壁は無い。
にも関わらず、思うように普及が伸びないのは何故だろう?
一体全体に技術者不足がひどいのだ。
技術者は、販売者や工事人などよりも育成に時間がかかる。
政策がジタバタとしていつまでも揺れ動く限り、彼らを育てる余裕などこの業界のどこも醸成されない。

5月 17, 2009 住宅太陽光発電システム | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.05.13

札幌電気学会、そしてAさんのこと

ちょっと遅い報告。
3月、電気学会を聴講に札幌に行った。
ほくでんさんの取り組み、JETさん、AISTの先生の取り組みに感銘を受けた。これらのテーマ、自分の普段の悩みとあまり変わりは無い。
実に今まで行った学会では一番に面白かった。
ついでに先生方と一杯行って、NEDO研究データの公開指針を不思議に思う。最近、NEDOのWEBでは中国等反日国のパクリ対策か、研究ドキュメントがあまり公開されなくなった。
でもこの方針では国民も観ることが出来ない。
いいのか、これ?なんていう話に。
パクリも排除したいが、税金払ってるんだし活用したい国民の思いもなんとかしないと。
右翼チックな表現になってしまうけど、なんのかんの言いながら、実際、皆日本の国のことを憂い、良くしたいのだと思う。

でも聴講というのも実は名目。
友人の主任技術者Aさんにどうしても会いたかった。
果たして彼の町に行き、彼の家族と会い、彼の考え方に改めて出会った。
結局、僕も、彼も技術者としての言葉でしか語らないのだが、いいことと悪いことをなんかは当たり前にわきまえていて、すべきこと、そうでないことが定義するまでもなく前提にあって、自然と話が弾む。

前提が明らかなのだから、現実にどう対処するか、だけの技術論だけになる。
俺は、お前はどう生きるか、なんていうのは今更確かめあうまでもないのだ。やっぱり、”プロ仕事人”はいいなぁ、といつもながらの感想。
こういう当たり前の議論が出来る場は、すっかり少なくなってしまった。
日々の生活だか、オトナの事情だか知らないが自分を赦す寛容と曖昧さの時代にあってこういう厳しい人と会うと気持ちが引き締まる。

本当のプロってのは、目先のゼニカネや同僚の顔色に追われず、職務を全うする。ここにかける執念はハンパではない。
そうしてそうやって、尊敬できる仲間が居る自分を本当に誇らしく思う。
卑近な表現すれば「こんなにオッサンになってもなお、振られたくないオンナが居るような気分」なのかな。

5月 13, 2009 人間的な、あまりにも人間的な | | コメント (0) | トラックバック (0)