2012.02.04

太陽光発電の維持点検、メンテナンス商法に注意!!

太陽光発電の維持点検を謳う怪しげな商売があちこちで始まっている。
怪しげ、だと断ずる理由は明快。
まずは”点検”に関して。

彼らの広告の、以下を良く見てみよう。

●スコープは明らかか。
モジュールと架台とインバータのパフォーマンスを診断したら、どんなに早くとも一ヶ月は要する。それをたった数万円でやるのか?やれるはずが無い。
安全性能の診断をするにも、インバータは特に現場では難しい。刻々と移り行く外的環境をソース発生して、問題をあらかた洗い出すのに現場機材では無理がある。適切な計測制御と大型の発電機車が必要。
架台を診断するのはもっと時間がかかる。現場には構造不良が多いが、これを判断するにはFEM解析するしかない。ところがこれには実機測量とノード入力という膨大な事前作業が待ち構えている。この作業は運よく現場状況が良くて測量がやさしい場合でも1~2ヶ月はかかる。少なくとも百万円は見込まないとならないだろう。ネジの腐食を見るなどというくだらないのをWEBで見たことがあったが、それよりも構造不良のほうが重大だ。これはすぐに飛散事故につながる。飛散事故は人身事故をもたらす恐れがある。
それに、いつも思うのだが、屋根に上がる際の作業者の安全確保経費はどうするのか?これを見込まない点検なんてありえない。

●点検クライテリアは明らかか?
1.点検のパス(orフェイル)クライテリアが公開されているか?
2.パスorフェイルを判断する適切なツール、方法が提案されているか?
3.1のクライテリアは適切か?2の方法は適切か?
点検を謳う業者達はこれらのひとつも答えていない。 よーするに、出来ないわけだ。

彼らの宣伝文句に目立つのは、むしろ皮相的な物事ばかりである。発電量計測、IVカーブ計測、などただのデータ取得を謳ったり、曇りでも正確に測定など、意味が無いことを言ってみたり、高圧洗浄など、必要性が低いことを優先的に提案したり。表面的だなぁ・・・どれも維持点検にとって本質的ではない。ましてや高圧洗浄などもってのほか。シール部はいためるし、高温部があれば発電面が割れてしまう。短気な作業をしては成らない。物事には手順があるのだ。

残念ながら、WEBやチラシで見る会社は全部NGである。箸にも棒にもかからない。実に、彼らがやっていることは、悪徳商法まがいである。
しかし、ことを切り捨てるのは簡単ではない。ことを難しくしているのは、彼らに悪気がないことだ。彼らに不当な金儲けをする意図など全く無い。だからユーザーは彼らを信頼してしまう可能性が高い。

その結果として生じる問題のひとつは、せっかく金と手間を掛けても何の点検にもなっていないことだ。最大の問題は、彼らが、最初から誤っているものを見つけることができないことである。さらに言えば、こうした「事後対策努力」はいまひとつ弱い。我々は、最初の間違いを防止するための蛇口絞り・・・すなわち「未然防止」を優先すべきである。未然防止の話はまた今度改めて書いてみよう。(たいていの場合、”点検では遅すぎる”からだ)

2月 4, 2012 住宅太陽光発電システム | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.03.02

住宅用太陽光発電システムの性能向上を考える

システム性能の底上げをするにはどうすれば良いのか。発電性能単体を向上させるほうは、正直なところ飽きてしまった。もちろん僕は仕事人だから個々の物件については頑張るのだけれど、世の中の太陽光発電システム全体が底上げされなければ、結局何の意味もないと思ってしまう。自分一人あるいは有志とちょこちょこと頑張った結果、全体の中の幾らかの物件が良くなっても、いまひとつ冴えない。やっぱり世の中の太陽光発電システム全体を良くしたい。

で、そんなお祈りめいた思いだけでは何一つ前に進まないから、この5年間、あちこちの開発・設計・施工現場をめぐって改善点をピックアップしてきた。頭の中だけで考えると、世の中のシステム全体を改善するキーポイントは、まずシステムを継続稼働させることだと思われる。だから、故障を減らさなければならない。ところがフィールドを見ていると、継続どころか安全性能すら不十分だという現実が分かってしまった。それで近頃は安全のことばかり考え、思案をめぐらし手を動かしている。

太陽光発電システムの安全を考えるためには、そりゃ、システムなのだからやらなければならないことはたくさんあって、例えば、強度のことや逆潮流と系統保護、直流保護、工事の結果に伴う諸々のトラブルなんかがある。こういうことは90年代からあまり進歩がない。時間と手間がかかるってこと。だからじっくりやるしかない。

ところが上とは別に、近頃は、セルブレークダウンが増えている。あまりにも多い。これも安全の問題として取り扱われなければならない。4インチ時代には今ほどたくさん見ることは無かったから、結晶サイズの大型化に伴うものだろう。要は電子回路として失敗しているってこと。改善のキモはセルネットワークの理論を固めることじゃないかと考えている。しかしこの際の、各個体のBVパラメタが厄介。バラツキが大きすぎて、実用的な解析手法がビシッとは固まってこない。

そうなるともう、トンデモナイ飛躍になってしまうんだが、問題の根っこを対策するには、物性物理を勉強してデバイスから改善せよ、ということなのかと思ったりする。しかし自分が製造したいわけじゃないから半導体工場を作るわけにはいかないし、そんな実験室など構えようもないし、そもそも自分にそのような研究能力があるわけでもないから、無力感にうちのめされてしまう。そんなことをぼんやりと思っていたところ、昨日、科学技術交流財団で西野洋一先生のご講演を聞かせていただく機会を得た。熱電とか擬ギャップって面白い!!きちんとお話される方のお話ってとても面白い。

しかし、自分がやるべきことが物性物理とはやっぱり思えない。何しろ、デバイスからシステムまでが遠すぎる。
じゃ、システムって、結局のところ店頭のお惣菜を買ってきて並べた夕食みたいなものなのだろうか。そういえば、私の師匠は、機能を持った基板を組み合わせることを「買い物」と言い、技術者がそのような行為のみに頼ることを卑下していた。あの気持、よく分かる。

書きながら思ったのだが、システムを調理に例えてみるともう少し頭がすっきりするのかもしれない。システム屋が作るものをレストランの料理だとすると、プラモデル化された住宅用太陽光発電システムはさながら宅配食材の料理か。これらの調理ってのはあまり失敗することがない。だから食材屋は一式供給を可能としているのだろうけど。

そういえば、プラモデル型の住宅太陽光発電システムは工事がとても簡単だ。建設業出身の方々は口々に言う。私も経験上そう思う。あれもまた、お料理の不得手な主婦までもが宅配食材を活かしておいしい夕食をこしらえたりしているのに似ている。

一方、最近の宅配型太陽光発電食材はひどく破綻していて、白いご飯に砂糖をふりかけるような、味噌汁にラー油を垂らすような、気味の悪いものばかりになってしまっている。最近のは下剤まで入っているようで料理以前から話にならないものが多い。角は立つが、正直、京セラと三菱の宅配食材以外は話にもならない。

市場にある太陽光発電は、レストラン料理よりも宅配食材料理が圧倒的に多い。ならば、宅配食材市場を改善するのが世の中全体の底上げにつながるか。自分があちこちの太陽光発電システムメーカーを訪ね文句ばかり言ってきているのも、そう考えれば合点がゆく。

料理(結果)じゃなくて、調理(過程)の話はまた今度。

3月 2, 2011 住宅太陽光発電システム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.17

太陽光発電システムをもっと安く??

昨年は福田さんがややこしいことを言い出したので、多くの業者が苦労したことと思う。「太陽光発電を半額にする!!・・・そんなこと言ったらユーザー候補達は買い控えするに決まってる。
現に僕等の仲間内の一社もこの爆弾発表から半年間に100件を申請したものの実行になったのはたったの15件だったと言う。
(申請とは、現場調査、設計、電力協議開始を言う。実行とは契約&設置に至ったもの)
業者側のコストの多くは前者が占めるので堪らない。
実行にならない分は、働き損である。

ともかく彼の会社も、僕の会社も零細だから生き延びた。
太陽光市場がダメならば他の得意分野で食いつなぐことは容易いのである。
一方、中堅どころは大抵が商社だし、社員は養わなければならないし、融通が利かないので大分つぶれてしまった。

本当に半額になるのか?
ここに言及しておいたほうが良いと思う。
太陽光発電システムは、太陽電池とそれを取り付ける架台、電線、パワーコンディショナといったハードウェアとこれらの機器を適切に組み合わせ動かすための環境づくり、つまり設計や工事といったソフトウェアから成る。
福田さんや官僚の意図は「太陽電池と周辺機材を半額に」だったと思うのだが、国民には上手く伝わらなかったようだ。

多くの設置希望者は、太陽電池の値段と太陽光発電システムの値段を区別しない。換言すれば、倉庫にある太陽電池山と、屋根に設置し配線接続し、動くようになった太陽光発電システムとを区別しないと言うこと。
大変な無教養時代になってしまったものだと思う。
野積みになった建築資材を住宅価格と同じだと思う人はどこにも居ないと思うのだが。


因みに、太陽光発電システムに占める太陽電池コストの割合は、最も容易い物件でも4割しかない。難物件では(住宅ですら)2割を割り込む。
だから太陽電池がタダになっても、現状の6割を割ることはあるまい。
このように太陽電池が安くなっても、”システム”は大して安くならないのだ。

政治家や役人達は太陽電池さえ安ければもっと普及する筈と、お念仏を唱え続けているが、この考えは早く捨てたほうが良いだろう。
太陽電池が高かったのは10~20年前のこと(今の2~15倍)
当時は太陽電池コストがシステム価格の8割以上を占めた。
今の政策は過去の幻想を追いすぎていて、全く無理がある。
既に変化してしまった状況から、政策を練り直さないとダメですよ。
もう、太陽電池は充分に安いのです。

なおも政治家や官僚がジタバタとワケのワカラン政策を打ち出すとどうなるか。売れる時期と売れない時期が極端になって、ますます専業事業者の経営は圧迫されるだろう。
個々の事業者の経営など、実は国政の大局観にとってはどうでもよろしい。
少なくとも私はそう思う。
しかし、個々の事業者が継続し、力を伸ばさない限り、適切に設置する技術者とその組織はこの日本には育たないだろう。
現に、ユーザー候補と販売者は有り余っている。
一見普及への壁は無い。
にも関わらず、思うように普及が伸びないのは何故だろう?
一体全体に技術者不足がひどいのだ。
技術者は、販売者や工事人などよりも育成に時間がかかる。
政策がジタバタとしていつまでも揺れ動く限り、彼らを育てる余裕などこの業界のどこも醸成されない。

5月 17, 2009 住宅太陽光発電システム | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006.01.25

またもや電圧問題

またもや電圧問題。
お客さんからヒアリングすると典型的な症状。
これから、2ヶ月の積算データーと3次元発電解析したデーターを見比べて見る。
それから1週間の電圧ロギング
手続き+調整、評価まで数ヶ月かかるだろうか。

ひょっとするとこれからは太陽光発電システムの性能を向上させるよりも、PC調整と協議の方が大切な仕事になるかもしれない。
この問題は、声を荒げてメーカー事業部とやりあった90年代から何にも変わっていない。
今は黙って自らが出来ることを黙々とこなす。

あちこちで大規模普及時の問題が散見される。
ここのところ、連チャンだ。

気が付くか気が付かないかの差もある。
今年度中の税引前粗利益を全て調査機材費に充当しようと思う。
それからやってみる。それから考える。

1月 25, 2006 住宅太陽光発電システム | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.01.12

考察メモ

50年再現期待値から
d=α・ls+β・rs+γ

ls=170
α=0.0052
β=2.97
γ=0.29
R=40

2.362??

特定行政庁のマップから
1.6

cosθはほとんど意味なし。
30N/㎡、厳しいなぁ。。。

1月 12, 2006 住宅太陽光発電システム | | コメント (2) | トラックバック (0)

販売店を騙す

年々太陽光発電システムを販売する事業者は増えている。
でも、残念ながらこれら新興勢力?は販売専業者が殆どであって、工事見積が出来ない。
契約が済んでいざ着工してみると工事の予算がまるで足りなくて目を白黒させる営業氏。可哀相に。。。と思うが、建設業と電気工事業の免許と実務経験が浅い販売店がこの洗礼を避けて通ることは出来ない。

訪問販売をはじめ販売専業者に共通する特徴は太陽光発電システムを物販とみなしていること。こうした組織では「KWあたり幾らで売って来い」という上意下達があるばかりで、なんらの社内教育もなされていない。あぁ、でもたとえメーカー研修を受けても、社内教育をしても無理なのだ。太陽光発電システムの設計と施工には電気や屋根や建築に関する幅広い知識と経験が要る。彼らに、想定外の難第・難工事で何十万も予定が狂う場面は今後もなくならないだろう。

もちろん予算が危うくなると営業屋は工事屋に泣きつく。だけど、まともな工事屋は現地を見て費用を算出するから「出来んもんは出来ん」でおしまい。
販売専業会社が泣くおきまりのパターン。

今後も彼らに赤字受注の場面は増えてくるはず。
それでも販売専業系の会社(つまり殆どの太陽光発電販売店)が片っ端からつぶれたりしないのは、一応、月間程度の粗利管理をしているからだろう。
うんと儲かる客先があり、損する客先もある。でも全体では儲かっているという感じ。
裏を返せば、営業会社にとって儲かる客先は損する客先の分を穴埋めするほどお金を払っているということになる。

そもそも、これらの会社に受益者負担という考えは無いのだろう。
他所の販売店に遊びに行って契約金額と実行予算書を見せてもらったことがあったが、あまりの不公平にあきれた。プラス200万とかマイナス50万とか。
儲けすぎも良くないがそれより、マイナスって一体なんなんだ??(笑)
KWあたり幾ら、みたいな売り方をしている業者は大抵こんな風になっている。
業者もイカンが、私はむしろNEDOやNEF・メーカーの社会的責任を問いたい。
何度も言うが、太陽電池のKW単価はあるが、システムとしてのKW単価は”ない”
何故誰もこの違いを明確にしようとしないのだろう。(私だけがぎゃんぎゃんとうるさいことを言っている。メーカーと国の関連機関こそ背筋を伸ばせ!!)

何故、こんなことを考え始めたか。
競合する業者の現場見積をお客さんに見せてもらうと、明らかに大きな見落としがあり、予算内では納品不可能。
近年、そんな場面に遭遇する頻度が高くなったから。

現場状況と照合すると、太陽電池などの高額材料は確かに拾い出しているものの、工事材料や工事経費の見落としがひどく多い。
「作業服を着た設計者は来なかったでしょう?」とお客さんに聞くと
「ええ」という。
スーツを着た人しか来ていなければそりゃ間違いが多いのは当然。

さてこれをお客さんの立場になって考えてみた。
「あのですね、さっきから私は床下をもぐり、小屋の構造も確認させていただきましたし近隣の配電線も確認させてもらいましたが、この現場に対して適切な仕事をする場合、この予算ですとその販売会社は大赤字です」
私がフツーの営業マンなら
「ということで競合の○○社は契約履行不能です。適切な内容を示した設計と見積をしている弊社にご依頼下さい」
と行くはずだが実はそうではない。

「どうですか?いっそのこと、このままこの販売店と契約してみては??」
「相手がケツをまくって逃げずに契約を履行してくれれば、お客さんの方がうんと儲かるわけです。悪く言えば業者を騙すということです。ミイラ取りをミイラにしてやるということです(笑)」

ひどい入れ知恵だが、赤字でもちゃんと契約を履行する会社も少なくないから絵空事ではない。
お客さんにもリスクがあるが、お客さん自身がリスクを承知で関連法務をゲームとして楽しめれば良いでしょう。

1月 12, 2006 住宅太陽光発電システム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.04

Prices

太陽光発電と値段の話。(不定期コメント)

どうも、世界的に太陽電池の値段が上がってきましたね。
シリコン不足の影響をモロに受けた格好です。
需給が需要過多サイドに崩れればこうなるのは当然です。
http://www.solarbuzz.com/ModulePrices.htm
数年以内に安くなるかって?
そりゃないでしょう。新技術を報ずるマスコミ報道(研究室レベル)と商業化品とは、時間的に大きなズレがあります。

インバーターはこんな感じ
http://www.solarbuzz.com/Inverterprices.htm
ヨーロッパで微増しているのは、高付加価値化の流れを受けてのこと。
発電量をPCカードみたいなのでロギングして取り出せるのやら、各回路バラバラMPPするSMAみたいなメーカー品が売れているからだと思う。
米国はXANTREXくらいしか無いのか、わが国とトレンドが変わらない。

バッテリはこんな感じ
http://www.solarbuzz.com/Batteryprices.htm
Lead-Acid Batteryの原材料、つまり鉛の価格が高騰しているのでこんなもんでしょう。
ベトナムで再生鉛の価格が高騰しているのでわが国のマテリアルリサイクルの構造まで狂っているとも聞きます。値下がりするほうが変でしょ。
そうそう。最近、国内で米国製鉛蓄電池がよく売れていますが、あれはマーケティングの勝利です。”AGM”という売りに惑わされることはありません。
本当は品質バラつきが少ない国内品の方がお得です。メイドインジャパンをもっと応援してあげましょう!!まぁ売る気がない日本メーカーも悪いんですけどね。

チャージコントローラはこんな感じ
http://www.solarbuzz.com/Regulatorprices.htm
これもまぁ、MPPTなど高付加価値化の流れに拍車がかかっています。
SHSの市場はまだまだ小さいとは言え、各社頑張っています。
RS232を通じてパソコンにデーターロギングできる機種も増えていますね。
W単価が高くなったというより、高付加価値化の流れとして捉えるのが自然でしょう。
日本の消費者は贅沢だからMorningstarのチャーコンなどがウケていますが、世界的には、ミテクレがバッチくても安くて面白いチャーコンが世界的には売れているように感じます。

ちゅーことで、インバータを除き、全分野で値上がりしていますね。
米国のインバーター価格に大きな変化が見られないのは、トランスレスの独立型用小型インバーターの値下がりを受けているからでしょう。連系型のはどちらかと言えば安くなっています。日本のは、変わらず。(性能はいいけど面白くないかも)

気が向いたらサマリーを読んで見てください。

1月 4, 2006 住宅太陽光発電システム | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.12.12

年々細やかになる。。。

年々やることがクソ丁寧になってきて、仕事に時間がかかるようになった。
どうも、ありとあらゆるリスクが目に浮かぶのだ。

何年か前は
「住宅系統連系は、2人で1日あれば電気工事も太陽電池も済む」
そう豪語して、本当にそうやっていた。
私も(当時の)相棒のオッサンも10年選手だし、実際に手も早かった。
当時は架台も複雑だし、資材の重量も重いのによくやっていた。
深夜2時でも3時でも積み込みをしていたもの。
電気配線をするのにも、走ってやっていた。電力申請も渋滞の車の中で書いていた。

でも今は、当時よりもさらに知見を積んだのか、稼ぎに頓着が無くなったのか、
「これって(メーカーの教科書に書いてあるやり方よりも)この方がさらに良いじゃないか?」
「こうしたほうがより強度が出るんじゃないか?」
「こうしたらもっと長持ちするんじゃないか」
などと商売上余計なことを考えるようになった。
メーカーが要求しなくても防水のプライマ処理をするし、アレニウスの法則なんぞもアタマに浮かんで少しでも放熱性の良い機器設置場所を探すし、電力契約はESCO的にも追求するし、マメなことしきり。
つまりうんと手間をかけている。

だからなのか、最近われながら説教臭い。
短気なお客さんは、「(設計も工事も)さっさと仕上げろ」とか簡単に言う。
私も私で(そんなお客様に向かって)
「その考え方だときっと損をしますよ。お願いですからお時間を下さい。仕事の精度や仕上がりに関わります。枕を高くして眠らせてください」
とか生意気な返事をしてしまう。

商売とはお客様を立てること。顧客満足なり。そう語られることが少なく無いように思う。
でも、相手に見えなくても今ある力で精一杯のことをしないと自分がHAPPYじゃない。
仕事は相手のみならず、自分もどこか幸せじゃないと。

私達職人は、お金と引き換えに仕事を提供する。
だからお金と仕事はフェアだと思っている。
お金がエライんだったらその人は、勝手に偉ぶっていればいい。
でも、私達は、お金と交換したい仕事をしなくちゃならない。
お客さんにとっても、お金以上に仕事をしてもらうために、フェアであることを心がけるのは「お得」と「HAPPY」への道だと思う。
当たり前の仕事、出来ればより良い仕事とお金を引き換えてお互いが満足。それが他の誰でもない自分が世にあって仕事をする楽しみじゃないのかな?

12月 12, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.10.30

Moduleprices

Moduleprices10-05 2003年頃と比べると太陽電池価格はやや上昇中。
ソーラーバズの調査を見ると、10月も更新。日経を見ると来年にも原料が上がる模様。
多結晶の価格が意外にも不安定なのはヨーロッパと日本で多結晶太陽電池が加速度的に普及し始めていることがある。

急いで買えとはいわんが、結晶系太陽電池はもう値段が落ち着いたんじゃないかな。新型かつ結晶系を超えるほどの高効率な素子が出てこない限り、ガツンと安くなることはもうあるまい。

だからだと思うけど、次なるコストダウン対策として、一部メーカーでは純正架台が安くなりつつある。架台の原料たる鉄鋼が値上がりしているのにどうして?と思うけど、それは原料使用量を減らした架台が開発されているから。歓迎すべき風潮に見えるけど、強度が不足してはたまらない。なかなかバランスが難しいですな。

10月 30, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.10.29

PV温度と鳥の巣対策

計画から半年がかりでやっと対策が済んだので後学のために公開します。

設置から一年経たない春。お客さんからご連絡。どうもパネルの下に鳥が棲んでいる様子とのこと。今まで1000件ほど施工したうち、数件しかなかった事例だし、システムにも影響が出ていないことや、巣のみ残して翌年は居なくなることから「まぁ大丈夫でしょう。生き物ですし、実害が無ければ一年は見守ってやりましょう。」とお話しし合意していたのですが、また翌年の6月にも連絡あり。洗濯物に糞が付くし、朝はコツコツと屋根の上が賑やかだと。これは住み着いたかなぁと現地にお伺いすると、この近辺はムクドリのコロニーがある様子。配電線の上からも「げぇげぇー」とうるさい。辺りは広大な田園地帯。生き物には格好の環境?思っていたよりもこりゃ大事だ。

stamago屋根に上って近隣を見渡すと近所の家の雨どいにも巣があるわあるわ。さて恐る恐るパネルをはがしてみると。。。やっぱりわらクズ製の巣がたくさん。数枚をはがしただけで30リットルのゴミ袋が2つ満タンになってしまった。しかし、このままだとまた棲むだろうなぁ。どうしようかなぁ。と困惑しながら次々にパネルをはがしてゆくと。。。タマゴはあるし、小鳥も居る。生きているのでこりゃ参った。生き物の迫力に降参してしまった。この日は(私は生き物の専門家ではないので)宿題とさせていただくことにした。まさか、生きた小鳥をゴミ袋に入れるわけにも行かないし、法律もあろう。と。

帰社してそれから数日間、鳥のことを調べた。
するとこの青いタマゴはムクドリというらしい。移動することもあるけど住み着くこともある。スズメより大きい。声が下品。地域によっては害鳥扱い。そして最後に夏くらいまでが繁殖期だということがわかって、お客さんと相談の上、対策作業の時期は秋と決めた。

shina

そうしないといつ行ってもヒナやタマゴに出会う可能性が高いからである。さて、その方法だけれど、どうするか。これが一番悩んだ。
いくつかのメーカーと話をした。大きなコロニーが太陽電池の下に棲み付くのは珍しい事例らしく、某メーカーさんは親切にも鳥類の研究所にも尋ねてくれた。(Kさんありがとうございます)

一応、過去の少ない事例からするとパンチングメタルを加工して覆う例(公共産業用)、金網で覆う案が出てきた。(Fさんありがとうございます)親しい販売店数社とも相談してみた。するとナイロンの網を張るという。でもナイロンや樹脂系の網だと紫外線劣化で数年でぼろぼろになるので却下。(Aさん、Hさん、このやり方はダメでしょ?)これではお客さんからのお叱りを一時的に逃げるだけになってしまう。また網に鳥が絡まったら屋根上に屍骸が残ることになってしまう。パンチングメタルも、ここは足場が悪くて屋根上加工できないことと、瓦の凸凹にあわせるのが困難だということで却下。(試算するとその費用も、PV設置工事費より高くなってしまいそうだった)毒の散布もNGとした。効き目が継続しない(らしい)のと、何やら残酷だし気味が悪いので。板金で覆うのは論外とした。せっかく換気工法としたのに太陽電池の温度が上がってしまう。太陽電池温度が上がると発電能力が落ちてしまうので、これは絶対に避けるべし。(EさんBさん、これはダメよ!)

sami するとあとは金網かぁ。。。ずいぶん調べてあちこちをみてみたのだけれど、亜鉛めっきのやビニル被覆のしかない。いずれも数年でぼろぼろになってしまう。参ったなぁ。。。と何箇所かホームセンターをめぐると。。。SUS304の加工しやすいタイプがあったぁ。。。良かった。
ということでSUSの金網に決定。右手が腱鞘炎寸前になりながらも専用の鋏で加工。固定はIECレールとマルテンサイト系のセルフドリリングネジ。淡々と材料を仕度した。
本番ではパネルを一枚残らずはがして古巣を撤去、続けて総延長40mの金網固定。こりゃ目立つぞぉ~と思ったら地上からは意外にも目立たなかった。タブンこれが一番おすすめの工法かな。なお、このアレイの場合、固定用ネジがM8だったので取り付け取り外しが自由だった。最近の太陽電池にはM5やM6のネジによる固定方法が増えているのでボルトが千切れてしまって取り外しに苦労することも。

10月 29, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005.08.20

秘密兵器?”シリコンワット/平米計”

kp40fオムロン系のパワコンは操作部がまずいなぁ。
3つのボタンの左が連系SW、中央が表示切替、右が自立SW。ところがこれらのスイッチは入ってるんだか入っていないんだかわかりにくい。2つ押したときの挙動もわかりにくい。要するに、ユーザーさんがこれを見て壊れているのと勘違いしちゃう。もう5~6年も前からメーカーに改善申し入れをしているのに一向に設計変更してくれない。この春くらいまでの京セラはみんなこれだったので採用したくなかった。シェルやホンダやエムエスケーなんかもこれ。

でさっき、このパワコンを設置した家から「おかしい」と連絡がきた。
「うわ~、また操作がごちゃごちゃしてるかなぁ。。。」
そう思って電話で点検を指示して見るとこの方はちゃんと分かっている。操作はおかしくない。
幸い片道一時間足らずなので車に乗り込むとまた電話。
(お客さん)「動いたよ」
(私)「え~!そんな馬鹿な。とにかく行きますわ。」

午後2時過ぎ。パワコンのそばの窓を見ると青空なのに、0.2~0.3KWくらいしか発電していない。大体、ここは4.3KWも設置してるんだ。
こりゃ、違う意味でおかしいかも??

sunwpmeterrefそこで取り出しましたる手作り日射計。
外に出て見るとなんということか、南の空だけがどんよりと厚い雲に覆われている。そのくせ北の空は真っ青な青空。
でもお日様はどこにも見えない。
計って見ると50W/㎡しかない。北の空は60W/㎡くらい(笑)
えーと定格比5%だから、パワコン側で0.21KW前後かな。オッケー。

ホントはこの個体は最小2乗法を使った固有の式に代入してW/㎡を求めることにしてるんだけど、屋根の上も、これもシリコン太陽電池同士だから同じようにズレる癖を持つ。だから良しなのだ。今後はこれをシリコンW/㎡計(しりこんわっとぱーへいべいけい)と呼び、ここで得られるナマの値をシリコンW/㎡(しりこんわっとぱーへいべい)と呼ぼう(笑)とても強引だ。

お客さんは昼の日中で明るいのにパワコンが止まっているからおかしいと思ったんだろう。尋ねて見るとシステムの問題が無いことが分かって、その瞬間のことも忘れてしまっている様子。念のためエラー記録のメモリを呼び出してみたけど、ここも問題なし。

外は明るいのになぁ。人間の目の感覚なんて怪しいもんだ。直達光のパワーはすごいもんだ。
今こうした書いているのは事務所に戻ってきた夕方なのに計器を空に向けると現場と同じくらいの値を示している。
うーん、騙された!!!

8月 20, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.08.18

リコールと現場修理の違い

http://www.asahi-net.or.jp/~ap8n-tn/sun/index/jindex.html
この件については弊社も調査を継続しており、電力と.も話をする機会を持っている。
実はリコール自体は、リコールとして正式に手続きされる限りユーザーにとってはたいした問題ではない。
直ればすむジャン。という意見の方が多いのだ。
しかし正式リコールもせず、個別電力協議もせず、黙って交換という方法には次のような問題がある。
●第一、気味が悪い。何がおかしいのかという説明が無いのはユーザーの太陽光に対する信頼を失ってしまう。そのメーカーの問題だけじゃなくて、他のメーカーや業者だって疑いの目で見られるでしょ?買っているのはユーザーなのに各電力営業所や配電課員の間だけでメールがぐるぐる回っているのも、変。
●万が一にも交換後の新パワコンの保護協調に問題があった場合、これを原因として系統波及事故など起きたらユーザーは電力会社に訴えられても、裁判で勝つことは全くありえない。これは配電課もはっきり言っている。公共インフラたる系統に勝手に新パワコンをつないでいるのと同じだからひどければ全額賠償だ。このほうが問題でしょう。こうした次第で現場では同社の対応はと~ても印象が悪い。

もちろん、業界全体で見ればパワコンの不具合、リコールは過去にも何件もあったけれどもこんなにたくさん売れている製品の問題をあやふやにしておくのはうまくない。
大昔のパワコンだけど、いつか東芝がリアクトルのリコールを公表し対応したのとはエライ違いだ。

でも、あれもホントは裏があったのかもしれない。。。と、怪しい対応をするメーカーがあると、ホラ、どこもかしこも疑っちゃうじゃないか。

8月 18, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (6) | トラックバック (0)

2005.08.15

アパートの太陽光発電と旧JIS高規格太陽電池

ap2 アパートに設置というのもある。コイツは負荷の軽い共用電灯に接続することになるから逆潮流ばかりになることが想像される。すると電力会社は買うばかりだから電力担当者が嫌がることがある。
でも粘り強く内容を詰めて交渉すれば何とかなる場合が少なくない。幹線電流が大きくなるからリミッタを大きくすれば基本料金の収入があるでしょ?いかが?なんていう感じで。
写真は、小さい方が4KWくらい。大きい方が8KW。偶然だけどこれらの太陽電池は以前のJISにも適合する良品。910*1000の基本形に基づいているから強度に優れ、扱いも良い。72セルだから建物を取り壊した時にもゴミにならない。必ずや海外やホビーに転用できる。何しろこの太陽電池は用法にツブシが利くのでリサイクルどころか、リユース性が高い。昨今、リサイクルが声高に叫ばれるが、バラして部品を取り出して作り直すよりは、そのままもう一度使えばエネルギーの投入もない。リユースの方がエライのだ(笑)
でも原価が高いからか、こんなにも汎用性がある住宅産業用太陽電池を作るメーカーは殆ど無くなってしまった。今後も各メーカーはモジュール化コスト低減のために、人一人が運べる程度の最大サイズに多数セルを無理やりつめこむことになるだろう。ヨーロッパの太陽電池が現にそうだし、わが国にも①台風が無ければ②住宅の屋根が大きければもっとでっかくすることで、もう少し安価に製造できるのだ。こうしたモジュール大型化の動向は、安いのが一番いいや、とする消費者・業者が多いことのあらわれかな。NEFが安くせい、安くせい、とうるさいからかな?今は、産業用すら、単体強度が保証出来ないヒヨワな太陽電池と架台が少なくない。昔の方が良かったなんていいたくないけど、セルコストが安くならない、製造原価を下げるにはモジュールサイズを大きくする程度の工夫しか考えられない。ap1もし風圧によるパネル破損が続出した場合は、500*1000くらいのさらに大昔の太陽電池の方が逆に安かったと思いなおす可能性が無きにしもあらず。頑丈すぎて高いのも良くないけど、ぎりぎり規格が原因で早期に壊れても困る。安いというのはどういうことか、考えさせられる。贅肉は落とさなきゃならないけど、骨までそぎ落としちゃ、ダメね。

8月 15, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (0) | トラックバック (0)

住宅太陽光発電と36セル太陽電池

_1 RCの庇に設置した例。鋼材の長さとアンカーさえよく検討すれば比較的シンプルな構造で設置できる。建築賞を貰った建築の美観を損ねず設置出来たと自負している。
何年も前の施工例だけど、今でもメーカーや販売店がカタログに使っているくらいだから、私もここで自慢しておくことにする(笑)
なお、ここで使用したのは36セル太陽電池だからいざという時には蓄電池を構え、配線を切り替えて非常用電源にも出来る。でも今ではそんなリクエストをするお客さんはすっかり居なくなってしまった。設計方法によって太陽電池は家庭のエネルギーセキュリティーにもなるんだけど、系統連系と売買電で得になる話ばかりが一人歩きしてしまって、太陽電池の面白さはますます埋もれてしまった。経済効果一辺倒の市場の動きは退屈なものだ。本当に誰もが経済効果ばかり追い求めてるのかな?技術屋にとっては面白設備だし、社会派ユーザーには脱原発の夢を与えてくれる。日本の、新しい基幹産業になれば日本人としても鼻が高い。電気料金節減の論議に終始するのはどうも貧乏くさい。もう少し太陽電池の持つ様々な可能性に興味を持ってくれる人が増えてくれると嬉しい。

8月 15, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.08.14

日影解析の必要性

shadestruct 日影の有無による発電への影響差を考えるには3次元で年間の日影の挙動を解析するソフトウエアを使いこなすことが必要。メーカーによるどんぶり勘定的シミュレーションも悪くは無いが、これらのソフトで得られる情報はあまりにも現実と乖離してしまう。営業ツールにはなっても、保証値にならないどころか日陰が無ければ発電しそうな、大体の発電量を示すに過ぎない。
また、困ったことに、設置者はその時期の日影にしか気づかない。あるいは興味を持たない。しかしながら実際には大きな影響がある。

現地に少しでも日影の影響が想像せられる場合には、是非通年レベルでの3次元的解析を試みてもらいたいと思います。
名古屋を中心とした中部圏では弊社が当該ソフトウエアの代理店業務と使用方法指導を行っています。良心的な販売業者さんには是非この解析術を身に着けてもらいたいものです。配列設計どころか、メーカーの選定自体を見直す必要性を痛感するでしょう。しかしながらこのひと手間が設置者の利益を左右するとも言えるのです。

8月 14, 2005 住宅太陽光発電システム | | コメント (0) | トラックバック (0)