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2010.03.18

電圧上昇抑制の対策

以前も書いたけど、もう一度、原則を確認してみたい。

●発生条件
L1、L2のバランスが悪いときに起こりやすい。
PCSから受電点までの距離が長いとき(δVが大きいとき=R大)に起こりやすい。
軽負荷時に起こりやすい。

●対策
・対外的なもの。
事前にデーターログし、電力殿にも一緒に考えてもらう。
→担当者次第でバラつきあり。全く無関心な担当者に出会ってしまうと、オシマイ。
・技術的なもの。
AC幹線を太くする。
PCS位置を受電点に近くする。(サンプリングがPCS内であることから)
分電盤L1L2バランスを取る。
分電盤インピーダンスが利いてくるのでC接続(銅バー末端連系)はご法度。
→ハウスメーカーさん、いい加減にあれやめたら??
室内幹線増強、引込み線増強。

このうち、L1L2バランスは、連系用に複巻トランスを準備するだけでもだいぶ良くなると思うようになった。
系統側端子を200Vの2端子(Nはダミー端子)とし、二次側を3端子とする。
中点をあくまでトランスで作りこむわけだ。
これだけで確実にバランスが取れるので、事後が全然違う。
問題は、住宅には場所が無いこと。今の市場のコスト感覚では許容できないであろうこと。
PCSメーカーの研究所では、片相にスライダックを入れれば、評価がしやすくなるだろう。

現在の抑制シーケンスでは、100V側もサンプリングしてしまうところが痛い。
これに対して、発電機側単独で対策すると言うのは、悪くないと思う。
結果として、コンプライアンス上のサンプリング点は受電点に移動する。
バランスが主たる原因である場合、この対策が一番有効と思う。

3月 18, 2010 太陽光発電の技術 |

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コメント

大変ご無沙汰しております、その節は大変お世話になりました。

さて、電圧上昇問題の件ですが、そちらのHPでは「タップを下げる」とされていますが、高圧変圧器を取り扱う者としては一般的に、タップを6.6KVから6.75KVあるいは6.9KVに上げ、二次電圧を下げると表現します。

本題ですが、「AC幹線を太くする、室内幹線増強、引込み線増強」にきましては、当然電力損失は軽減されるのと、電圧変動軽減には多少の効果があるものの、かえって電路全体の電圧を上げることになると思います。

A点設置と比較すると、「C接続(銅バー末端連系)」につきましても、発電量≦使用量、の場合(曇りや時間帯により)はPCSが負荷に近いほど配線損失は少ないといえます、それと契約電力を小さく出来るメリットもあります(安全性その他の問題はべつとして)。
A点設置と比較すると、発電量≧使用量、の場合でも、C点設置では分電盤内の損失は増加しますが、A点設置ではPCS~から接続点までの配線損失が発生します。
どちらが得かは、ケースバイケースではないでしょうか。

あえて言うと技術的には、電圧上昇問題と損失軽減と安全性は別問題だと思う。

「系統側端子を200Vの2端子(Nはダミー端子)」、大賛成です、210-105-0V/100Vの変圧器(50VA程度)のもので一時側巻き線のみ使用すれば、仮想中性線を安価で作れると思いますし、設置場所を問題とされているようですが、100mm角、程度で収まるのではないでしょうか?

少々過激な意見かもしれませんが、ご容赦くださいませ。

投稿: aosams | 2010/03/30 15:55:34

ご無沙汰です。そうですね。”下げる”と言うのはいわば結果です。端的な言葉遣いをするならば、おっしゃるとおり、上げるという言い方が正しいです。でも通じにくいと思ってあえて”下げる”と表現しています。ちと問題ありですね。われながら、表現を横着しすぎです。

次に却って電路全体の電圧を上げるとのご指摘ですが、これは系統側ですよね。そういう意味ならば、もちろん一時しのぎに違いありません。つまりわたしの提案は、ユーザーの精神的負担を軽減することが優先だという考えに立っています。

電圧上昇という現象、もちろんご指摘のとおり、発電量が使用量より多い場合のみならず、その逆の場面でも発生します。しかしここでは発電量が負荷を大幅に上回っている時のほうが抑制が起こりやすいとの暗黙の前提でお話していることをご承知おき下さい。設備規模が今よりはるかに小さかかった時代(数百ワットレベルの系統連系黎明期)はそれほど問題にならなかったからです。
というか、気付かなかっただけかも(汗)

安全性についてですが、これは系統接地とPV接地を分離することで不意の事故・・・例えばアルミ長ハシゴや電動ハシゴによるB種経由の帰路形成~感電を防止する効果を見込んでいます。もちろん、本題に対しては、おまけです。

トランスの大きさですが、う~ん、銅損軽減~熱損失軽減の観点から低周波だと巻線が太くなり、やっぱり重くなってしまいます。。。

※コメントをよく読んだら、一次巻線のみ使用の提案あり。
色々な関係者に文句を言われそうですね。技術的には正しいけどコンプラ的にはどうなるのか・・・名案(迷案)です(笑)

投稿: よしどみ | 2010/03/30 23:05:28

補遺です。
契約電力を少なくするメリット・・・ごもっともです。
しかし、私がこの点にあえて言及しないのは、これは、今はそれを明示する段階(≒時期)ではないとい私個人の考えが背景にあります。
なぜならば、事故を起こさないという、ミニマムデザインがまだ業界内に出来ていないからです。
それだけです。

無論、事故防止のための十分な努力が普通に行われるようになれば、契約容量低減効果を謳っていいでしょう。

こういうものは、これからなんだと思っています。今は良点を謳う前に、普及促進・コスト低減という政府目標のバイアスによる問題をキャンセルしないとなりません。現場の実際は政府の言う大層なことよりも事故を防止するというミニマムに注がれるべき、と私は考えるわけです。いわば、手順の問題です。

とかく、古株も、新規参入業者も原点に返って、皆がスタートラインに立たないとはじまらんと私は考えます。
実にこの業界にはaosamさんのように優秀な人は、とても少ないのです。

だから、ワカランヤツを育てた後に本質に迫る。。。ボトムアップの後に本題に入る。
そういった、めんどくさい取り組みをするしかないと・・・あぁ、めんどくさいんだけど、そういう仕方を僕は選んでいます。

投稿: よしどみ | 2010/03/31 3:07:48

「名案(迷案)です」確かにトリッキーかもです(笑)

ついでに、もうひとつ思いついたのですが、聞いてください。
例えば、PCSの出圧上昇抑制タップが108Vにセットされているとします。
でも、それは本当に108Vなのか?という疑問です。
OVRであれUVRでも、電圧系の保護装置には±5%の誤差が認められているので、PCSの電圧ピックアップが、同一の場所からであれば、PCS購入時にOVR、UVRの動作電圧が整定値より高い+誤差の製品を指定すればよいのではないかと考えます。
実際の製品の誤差はせいぜい±1.5%程度と推定しますと106.4Vで上昇抑制がかかるものと109.6Vまで大丈夫なものが市場に出回っているのではないかと思います。

まったく、電圧の上昇は抑制できませんが、出圧上昇抑制タップを変更する交渉に大事な時間を費やすより、てっとり早いかもしれません。

邪道な対策ばかりですいません(笑)

投稿: aosams | 2010/03/31 19:32:38

なるほど!
誤差を活用ですね。
確かに以前スライダックで実測したときには108くらいのものがありました。

しかしどうやって探すかですねぇ。
抑制が深刻な一件の家のために、大量購入したパワコンを分別する!!
ものすごい取り組みになりそうです。

いやいや、邪道だけど邪道ではありません。
現状、細かい対策を積み重ねるしか無いように思います。

投稿: よしどみ | 2010/04/01 19:40:14

確かに「抑制が深刻な一件の家」のために取り組むのは無理があるかもしれません。

ただ、施工時に、施工前の電圧供給状態やPCSの試験表、等々の必要事項をカルテみたいなものに記載し、記録に残しお客様や業者が情報共有することにより、問題の発生時の解決が格段に早くなるはずです。

「大量購入したパワコンを分別する!!」は、ぼくの考え方では、よしどみさんクラスになると長年の勘で、この現場(パターン)は電圧上昇の可能性が高いか、否かは、高確率で判断できるものと思いますから、PCSの試験をするのが前提となりますが、最初の施工時に、同時期に工事をする数台のPCSから、現場に合ったものを選定するだけでも、発生率を低減できると思います。
また、一人では限界がありますから、このことを理解していただける、仲間とともに実施しPCSを融通しあい、カルテの件も実施されますと、相当な効果が見込めると思います。

「抑制が深刻な一件の家」のためではなく、ことが起こったあとに対策するのは、あたりまえ、未然に防ぐ努力もあわせて実施することで、事故率低減や効率化が計れるので、自分のためでもある訳です。

投稿: aosams | 2010/04/03 22:39:38

事前カルテは必須と思います。しかし販売業者からは屋根配列や回路案くらいしか来ない。それすらも間違っていたりして。。。で、今は直売以外はやらないのですが、実際、カルテを作ってモタモタ検討していると、いつしか他の業者が受注して結果は予想通り。お客さんにももう少し根気が必要ですね。気がつくと他人が納入したものの世話焼きをすることが多くなってます。

事前の選別はいいですね。準備片付けの手間はかかるけど簡単。続けて納入するときにはやってみようと思います。

投稿: よしどみ | 2010/04/04 22:53:23

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