太陽光発電システムをもっと安く??
昨年は福田さんがややこしいことを言い出したので、多くの業者が苦労したことと思う。「太陽光発電を半額にする!!」・・・そんなこと言ったらユーザー候補達は買い控えするに決まってる。
現に僕等の仲間内の一社もこの爆弾発表から半年間に100件を申請したものの実行になったのはたったの15件だったと言う。
(申請とは、現場調査、設計、電力協議開始を言う。実行とは契約&設置に至ったもの)
業者側のコストの多くは前者が占めるので堪らない。
実行にならない分は、働き損である。
ともかく彼の会社も、僕の会社も零細だから生き延びた。
太陽光市場がダメならば他の得意分野で食いつなぐことは容易いのである。
一方、中堅どころは大抵が商社だし、社員は養わなければならないし、融通が利かないので大分つぶれてしまった。
本当に半額になるのか?
ここに言及しておいたほうが良いと思う。
太陽光発電システムは、太陽電池とそれを取り付ける架台、電線、パワーコンディショナといったハードウェアとこれらの機器を適切に組み合わせ動かすための環境づくり、つまり設計や工事といったソフトウェアから成る。
福田さんや官僚の意図は「太陽電池と周辺機材を半額に」だったと思うのだが、国民には上手く伝わらなかったようだ。
多くの設置希望者は、太陽電池の値段と太陽光発電システムの値段を区別しない。換言すれば、倉庫にある太陽電池山と、屋根に設置し配線接続し、動くようになった太陽光発電システムとを区別しないと言うこと。
大変な無教養時代になってしまったものだと思う。
野積みになった建築資材を住宅価格と同じだと思う人はどこにも居ないと思うのだが。
因みに、太陽光発電システムに占める太陽電池コストの割合は、最も容易い物件でも4割しかない。難物件では(住宅ですら)2割を割り込む。
だから太陽電池がタダになっても、現状の6割を割ることはあるまい。
このように太陽電池が安くなっても、”システム”は大して安くならないのだ。
政治家や役人達は太陽電池さえ安ければもっと普及する筈と、お念仏を唱え続けているが、この考えは早く捨てたほうが良いだろう。
太陽電池が高かったのは10~20年前のこと(今の2~15倍)
当時は太陽電池コストがシステム価格の8割以上を占めた。
今の政策は過去の幻想を追いすぎていて、全く無理がある。
既に変化してしまった状況から、政策を練り直さないとダメですよ。
もう、太陽電池は充分に安いのです。
なおも政治家や官僚がジタバタとワケのワカラン政策を打ち出すとどうなるか。売れる時期と売れない時期が極端になって、ますます専業事業者の経営は圧迫されるだろう。
個々の事業者の経営など、実は国政の大局観にとってはどうでもよろしい。
少なくとも私はそう思う。
しかし、個々の事業者が継続し、力を伸ばさない限り、適切に設置する技術者とその組織はこの日本には育たないだろう。
現に、ユーザー候補と販売者は有り余っている。
一見普及への壁は無い。
にも関わらず、思うように普及が伸びないのは何故だろう?
一体全体に技術者不足がひどいのだ。
技術者は、販売者や工事人などよりも育成に時間がかかる。
政策がジタバタとしていつまでも揺れ動く限り、彼らを育てる余裕などこの業界のどこも醸成されない。
5月 17, 2009 住宅太陽光発電システム | Permalink | コメント (3) | トラックバック (0)