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2011.03.02

住宅用太陽光発電システムの性能向上を考える

システム性能の底上げをするにはどうすれば良いのか。発電性能単体を向上させるほうは、正直なところ飽きてしまった。もちろん僕は仕事人だから個々の物件については頑張るのだけれど、世の中の太陽光発電システム全体が底上げされなければ、結局何の意味もないと思ってしまう。自分一人あるいは有志とちょこちょこと頑張った結果、全体の中の幾らかの物件が良くなっても、いまひとつ冴えない。やっぱり世の中の太陽光発電システム全体を良くしたい。

で、そんなお祈りめいた思いだけでは何一つ前に進まないから、この5年間、あちこちの開発・設計・施工現場をめぐって改善点をピックアップしてきた。頭の中だけで考えると、世の中のシステム全体を改善するキーポイントは、まずシステムを継続稼働させることだと思われる。だから、故障を減らさなければならない。ところがフィールドを見ていると、継続どころか安全性能すら不十分だという現実が分かってしまった。それで近頃は安全のことばかり考え、思案をめぐらし手を動かしている。

太陽光発電システムの安全を考えるためには、そりゃ、システムなのだからやらなければならないことはたくさんあって、例えば、強度のことや逆潮流と系統保護、直流保護、工事の結果に伴う諸々のトラブルなんかがある。こういうことは90年代からあまり進歩がない。時間と手間がかかるってこと。だからじっくりやるしかない。

ところが上とは別に、近頃は、セルブレークダウンが増えている。あまりにも多い。これも安全の問題として取り扱われなければならない。4インチ時代には今ほどたくさん見ることは無かったから、結晶サイズの大型化に伴うものだろう。要は電子回路として失敗しているってこと。改善のキモはセルネットワークの理論を固めることじゃないかと考えている。しかしこの際の、各個体のBVパラメタが厄介。バラツキが大きすぎて、実用的な解析手法がビシッとは固まってこない。

そうなるともう、トンデモナイ飛躍になってしまうんだが、問題の根っこを対策するには、物性物理を勉強してデバイスから改善せよ、ということなのかと思ったりする。しかし自分が製造したいわけじゃないから半導体工場を作るわけにはいかないし、そんな実験室など構えようもないし、そもそも自分にそのような研究能力があるわけでもないから、無力感にうちのめされてしまう。そんなことをぼんやりと思っていたところ、昨日、科学技術交流財団で西野洋一先生のご講演を聞かせていただく機会を得た。熱電とか擬ギャップって面白い!!きちんとお話される方のお話ってとても面白い。

しかし、自分がやるべきことが物性物理とはやっぱり思えない。何しろ、デバイスからシステムまでが遠すぎる。
じゃ、システムって、結局のところ店頭のお惣菜を買ってきて並べた夕食みたいなものなのだろうか。そういえば、私の師匠は、機能を持った基板を組み合わせることを「買い物」と言い、技術者がそのような行為のみに頼ることを卑下していた。あの気持、よく分かる。

書きながら思ったのだが、システムを調理に例えてみるともう少し頭がすっきりするのかもしれない。システム屋が作るものをレストランの料理だとすると、プラモデル化された住宅用太陽光発電システムはさながら宅配食材の料理か。これらの調理ってのはあまり失敗することがない。だから食材屋は一式供給を可能としているのだろうけど。

そういえば、プラモデル型の住宅太陽光発電システムは工事がとても簡単だ。建設業出身の方々は口々に言う。私も経験上そう思う。あれもまた、お料理の不得手な主婦までもが宅配食材を活かしておいしい夕食をこしらえたりしているのに似ている。

一方、最近の宅配型太陽光発電食材はひどく破綻していて、白いご飯に砂糖をふりかけるような、味噌汁にラー油を垂らすような、気味の悪いものばかりになってしまっている。最近のは下剤まで入っているようで料理以前から話にならないものが多い。角は立つが、正直、京セラと三菱の宅配食材以外は話にもならない。

市場にある太陽光発電は、レストラン料理よりも宅配食材料理が圧倒的に多い。ならば、宅配食材市場を改善するのが世の中全体の底上げにつながるか。自分があちこちの太陽光発電システムメーカーを訪ね文句ばかり言ってきているのも、そう考えれば合点がゆく。

料理(結果)じゃなくて、調理(過程)の話はまた今度。

3月 2, 2011 住宅太陽光発電システム |

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