2006.03.23

儲かる商売へのシフト。残念

つい、今の今まで気づかなかったのだが、数年前に書いた弊社の会社案内に大昔の取引先の訪問販売殿が載っていた。当時は同社も社長、取締役総出できちんとした仕事もしていたので、社会性のある法人として信頼していた。

ところがいまや悪徳訪販である。
この数年、ダンピングや押し売りがひどいので、弊社はここと取引を停止していた。
なにしろ、工事の品質はあまりにもビミョーだし、技術要件を無みするほどのローコスト指向がでお客様からいただくお金に対して中身がなっていない。ウチはとうに付き合いをやめていたのに余計なドロをかぶる所だった。(もう、かぶっていたかも??)

この会社のスタート時、私はメーカーからのご指名によって、設計や工事、そして助成金のやり取りの仕方をこの会社に教えた。だから、同社の一部古株は、手前味噌ながらかなり技術的には詳しいほうだと思う。

でも、会社が巨大化するにつれて、どうもおかしくなってきた。
高売りして、内容はガサツ。
当時は、この会社にもお客さんにも、喜んでもらえたので、教えてよかったなぁ。。。と思っていたが、いつの間にやら暴走している。

ホント、組織というものには気をつけないと。
願うと願わざるとに関わらず、大きくなった組織は何をしでかすかわからない。
まずもって売る人ばっかりで実務者が少なすぎるのはかなりおかしい。
これは業界全体にいえる。

念を押すが、これは訪販に限った問題ではない。
どの社会、どの会社にも稼ぎのためだけに仕事をする人があって、それはそれで誰もがメシを食っているという現実を振り返ると仕方ないことと思う。

だけどこれが暴走すると、納品の実内容をはしょること、べらぼうに高く売りつけて法外なマージンを得ることにやっきになる。
こうなったら、オシマイだ。

3月 23, 2006 ザ・テーマ | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.16

訪問販売について-小休止

竜頭蛇尾となりつつある本考察。
4~7をどうまとめあげようか、収拾が付かなくなっています。
4~7を再掲すると
4:3は即決といわれる訪問販売の売り方の属性です。(設計や検討よりも)契約が先にありきという販売方法の問題点を考えなければならないでしょう。
5:良心的な訪問販売はなかなか成功していません。経営難です。
6:善悪好悪の論議以前に誰もがメシを食って生きてゆかなければならないということを考えなければなりません。
7:本来あるべき販路はどのようなものでしょう。
と云った流れです。

全ては半年前にいただいた一通のメールに端を発します。

整理の方向性を考えると、この貴重なお話をどこに折り込めば良いのかを長らく悩んでおりました。
実に、この文面にはあまりにも多くの考えるべき問題が散在しています。
従いまして、私は下手にまとめることを諦め、何らの意図なしにここに転載しようと思います。消費者の方も同業者の方も、何らの批判なしに、一度通読し逆の立場で考えてみていただけると幸いです。

☆引用☆

本来、技術的な要素の多い吉富さんのHPから販路についてまで取り上げていただけ
るとは正直、考えていませんでした。私は現在某職にありますが、かつて訪販会社5社の下請けとして床下換気扇や温水器やリフォームなどを施工する工事会社を経営していました。
しかしながら、特定商法改正などで、次々に販売会社は閉めざる得なくなりました。
それに伴い、私も、会社を閉めました。
それまで、お世話になった顧客様には大変ご迷惑をかけたと思います。。
いまでこそ、まともな建設業のもとで仕事を勉強させていただいているんですが、素人同然の私が施工するということは吉富さんもご指摘どうり、質の問題、儲け主義、売り切り、やり切り、短期施工です。
これが、問題にならないわけがありせん。
約○○年ほどやりましたが、数々の問題点を感じてきました。
また、訪販業界に深く携わってきたわけですが、この業界の完全儲け主義はどんな
に、法律が改正されようが残念ながら無くなる気配を感じません・・・・
姿・形を変えて、そして、どんどん分散化(個人営業)として存在していくのかと思います・・・残念です。
その、典型が、太陽光なのかとも思います。
私の知っている営業マンも何人も太陽光に転進していきました。
私自身、そういった方々から、現在も施工をお願いされることがあります、しかしな
がら、私にはその技術はありませんから、
それをうけることはしません。というよりも、できません。
太陽電池メーカー○○社の施工研修なども参加しましたが、けして簡単な気持ちで請けれる仕事ではないと思いましたので・・・
はじめは、やろうと考えていましたが・・・私には技術が伴いません。いずれは、自分の手で設計施工はしてみたいですが。
今は、新しい職業で技術を身に着けることに徹したいと考えています。
しかし、伴わない技術で施工を受けつづけている人がいるのも事実かもしれません。
それは、上記で述べた{質の問題、儲け主義、売り切り、やり切り、短期施工}に依
存してるのではないでしょうか・・・
こんなこと、述べる立場ではないのですが、私は訪販の完全儲け主義は反対です。し
かし、その営業力は必要と感じます。
確かに、何のつてもないところから、そして何の興味もないところから、仕事を取る
ことは大変な労力であり、その営業力はすばらしいと思いますが、誰でもかれでも太陽光というのは少なからず、第二の悪質リフォームに他ならないのではと感じます。もう少し、ハードルがあってもいいとも感じますが・・・
決して意見の言える立場ではありませんが、第二の悪質リフォーム市場にならないた
めにも、透明性のある市場に向かうことを願います。


☆引用ここまで☆

この方に、匿名性を維持するという条件の下に転載のご許可をいただいております。
したがいまして、数字や名称等は改変しておりますが、文体、トーンはママです。

2月 16, 2006 ザ・テーマ | | コメント (6) | トラックバック (0)

2005.08.22

訪問販売について-3番

3:訪問販売による太陽光発電は殆どの場合、納品品質が良くありません。

表題からすると恰も全ての訪問販売を攻撃するもののようです。
しかしながら必ずしもそうではありません。
彼らには実に問題が多い。だけどどうも良いところもある。
しかしながら、私はこうしたレラティビズム(相対論)でモノを見る一億総評論家時代の無責任な傍観者的な議論をしたいと思っているわけではありません。
何故なら漫然と訪問販売の良いところと悪いところをあげつらうだけではわざわざこうして考える価値が無いわけです。
またある意味社会問題ともいえることは、単純な二元論という小さな枠組みに納まるほどヤワな議題でも無いでしょう。
訪問販売にはどうして問題が多いのか。さらには問題の背景はなんだろう?因果は?
私達はこれをつぶさに視て考えてゆかないと何の反省も対策も生み出せません。
また彼らのうち少なからぬ人々は、皆さんがおっしゃるように人の都合を鑑みないカネの亡者だったりするわけですが、一方でつつましい一生活者であるばかりの人もあって、極悪非道の人非人ばかりではないのです。是非、もっと仔細に見てゆきましょう。
この業界に長いせいか、私は太陽光発電の訪問販売事情に精通しています。情報は惜しみますまい。

さて、恐縮ながら、自身、中々わかりやすい表現に悩んでいます。
そのまま、糸がこんがらがったままにお話を始めてみようと思います。

訪問販売の外観と別の問題の明確化

A:一戸一戸を訪問し契約を取るというのはaosam氏が別項で示唆したように的中率が低い。つまり非能率的です。
これを内訳で考察すると、売れなければその販売員の給料はおろかその地域ブロックにたどり着くガソリン代も出ないわけです。
この損失ぶんは
[(契約までの経費+契約までの人件費)/1契約までの訪問戸数]
として最低限、契約者にのしかかっているわけです。

B:営業員への成約インセンティブ(成功報酬)が高すぎる。
事実そうです。ここには構造的な問題があります。
力のある販売員はさらに実力を試したくなります。
もう少し高く売れるかな、親(販売会社)はもう少し高く売れたらその分をバックしてくれるかな。
同じことをするならより高く自分を評価してくれるところに行きたいはずです。
実はこうした販売員は引く手あまた。
そもそもどうやって移籍のきっかけが芽生えるかと申しますと、住宅地で文書ファイルや手提げかばんを持った人は同じ穴のムジナ。同じ匂いがするわけです。
所属する会社こそ違うものの、そこには交流が、情報交換がはじまるわけです。
「あっちの会社の方が儲かるなぁ。」
大体、新興販売店は他店より高いマージンで優れた販売員をゲットします。売れなければ会社が回りませんから。
かくして、
訪問販売員のマージンが高くなる→エンドユーザー価格の高騰→訪問販売は高い
という図式が成り立つわけです。
こうした次第で硬直的な老舗訪販は良く売れる販売員の流出に手を焼いています。
しかもコンプライアンスのためにも上限価格を定めている良心的?老舗訪問販売会社は生き残りが難しい状態です。しかしこれら老舗訪販会社も手をこまねいているだけではありません。
営業マンのマージンを低く抑える一方で固定給の値上げなどで人材流出を防止する策に打って出ます。
しかし、これもエンドユーザー価格を高騰させる原因になっています。
方法が異なるだけで結果がほぼ同じになるという皮肉な構造がここにはあります。

C:しかし、高すぎると売れない。この自家中毒をどうするか。
ちょっと注意深い訪問販売の経営者は巷の標準的な価格や競合相手の価格に敏感です。
するとなんとか他店と似たような価格に納めたい。(※実は”価格”と見えているものは本来は”材料価格+費用”に他なりません。これは後半に述べるような別の問題を想起させます)
でもこうした発想にはそもそも無理があるのです。
上述に見るように訪販は経費が大きい。主として販売員に要する経費が大きい。
しかしながら優秀な販売員の給料やインセンティブを抑制するだけではモチベーション(やる気)が下がる。これじゃ売れない。売れないとメシを食っていけない。
じゃどうするか。施工会社に値下げを要求するわけです。

D:施工の合理化を超えて手抜き化へ
なんとか、もう少し安くやれないか?!
施工会社も継続的な安定収入が欲しいものです。
するとじゃ、月に5件、いや10件出してくれれば安くしましょう。
数があればメシが食える。こうした算段です。
ところが、そもそも施工会社の職人だってヒエやアワを食って暮らしているわけではない。普通の白い米を食いたいわけです。願わくば、時には晩酌だってしたい。
ところが今までと同じ収益内で頑張るにも限度があるわけです。
施工会社も値下げしたらその分無理をしなくちゃならない。
数をこなさなくちゃならない。
例えば今までは6時に起きて現場に向かって夜20時には帰っていた。
でもそれが5時になり4時になり3時になり、帰りは深更。ひどければ午前様。うんと運が悪ければそのまま徹夜で次の現場に移動です。
つまり程度の差がありこそすれ、限度があるわけです。
じゃ、どこかで楽をしなくちゃならない。
そうでなければ働いた分をもらわなくちゃ納得がいかない。
これは働く者の自然な心理です。
でも収益の背景は頭打ちなわけです。
じゃ、最初に合理化を考える。
少しでも効率的な仕事のやり方を考える。ここまでは企業として当然です。
合理化の努力を怠っていて権利の要求ばかりしている人は取引先どころか、世にも受け入れられないでしょう。
だから、架台の仮組みだって、梱包の開梱だって、ドロだらけかもしれない現場よりは乾いた事務所の廊下や屋外駐車場の地面でさっさとやれば能率が上がる。図面だってあらかじめ太線の明快な図に書き換えれば少しのろまな職人だってわかる。
出来ることをみっちりやるわけです。
ところが、こうした地道な努力も次の一声でやがて限界に達するわけです。
もう少し、安くやれないか?!
えーホンマですか?やっぱりお金が足りない。
既に材料のグレードだって限界まで下げて居てもこうした追い込みに遭遇する次第です。すると何をどうするか。
最早、やること自体を減らすしか無いわけです。
●太陽光
防水のプライマを省略する。
架台の対辺長やサシゴを取らない。不陸調整をしない。
逆水(さかみず)防止処理をしない。
ケーブルの接続をビニテにする。
通線を楽にするためPFSを使用する。
酷いやり方としては、通線の便宜のためにケーブルを多心化する。非接地とする。
電線管を使わないという手もあります。
わかりにくくて寿命性や安全性を低下させてしまうのに、
縦材や横材の片持ち梁を極大化する。という危険な方法もあります。
大棟の熨斗瓦の近くまでアレイが迫っている場合、既設置者はこれを確認する必要がありましょう。
瓦面戸の補修を放置するというのも楽チンな方法です。
もうこれだけで一軒が1~3人工も早くなります。

●エコキュート
アンカーを打設しない。
高温部の保温材に水道用を使う。
配管を埋めもせず、サドル固定もせず、だらだらに這わせておく。
試運転をしないで引き渡す。
なんていうのを良く見かけます。

PC板基礎については、現地状況と作業方法の差がありますので一概には言えません。
●IHクッキングヒーター
コンセントを使わない。壁内を配線がうまく通らないのでスケアダウンする。
内緒で2次幹線からマタを割ってくると仕事が楽になることもあるでしょう。
そもそも、リミッタ容量のことをまるで配慮しないという家電量販店的な素晴らしい荒業もあります。

外観をまぁまぁに整えておけば、誰にもわからない。
寿命や耐久性、合法性を犠牲にするわけです。

◎しかし、これら隠微な施工の手抜きと常套化は訪問販売に限ったことではありません。私のもとに寄せられる相談のうち苦情の類をピックアップして見ると、悪質訪問販売への苦情はおそらく半分もありません。それ以外のタイプの業者の仕事についての苦言が少なくないのです。HP公開以来、私はこの点にも注視してきました。
実は、もっと広範かつ根深い問題が背景にあるのでは無いでしょうか?

[商法として]
・テレアポ商法
これは中々効率の良い訪問販売です。電話口の相手を安心させるために大メーカー名を名乗り太陽光発電の功徳?をざっと説明する。相手が興味を示せば「より詳しくは技術の者がご説明に参ります。ご住所は?」という調子です。
技術の者がそんなにたくさん居るならもっと収益性の高いエンジニアリング会社が経営出来ます。技術の者というのは実は訪問販売員のことです。まぁ販売技術?を持った人であるということでウソではありませんが。。。
また、最近は、自動発信の電話もあります。
・メーカー主導の「物販事業化」による物販事業商法
WEBや新聞雑誌折込、DM、マスコミを活用した効率の良い商法です。
どちらかと言えば好印象の人々です。
価格競争にも意識の高い人たちです。贅肉は落とさねばならない。
良いものをより安く提供しようとする人たちがあります。
その志は悪くない。しかしここにある意識はモノ売りです。
他人に工事させている以上、骨までそぎ落としてしまっていても、その事態そのものに気づきにくい。彼らは意外にも上で黒丸印●で示したような問題に気づいていないのです。あるいはかなりの慧眼を持つ輩もこれらの諸問題を黙殺している。
これは重大な片手落ちではないでしょうか。

さてここでいきなり提言ですが
販売者は訪販であれ物販者であれ、施工の際には一貫して元請負人として立会う必要があるのでは無いでしょうか。これ以外に品質を維持する方法は無いのです。
「立会いだと?ウチは何百件という実績のある工事店さんに依頼している。心配要らない。」
そうおっしゃる販売者さんもあるでしょう。しかし数をやっていれば間違いないのか?
「工事費だってちゃんと払っている。手抜きをする理由が無い。」
こんな反論だってあるでしょう。でも人間のすることです。
先述では訪問販売と工事会社の話をしました。ここでは工事会社も職人も至って真面目。だけど背に腹は変えられないシーンでは手を抜いてしまう。手を抜かざるを得ないという因果を話しましたが、一方では、お金が足りていてもはじめから手堅さと注意深さを持たない施工者だっているのです。

また、立会いをしていればコストが上がる。ごもっともです。しかし安く頑張ろうとすればするほど、立会いをしなければ現場側は何をしでかすかわからないものです。
コスト低廉化にしたがって下請負人の人工化(ニンクカ)が進むことを無視しては通れますまい。もっと一般の方向けに噛み砕いて言うならば、システム設置のキット化・簡便化・ローコスト化の流れの中で、施工業者としての責任施工から雇われ職人的な無責任施工へのシフトが加速している状況を無視しては通れないということです。
だからこそ、販売者は施工管理、監理という品質管理業務を避けては通れない。
監理しなければ手落ちが起き易い。
さらに言えば、見えないところに手落ちがあれば、これこそ高コストと言うべきでは?

それにしても物販事業者達が現場に居合わせたとしても、そのやり方が手抜きかどうかなんて、わからない場合も少なくないことでしょう。
視る人が施工管理技士の免許を持っていればまだ良いのかな、とも考えて見ましたがペーパー免許では役に立たない。それに太陽光発電を視るには屋根や電気、建築といった幅広い知識と経験が必要で、太陽光発電を評価する方法を知らなければそれだけになってしまいます。

それならば、よしんば事業者に判断スキルがあるとしたら、ここに求められる閾値(シキイチ)はどんなものでしょうか?
どこからが”捨てるべき贅肉”でどこからが”断ってはならぬ骨”なのか?

販売者の中には
「10年。あるいは15年も持てば良いでしょう」
という人もあります。
でもこの物件では「あと10万かけてここをこうすれば20年持つんじゃないか。もう50万使えばさらに倍持つんじゃないか?イヤ、大して費用もかからない方策だっていくつもある。」
そんな場面ですらさっさと検討を止め思考停止し、手早い販売に走る仕方はとても惜しい気がします。
「ヨシドミさんはそう言うけど、保証出来るの?どんなに考え抜いて長寿命化対策したところで想像外の地震や台風だってあるし、引越しだってあるじゃないの」
「そう?でもその前にお客さんにアイディアを出し、尋ねて見た?」
「いや。あまり難しいことを言うとお客さんは引いちゃうよ。メーカーの保証で充分では?」
なるほど、一見もっともなようですが、顧客に対しよりよい方策、方針を提案するどころか、打診すらしていないわけです。
お客さんにご一緒に考えてもらわないと勝つための議論に過ぎません。
わかりきっている寿命箇所にはビニルテープによる接続を行った屋根上ジョイント箇所、PF管、インシュロック、めっきなどがあります。
もっと分かりやすい例で申せば、不使用のアンテナを撤去しておけば、これがアレイに倒れてモジュールのガラスを割ることも事前防止できます。
それほど難しくもなく、真っ先にやるべきことのいちいちを考え抜いてそれを費用に含める。あるいは無償サービスする。
こんな当たり前の事前すり合わせが怠られてしまうのも物販化の弊害と思います。
つまり気づくことが出来ない。気づくスキルが足りない。

[流通形態の変化として]
・中間業者としての卸商社の暗躍
太陽光発電システムが建設プロダクトからモノ化への道を辿ってきたとすると、ここには多くの中間業者が入り込む余地が出来ます。
材料価格高騰の原因。悪質事業者の抜け道の拡大化。

[モノ余りの世相として]
・際限の無い価格競争
総じて見ると手抜きにはこれが背景にある場合が殆どです。
シリーズの序章の方では高いお金を取ってもやるべきことをやらない。こういう悪質訪問販売を見てきました。そしてこれを価格競争の構図で見ると訪問販売の納品物の内容が悪くなってしまう理由と事実がある。
しかし待てよ。これは訪問販売に限ったことではないのでは無いか?

[KW単価評価という価値パラダイムの暴走]
・NEFの罪
NEFからは平均設置価格というものが公表されています。
単結晶80.9万円 多結晶64.1万円 アモルファス67.7万円
設備KWあたりの平均価格です。
しかしながらこの統計には重大な手落ちがあります
筆者自身NEFのアンケートに応じ、費用の内訳を提出したのですが、この方式で行くと購買者の感覚と乖離した、とても安い表現になってしまう。
どういうことかと申しますと、太陽光発電設備を設置するには太陽光発電設備を設置するのにふさわしい電気設備改変が伴う場合が少なく無いという現実を無視している。
もって回った説明がうまくないならば、太陽電池を設置すると同時にそのための電気設備改修費用が発生することが殆どだからこれを抜きに平均価格を表現するのは誤りだということです。顧客の感覚からすればこの費用は太陽光発電設備に含まれているものに違いありません。
http://www.solar.nef.or.jp/system/cdml/FMPro?-db=solar_system_pub.FP5&-format=s_detail.htm&-lay=all&-recid=12648271&-find

http://www.solar.nef.or.jp/system/cdml/FMPro?-db=solar_system_pub.FP5&-format=s_detail.htm&-lay=all&-recid=12648276&-find

http://www.solar.nef.or.jp/system/cdml/FMPro?-db=solar_system_pub.FP5&-format=s_detail.htm&-lay=all&-recid=12648279&-find
ところが現地にはオール電化あり、避雷器あり、分電盤交換あり、ところによっては床下換気扇ありといった状況なのです。するとこれらの設備には太陽光発電と電気的に兼用する部分もあって電気工事費用は費用は按分されます。
つまり実際の太陽光発電単品価格としてはこんなには、安くない。
誤解を避けるためにわざわざご説明しますが、私は宣伝のために安い費用例をNEFに示したわけではありません。
無作為に直近物件を抽出し、実際にかかった費用を丁寧に拾っただけです。
ところが上記の問題に加え、NEFが要求する費用項目は現実に要する費用項目に対してまるで少ない。接続箱や個別ストリングス用昇圧回路も含まれて居ないし、厳しい電力協議経費や社内検査費用も、スムーズな逆潮流のためにより低いインピーダンスを実現するための幹線工事も、売電メーター代も、別売りモニタがあればその費用なども含まれないわけです。
すると、これを見る人にはこれが全てみたいに誤解を与えるわけです。
さらには物販事業者達はこれらの費用を盾に、まるでそれが全てだと誤解してしまう。
何もかもやって同じ費用だと勘違いしてその費用で工事業者に設置を行わせることを強要してしまう。
ここでは予算内でできないことを安易にオミットする背景が完成してしまうのです。
もうひとつ。
シャープとそれ以外という構図に目を向けなければなりません。
実にシャープのNDシリーズは世界一太陽電池価格が安い。
一方、三菱電機のMRやMBM、昭和シェルのRKや京セラのRタイプといった長寿命化配慮品や三洋のHITといった特殊太陽電池による設備はNDによる設備が1.5倍から2倍買えるほどに高い。しかもこれらの製品は漫然と高いだけではなく、NDより良い点がある。
つまり太陽電池やパワコンといった材料の価格を無視した平均費用開示はあまりに端的かつひどく無責任ではないかと思うわけです。
より分かりやすく他の角度から表現するならば、NDの標準工事をこの費用で設置すれば儲かりすぎる。一方で、陸屋根かつ三菱MRやシェルGTで設置すればまるで足りない。
たたなづく屋根屋根は皆違う形状をし、悉く違った構造を持っています。太陽電池も機種ごとに価格が違う。現場ごとに必要とされる電気配線工事も、架台構造も違う。
ところがNEFの統計はこの多様な実状をなんにも示していない、不注意な統計なわけです。
私が敢えてKW単価を言うならば、その内容差によって実質40~150万/KWくらいの幅がありましょう。ここでは本来の話からズレ過ぎますのでここまでにいたします。

今回はずいぶん拡張した話をしてしまいました。
これら多くの話題は一見無関係な事項を羅列しているように見えます。
さて、読者の方にお考えいただきたいのですが、これらに共通する事柄は何でしょう?

実に、太陽光発電システムは本来的に太陽電池等の部品に加えて設計や組み立てを行う建設プロダクトです。
つまりモノコトから構成されます。
具体的に申せば、モノとは太陽電池やパワコンや架台といった材料。コトとは適切な設計による製品選択と注意深く適切な施工そして設置後の健康診断といったサービスの総体であり、代理店が代理店として存在しうる価値であり理由です。
ところがここからコトつまり設計や施工を取り去るとあるいは軽視するとダイナミックなコストダウンが可能です。あるいは外見上の安さの演出が可能です。安ければ売りやすい。顧客にもとりあえず喜ばれる。でもその納品物全体の内容はどうなのか?私はこれを問いたいわけです。
モノゴト-コト=モノ
ここに太陽光発電のモノ化が始まります。
モノ化した太陽光発電システムは実に扱いやすい。
何より先に商社の暗躍、物販店の跋扈、悪質訪問販売を許す背景があるのです。
ここに設計や施工といった、材料にイノチを吹き込む有機的作業はどこに行ってしまうのでしょう?
外壁リフォームをする方はそもそも壁材料を買って自分で施工するのですか?
浴室を改築する方はカタログから選び出したユニットバスが届くのを待つだけですか?
殆どの人はそうでは無いでしょう。
それが適切に据えつけられ、より良い形で機能を発揮することを望んでいるはずです。
だからこそプロに頼もうとするわけです。
建設プロダクトの安易なモノ化は太陽光発電システムの内容を空疎にしてしまう。
太陽光発電の販売業者のこうした動きは上記に見るように巧妙な手抜き、無意識的なサービス低下を伴います。
つまり現在の太陽光発電は、とても嫌なリスクを内包しているのです。
私達は、この現実に真正面から向き合わない限り、健全な市場はありえないでしょう。
私はこの項で、悪質訪問販売について考えてゆくと同時にそうした困った現実を皆さんにお話したいわけです。

8月 22, 2005 ザ・テーマ | | コメント (4) | トラックバック (0)

訪問販売について-2番

2:訪問販売は太陽光発電の普及において重要な役割を果たしてきました。

1で見たような訪問販売の姿はやや片手落ちです。1では訪問販売にとって売れるやりかた、儲かるやり方について見てきたわけですが、これを外側から見るとどうも、それだけではない。太陽光発電の業界においては、事実上、結果的に訪問販売が果たしてきた役割が見られるのです。以下、昔話を交えてお話してゆこうと思います。

太陽光発電はその性質から言って、従来の生活者には不要なものです。つまり無くても困らない、差しあたって必要とされない商材(設計と施工を必要とするので物販的商品では無い。だから”商品”とは言いません)です。
だから自動車のカーポート、風呂のリフォーム、新聞、置き薬などのよくある訪販商材と比べると何のためにそれを導入するのか、消費者からすれば購買する動機が無いわけです。
説明を聞いて初めて、ああなるほどなぁ。面白いかも。今で言えば、経済効果があるかも?と何か期待すべき点に気づくわけです。
だけどそれも教えてもらわないとわからない。

もちろん、今でこそ太陽光発電システムはイニシャルコストを考慮しても家庭の電気代節減に寄与するし、オール電化と組み合わせれば経済効果が大きい。生涯光熱費というレベルで見れば効用は莫大だという見方が出来ます。
ところが今から10年前からしばらくの間、つまり補助金が始まった平成6年頃~ミレニアムよりちょっと前くらいまでは、3~4KWも設置すれば今で言う標準的な納品内容、施工方法でも500万~1千万くらいは必要だったわけです。

だから、当時の太陽光の価値論は、今とは明らかに違う。
以前は、環境論など今みたいには無かった
経済効果なんてとてもとても言えなかった
それどころか全く思いもしなかった。「得になるはず無いじゃん。」
顧客に説明する前からそれが”常識”でした。

むしろ資源枯渇への警鐘と対策非常電源としての提案がメインにあって、一応、系統につないで売ることも出来ますよ。
また、光で電気が起きる。そしてこの電気を自らが使うことが出来る。
光で電気が起きる。アラ不思議。という太陽電池そのものの面白さ。
産業として伸ばせばわが国の雇用創出・失業対策にもなる。
国も応援していますよ
そんなところだったかと思います。
今思えば、よくその程度で買う人が居たなぁとも思います。
でも、そうした当時の様相が今の私を勇気付けても居ます。
人間の価値観は損得だけじゃないな。と。

ターゲットとしては、アマチュア無線家、電気電子マニア、学校教師、資源問題の研究家、原発反対運動者、といった特定分野の意識が高い人々でした。
これらの人たちはある意味、自己犠牲の精神を持っていたかもしれません。
世の中を良くするために、自ら何が出来るかを考え続けていた人たちです
また並行して、人工呼吸器の維持、高級熱帯魚の飼育など絶対に停電してはならない設備を持っている人たちや非電化の僻地に灯りが欲しいといったのっぴきならない「電源への渇望」を持つ人たちもお客さんとなりました。

ところが私達業者がどんなに太陽光の効用について知っていても、解説できる能力を持っていてもただそれだけでは、何にもならないのです。
黙っていては、わからない。
どんなに全うな思いを持っていても、どんな真心を持っていても、タダそれだけじゃ何にもならない。恰も好きな人に好きと言えないのと似ています。
ここに企業活動が停滞する原因があります

そこで少なからず戸別訪問、つまり飛び込みの経験のある者が一軒一軒の戸を叩き布教活動?を始めた。でも太陽光の会社に来ている人は食いつなぐためにそうした経験をした時期を持っているだけで元々がその道のプロじゃないからそううまくはいかないわけです。
歩けば歩くほど、(主として人件費としての)経費はのしますし、売れなくちゃ、その部門は廃止しなくちゃならない。
かといって、新聞屋みたいにドアに足をひっかけて契約を迫ったりなんていうのはとても出来ない。”ピンポーン”とやって「売り込みですか?」「ハイそうです。。。」とお客さんの方が上手(ウワテ)だし、すごすごと引くだけです。

少なくとも、私は非電化地域の組合の方に声をかけることくらいしか出来ませんでした。。
やっぱり口を開けて国や県の仕事を待つくらいしかないのかな
しかしながらそうした仕事があっても、書類が非常に難しい。
強度計算、防水の耐久性の証明、部材の詳細図面、施工計画。そんなものを書類で仔細に示さねばならないのです。当時、今よりもはるかに高価な太陽光発電はそうした「書類完備」どころか「書類の豪華さ」が厳しく要求されました。間違いなく、今よりはるかに難しいです。官の担当者も大きな予算を預かる以上、胃を痛めたことと思います。
そうだ、これをやろう。私は売る方じゃなくてつぶさな表現を目指す技術屋を目指しました。でも、これじゃ、売れなくちゃ給料泥棒だ。
事実、倉庫整理ばかりしていましたし、私の仕事は積算資料や設計のためのシートを作ることがメインでした。やっぱり給料泥棒です。

社員の誰もがそう思っていたら、昔布団を売るのがうまかった、開運の印鑑を売るのがうまかった、健康食品をだいぶやったよ、なんていう武勇伝を持つ男達と出会うことも出てくるのです。出会いというのは不思議なもので、そう願っていると、ある。
願わなければ改札口であるいは街角で通り過ぎるだけの人たちです。
つまり今まで見えなかった世界に気づいたのでしょう。
私が居た会社の社長はそういった人たちを積極的に登用しました。
で、上述のように太陽光の話を布教?する人たちが居て、多くの設置希望者を見つけてくることに成功した。
彼らは玄関口で蹴飛ばされてもへこたれなかった。太陽光発電の価値について相手にわかるように根気良く説明した。それが仕事だったからでしょうし、成約マージンもあったからでしょうけど、私達から見ればスゴイ。
3人も販売者が居れば、7人の社員全員が辛うじてメシを食えたのです。
そのうち3~5人くらいは別の部門で公共産業用専門あるいは開発部門で取り組んでいました。しかし後の残りは交代で給料泥棒でしか居られなかったのが、設計と設置工事で忙しくなることが出来たのです。これはスゴイことです。

しかし私の話は太陽光発電の黎明期の話かもしれません。今や星の数ほどある太陽光業者ですが、私達が居た会社はかなりカビ臭い本にも、良く出ています。地域どころか関東から中部・関西では良く知られた老舗でしたから。

もっと、今の訪問販売はやや悪質あるいはガサツです。
内容に比して値段が高い。
当時のメンバーでも、すぐれた訪問販売員はより高いマージンを目指してより高い報酬を得られる企業を掛け持ちしています。市場が大きくなったぶん、横のつながりもできてきたからです。
売れれば儲かる。それならばより儲かる企業を探してその企業をメインに手伝うのが良いのでしょう。優れた販売者は掛け持ちで商材を扱い、儲かる方の商材をメインに戸別訪問するのが普通になりました。いわば会社を助けたのも一過性の嵐だったわけです。
これは裏を返せば、販売員のコストが上がった分、顧客が得る納品物の品質が低下することを意味します。視点を換えれば、同じ納品品質であれば異常に高くなることを意味します。

手立ては大同小異。90年代後半になると市街地には京セラのFCやシャープの代理店なんてものまで出来てきて、彼らもまた似たような手法で販売を始めます。
より多くの業者が訪問すると太陽光発電を知るひとたちは増えました。

※当時、中部電力のかなりの数の営業所は、一般の方から太陽光発電について問い合わせがあると私達の会社に紹介してくれました。他にやるところが無かったのです。
しかし今や、大競争時代。電力会社は「電話帳を見たら?」「WEBで調べたら?」という調子だと思います。嬉しいような、困ったような。

しかしながら、そうした市場を作ってきたのは、太陽光発電というものの存在を広く知らしめる訪問販売員があってこそです。
何しろ、誰もが、良く知らないものについて問い合わせをすることはありえません。
やや昔に遡ると、アマチュア無線家も原発反対派も社会の先生も、まさかあの人工衛星にしか無かった太陽光発電が自宅に設置できるなんて思ってもみなかったわけです。
それを教えてくれたのはほかならぬ訪問販売の販売員達です。

★今回は歴史的経緯を辿る都合上、モノローグ調となってしまいました。
しかしながら継続してご意見をお待ちします。

8月 22, 2005 ザ・テーマ | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005.08.19

訪問販売について-1番

1:訪問販売とはどういう人々でしょう。

例えばこんな。。。

●家電屋さんの話
歴史的には町の家電屋さんも元祖ではないかと考えています。
(しばらくは同僚の職人の父親の話を参考にします。)
テレビの普及が始まった頃、当時はモノを修理して使う時代でした。
彼の父親は理学系の大学教師でした。ところが公務員の給料は安かったそうで、まだ珍しく高価だったラジオを修理してあげたり、片手間で自作しては口コミで売っていたのです。
やがてテレビの時代になるとその仕入ルートや修理技術がもてはやされることになりました。小売店の誕生です。このお店は「あなたの町の電気屋さん」というキャッチコピーで知られる松下グループの代理店だったそうです。
当時はテレアポも無ければ巨大フロアの量販店もありません。家電はまだまだ高価で今のように壊れたら捨てるわけにもいきません。テレビを扱うにはその場所に訪問しての修理が必要でしたから顔を合わせてのお付き合いだったわけです。
すると店は一度つかまえたお客さんは一生のお客さんです。それはもう、修理だけではなく、何か新しい便利なものが発売されたらそれを買ってもらいたい。家電屋さんは家々を通うわけです。ルートセールスと言えば聞こえは良いのですが、これも訪問販売。現地で言葉巧みに商品の魅力を説明しクレジットを切るわけです。

上の価値論は軽く触れる程度にします。
良いところ:地域に根ざしている。お年寄りや障害者など、業者が来てくれるほうが助かる立場の人々に優れたサービスを提供している。
良くないところ:売り上げが足りないときには「押し込む」 少々調子の良いことを言ってもとにかく「ハンコをつかせ」商品を「ねじ込んで」帰ってくる。
本質:悪気があろうとなかろうと、売れないと食べていけない場面では、良くないところが出てしまうことがある。フツーに売れていれば苦労は無い。

●教科書売り(リサーチ&ルート訪販とか飛び込み訪販)
私の子供の頃は、どこで見つけてくるのか子供の居る家をめざとく見つけてドリルや教科書を売りに来る人がありました。あれは値段は決まっていたのでしょうか。そうだとすれば置き薬屋さんもそうですね。保険屋・新聞売り屋もこの類でしょうか。太陽光発電販売店にも飛び込みセールスが居ます。
シツコク無く、誰が買っても値段が同じ納品物が同じであれば特に害の無い人々です。極まれに丁寧な商品説明をして売り歩く太陽光発電屋さんも居ます。
しかし、真心ある対応が出来る人物が営業していても戸別訪問というだけで誤解されやすいですし、私見でもかなりシツコイ業者が少なくありません。

●掃除機売り(高額悪質訪販)
トモダチの家に70万円の米国製掃除機がありました。値段が無いものを売る訪問販売の一種です。似たようなところで、浄水器(水商売なんていうことも)・高級布団・ミシンの悪質訪問販売があります。最近の悪質リフォームやごく一部の悪質太陽光発電販売店やもこれに属するでしょう。値段がわかりにくいものをカサにかかって高額販売をする人々です。

・・・つい凝りそうになる衝動がありましたが、種類を分別するのは目的ではありません。
さて私は、悪質な訪問販売のことを話そうとしていました。
ここでご一緒に彼らの立場に立って見ましょう。
どうすれば儲かりますか?

A:値段のわかりにくいモノを扱う
例えば訪問販売の売る浄水器は値段のわかりにくいものの例です。
例えば、五千円で仕入れた商品に自社のシールを貼って(簡易なOEM)十万円で売る。
ミシンなどもそうです。
買う方の心理は、「良いものであるという説明」に呑まれてしまっているから高いと思ってもその価値があるように感じるというものです。
売る側の言い分は商品説明という付加価値でしょうか。売り込みの間に交わされる会話は独居老人のなぐさみになることも少なくありません。おそらくこれが問題になるのは両者の意識のズレによるものでしょう。売る側の気持ちとしてはこの手間賃を貰っています。買う側は身の上話、世間話をするのはタダだと思っています。

B:値段の決まっていないモノ・コトを扱う
上ととても似ていますが、太陽光発電システムはこちらに属します。太陽電池の値段は決まっています。パワコンの値段も決まっています。しかし太陽光発電システムは太陽電池の値段ではありません。人の手によって形づくられる建設プロダクトです。
これら建設プロダクトは設計・架台・工賃にいくらかかるのかがお客さんにはわかりません。工賃が100万円であっても工賃を200万円にしておけば100万円余分に儲かります。(値段は例ですので具体的数値に意味はありません)
余談ながら「2~3日で済んじゃうとおかしいから一週間かけてやってよ。」
古い事業者の中には訪問販売からそう頼まれたことのある人もあることでしょう。リフォームもこうした手法が可能です。

C:作業を省略する
なすべき仕事をしないのも利益額を増やす方法です。
典型的なのは設計をしない、あるいは程々にしておくという方法です。
つまり建設プロダクトを単なる物販とみなす方法です。
納品物の外観と機能は整いますのでとりあえず納まります。当然、差額分が儲かります。
これはかなり注意深いお客さんにもわかりにくい、隠微な手法です。
しかしここにはグレーゾーンがあります。例えばエアコンのフロン放出型工事です。
この例は深すぎるテーマですのでここにはふさわしくありませんね。
エンジンの無い車はバレてしまいますが、すぐ壊れる車は許されるかもしれないのです。
暗喩でまとめておきます。

D:契約と異なる納品をする
建設資材は多数の部品の集まりです。これらの部品名には舌をかむほど長くてワケワカラナイ名前がついています。これがごちゃごちゃ~と契約書や納品伝票にあれば、その内容はお客さんにとっては意味不明ですし、興味も持ち得ません。これだけ必要なんだな、と頷くだけです。ここに高価な不要資材をまぎれこませていれば都合が良さそうです。
建材をうんと多めに納品し回収してくる者も居ます。
リフォームも太陽光もこれはやり易いでしょう。

E:オーバートークする
オーバートークとは典型的な訪問販売用語です。商品の効用を大げさに話すことです。
電力会社との契約にもよりますが、太陽光発電システムは1KWあたり、700円~2500円くらいの発電をします。これを「1万円発電する」と言えばお客さんの目が輝きはじめます。商材がさっさと売れると手間が省けます。何度も図面を用意する必要もありませんし、通う必要もありません。


F:商品を循環させる
太陽熱温水器でこれをやる事業者が少なくありませんでした。
一度設置して、また新型が出たと言っては新しいものを売り込み、
次々と取り替えて行く手法です。ポイントは商品を早く回転させることです。
新古品を普通に新品として販売すれば、仕入れ分の差益を得ることが出来ます。強引さによるため非合法ですし、そうそううまく行く方法ではありません。古典的手法です。
太陽光発電の場合、太陽電池のシリアルナンバーを控えさせることによってNEFはこれを防止して来ました。処分時も申請しなければなりません。
しかし処分時の取り締まり方法が無いので、中古で転売も可能です。なお、助成金を受けない場合は関係の無い話です。
今はリユースという評価が出来ます。しかし騙すという行為とは分別しなければなりません。


G:相手構わず先に納品する
現場の帰りで余ったんだ。安くするから買ってくれないか。
言い終わらないうちにもう大きな庭石を据えています。
余ったもクソもありません。本当は、
はじめから大きな邸宅を狙い撃ちしているのです。仲間の職人から聞いた話です。
あまりに可笑しな光景なので大笑いしてしまいましたが、昔は珍しくないことだったようです。


H:会社の廃業、設立を繰り返す
会社を廃業すれば仕入れをごまかすことが出来ます。
少しずつ仕入れを行って行く中で相手の信用を勝ち得、バーンと大きな掛け買いをします。売り先を確保しお金を貰ってから計画倒産
すると仕入費用ゼロで利益だけが残りますからこれはオイシイです。また、社名変更、連絡先変更をすればうっとうしい顧客のクレームを受けないで済みます。
関連して、太陽光発電の業界においても未払いのままつぶれそうな業者が少なくありません。
このコストは消費者と今生き残っている代理店とメーカーが肩代わりしています。大企業や官の不祥事に対しては怒りをあらわにしないと社会コストが増えます。※この分別はaosam様書き込みを参考に追加しました。

8月 19, 2005 ザ・テーマ | | コメント (8) | トラックバック (0)

2005.08.18

訪問販売について-0番

訪問販売と太陽光について、ここで取り上げることにしました。
そのきっかけはメールでいただいた貴重なご意見です。
実は以前からこうしたやりとりは他の方ともありました。
いつかはきちんと取り組まなければならないテーマであると感じてきた次第です。

☆☆☆ 引用ここから ☆☆☆

役所などは別として、一般ユーザーの販路なんですが、ほとんどは訪販かと思いますが、HPの中で、かなり否定をされている気がしますが、実際のところここまでの普及を支えているのも訪販かとも思うんですが・・
 その辺の事情も詳しく発信していただけたらと思いました。
 私たち工事人としては、ある程度そういった一般ユーザーとの接点は訪販に頼らざる得ない場合が多々あります。また、問題点も、ご指摘どおり多々あります。
 太陽光の普及のためにもどのような販路が望ましいのか、販路についてもいろいろやっていただけたらと思いました。

☆☆☆ ここまで ☆☆☆

さて、どこから手をつけようか大変悩みました。
まず私の訪問販売への考えを解説しまとめてゆく道筋を示したいと思います。
誤解も解かなければなりません。
紙面の都合でこれまでお話してこなかった別の問題もお話しなければなりません。
しかし、訪問販売とお付き合いされたことの無い方が読まれるとチンプンカンプンです。
つまりかなりの予備知識が必要ですので順序だてて話してゆきます。

1:訪問販売とはどういう人々でしょう。
2:訪問販売は太陽光発電の普及において重要な役割を果たしてきました。
3:訪問販売による太陽光発電は殆どの場合、納品品質が良くありません。
4:3は即決といわれる訪問販売の売り方の属性です。(設計や検討よりも)契約が先にありきという販売方法の問題点を考えなければならないでしょう。
5:良心的な訪問販売はなかなか成功していません。経営難です。
6:善悪好悪の論議以前に誰もがメシを食って生きてゆかなければならないということを考えなければなりません。
7:本来あるべき販路はどのようなものでしょう。

整理の仕方はこれがベストだとは思いません。後日変更することもありえます。
しかし始めなければ始まりません。
まずはこれらの項目に沿って私の経験と考えを述べたいと思います。
そしてこの記述を土俵に皆様からも優れたご意見を頂戴出来ればと思います。

ここでご注意ですが、書き込みくださった方の記述内容が他のカテゴリに属すことや、無関係の場合があろうかと思います。
この際は管理人によって勝手に記述を移動したり削除したり要約したりしますが、読みやすさの確保のためにもご了承くださいませ。

7番は超長大編になります。一枚の掲示板が成り立つくらいでしょう。
状況によっては、サイト構成まで見直してゆきましょう。

8月 18, 2005 ザ・テーマ | | コメント (2) | トラックバック (0)